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君はフリーゲーム「イストワール」でクリア後の世界を歩け


「ただいま」
俺はまた帰ってきた。
名作フリーゲーム、「イストワール」の世界へ。
そうだ、何度だって、何度だって帰ってくるさ。
そして俺は、まだイストワールの世界へ帰還したことのない人たちに、このゲームの素晴らしさを伝えるために、こうして文章を紡ぐのだ。

イストワールとは

2004年に発表された、ダンジョン探索型のフリーシナリオRPGだ。
俺が人生でプレイしたゲームの中でトップ3に入る、素晴らしいゲームだと思っている。
願わくは全人類にプレイしてほしいのだが、スクリーンショットとかを見せてもきっとピンとこないと思う。画面に華があるタイプのゲームではないから。

敵やキャラの素材はツクールに元々備え付けられている物ばっかだし、戦闘時にカッコいいカットインが入ったりしないし、イベント1枚絵なんてものもない。
それでも、君に勧めたいのだ。
ゲームの面白さっていうのは、必ずしも華やかさに比例しないことをわかってほしいから。

また、このゲームはパズルゲームと言ってもいい。
罠や隠し通路、ギミック満載のダンジョンを探索する要素。
敵の攻撃や行動に合わせて、装備の耐性を整える要素。
そして情報の破片を自分の中で組み合わせ、ストーリーを理解していく要素。
おお、まさにパズルじゃないか。

難易度は正直高いと思う。
それでも、やっぱり君に勧めたいのだ。
パズルがかっちり噛みあった時のあの気持ちよさを、君に味わってほしいのだ。

システムと自由度

戦闘システムはツクールデフォルトの、フロントビューターン制バトルだ。
ドラクエみたいなアレだ。
その部分についてはあまり擁護の余地はない。
ああ、普通のバトルね、と思ってもらえればいい。

また、エンカウント方式はシンボルエンカウントだ。
やろうと思えば全ての敵を避けて進むことができる。
というより、終盤は避けないとやってられない。
レベル上げよりも装備で得られる修正値と耐性の方が重要なゲームなので、戦わずにダンジョンの奥まで進み、レアアイテムをゲットできるならそれに越したことはないのだから。

そして、なんといっても
①仲間選択
②技能習得
③ストーリー進行
に自由度があるのが大きい。

①仲間選択

物語中に「同調の像」を1つ手に入れるたびに、1人の同行者を増やすことができる。

基本的には7人から選ぶことができるのだが、1度選んだらもう選びなおせない。慎重に選択しよう。

画像左上の緑色のドラゴンから時計回りに軽く紹介しておこう。
●グヴァリフ:ブレス攻撃とダンジョン探索に優れる。MP効率くっそ悪ぃなおっさん!
●アレク:防御力が高い。多くの武器種を装備できる。地味だが最強剣の使い手。
●ジャネットさん:回復も攻撃もある程度できる万能型僧侶。
よく食べよく飲み、ゲロを吐く。必殺技は咀嚼。
●レスター:不死者。死なないけどよく動かなくなる。置物だよこんな奴。
●シェーラさん:魔法攻撃のエキスパートでなぜか半透明。まさか再びこの呪文を唱えるときが来ようとはね!
●葬儀屋:二刀流の使い手。即死特化というダメそうな役割を持つ。実際ダメ。俺が使いこなせてないだけ?うるせえ
●セラフィ:回復特化型。浮いてる。かくれんぼでズルをするクズ。

俺の初心者へのおススメは、もちろんジャネットさんかシェーラさんだ。可愛いしね!可愛いしね!可愛いしね!(強いしね!)

②技能習得

1ダンジョンで1つ見つかる大結晶石を消費し、主人公の技能を自由にセッティングすることができる。

技能により消費する大結晶石の数は異なり、全ての技能を取得することは不可能になっているため、取捨選択が必要である。
画像中にある技能でいうと、
【強敵の匂い】はボスの情報を事前に知ることができ、【場所知識】なんかはダンジョン情報を得ることができる。
または【敏捷力+3】をとって戦闘に直結する効果を得てもいいし、この技能習得マップを右に行った先には【調理】や【おうふくびんた】などの面白スキルや【メガクラッシュ】【インフェルノ】などの強力な攻撃スキルだって揃っている。
ダンジョン探索最強技能【隙間風の匂い】すら、いずれは習得可能かもしれない・・・!
いずれにしろ、主人公だけでは全てを賄えない為、仲間との役割分担が重要になる。

③ストーリー進行

ゲームクリアのために絶対に行かないといけない場所、というものがほとんどなく、絶対に倒さないといけないボス、というのもほとんどいない。
とらないといけないアイテムだってほとんどない。
アイテム合成屋なんて利用しなくてもいい。

しかし時間だけは進み、世界の崩壊は確実に進んでいる。

君はどんなルートをたどり、どんな手段を使ってもいい。
とにかく世界崩壊の元凶を見つけ、もう一度世界を救うのだ。

情報の断片から紡がれるストーリー

このゲームの特徴として、モブキャラがほぼ存在しない点が挙げられる。
いるのは主要登場人物のみだ。
つまり、多くのキャラとの会話から情報を得て、ルートを見定めるという、JRPGの基本がほとんど通用しない。
その分メインキャラとの会話は多パターン用意されているし、意味のない台詞も少ない。

そして、ここからは少しネタバレになってしまうのだが。
この「イストワール」というゲーム、実は開始した時点で
「クリア後の世界」なのだ。

世界の創造の時代は終わり、魔王の起こした戦乱は英雄たちによって止められ、魔王とその部下は封じられ、英雄たちはそれぞれ余生を過ごしている。

それなのに、世界は崩壊の危機を迎えているのだ。
それは何故なのか。
誰が崩壊を起こしているのか。
そして、
そして、
主人公は一体どういう立ち位置にいるのか。

世界に散らばる情報を集め、一本の筋がとおり、元凶の元へたどり着くための「ある手段」が頭に浮かんだ時のゾクゾク感と言ったら、言葉にできない。

ジャネットさん

最後に、俺の一番の推しキャラ「ジャネットさん」をさらに深く紹介しておきたい。

これがジャネットさんだ。
かわいいね。
ジャネットさんはある程度装備に融通がきき、回復技も持ち、攻撃力も低くないという万能お助けキャラクターさ。
初心者の君は最初の仲間にジャネットさんを選ぶといいよ。

また、各仲間キャラクターには「本体解放」というイベントが1回ずつ存在している。
そのキャラクターの「正体」がわかるとともに、解放後でないと使えない強いスキルが使用できるようになる。
どのキャラクターの正体も驚きに満ちているが、ジャネットさんのそれは特にビビると思う。

ジャネットさんの正体、それは、

くいしんぼ

である。

本体解放後には、
「食事の時間にする」
という凄まじいスキルが追加されるのだ。

おっと、これ以上言うとジャネットさんに食べられてしまうな。
俺はここで口をつぐむとしよう。


ここまで読んでくれた君が、今こそイストワールの世界へ帰還してくれることを、心から願う。
そしてこの世全ての物語に、祝福と感謝を。


か  じ  だ  ぞ

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