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【同時通訳演習 第10回 振り返り】通訳者 野&村

こんにちは!
今回は、3月7日に同時通訳演習、第10回にて通訳ペアを組んだ野、村で演習の振り返りをさせていただきます。こちらの同時通訳演習は関根マイクさん主催の英語通訳塾の授業の一環として行われたものです。

Fundamentals of Software Engineering

今回の同時通訳演習では受講生Mさんの英語でのプレゼンを日本語へ通訳しました。タイトルは「Fundamentals of Software Engineering:ソフトウェアエンジニアリングの基礎」です。説明会の際にMさんより、大体の用語は日本語でも英単語をカタカナでそのまま使っているということを共有していただいたのですが、私(村)はカタカナを噛んでしまう傾向にある、かつなかなか馴染みのない分野の為、野さんとも自習会をさせていただいてから臨みました。

今回の演習を振り返って

野:選択した同通演習の中で最も心配をしていたプレゼンテーマだったのですが、Mさんの分かりやすい事前説明のおかげでしっかりと理解し、臨むことが出来ました。発表内容もエンジニアと開発の種類、そしてアプリ開発フロー(スペック(仕様書)作成からリリースまで)とスライド同士の関連性も分かりやすく、次に話されることのイメージがしやすかったのでいつもよりは余裕をもって訳せました。
また、今回は村さんとも事前に同通練習も行えたのでその点も良かったと思います。

村:Mさんが普段よりもゆっくり目に話していただいたこともあって情報は大体取れたという手ごたえがありました。先週の同通演習はボロボロだったので、その部分は収穫と言えると思います。私は準備をする際に深堀しすぎてしまう(スライドで網羅されている情報から派生して調べてしまう)という傾向があります。その結果、エンジニアリングのような複雑な内容、JIRA(プレゼン中に出てきた、タスク管理ツール)GIT(同じく、コードを書く上での編集履歴の管理ツール)など調べれば調べるほど奥が深すぎてドツボにはまってしまい、準備段階で全てわけが分からなくなってしまったタイミングがあったのですが、原点のスライドに戻ってじっくりと見てみた時に基本が上手くまとまっていてストンと理解できたのでMさんの素晴らしいスライドのまとめに感謝です。

良かった点

野:前回悪かった点に挙げていた「溜息のように聴こえる息遣い」は今回改善できたと自分では思っています。その代わりとなる問題点が目立ちましたが…(詳細は後述)
まだ沈黙してしまう場面はありますが、前回より回数は減らせたと思います。これは、事前自習会での村さんのアドバイスのおかげだと思っています。プレゼンに関係しそうな動画をお互い持ち寄り、同通練習をしたのですが、あまりにも話の流れがつかめなかったり、単語が分からずでフリーズを連発してしまいました。そんな私に村さんが「聴き取れたものはとりあえずどんどん出していくと脳への負担も軽くていいよ」とアドバイスをいただきました。(例えばその英単語が分からない場合、カタカナのまま出すなど)
私は内容の理解が十分できていないとその状態で訳すことに不安と抵抗があり、待ちすぎてしまう傾向にあります。しかし、そうしていると動詞を思い出せず文を完結できなかったり、次の文が聴けなかったり、前半で力を使いすぎて後半スタミナ切れで声が弱々しくなりがちでした。村さんのアドバイスにとても納得し、こちらを意識して練習・当日挑んだ結果、前回よりは躊躇わずにとりあえず出してみるということが出来たのかなと思います。たとえよく聴き取れなかったり、自信があまり無かったとしても、とりあえず訳出し、困ったらスライドの情報などを組み合わせることで意外と何とかなることが分かりました。反対に、一旦止まってしまうとなかなかその状況から抜け出せなくなってしまう危険性にも気がつきました。マラソンと同じで一旦立ち止まると、その後が辛くなります。コンスタントに訳せるよう練習を積み重ねていきます。

村:概要を理解することができてから演習に臨むことができたので、内容がある程度わかっているという自信をもって臨むことができました。結果、かなり内容を訳として出すことができたので、その点は良かったと思います。

悪かった点

野:村さんにもご指摘いただいていますが、「えー」や「えーと」と口にする回数が非常に多く、目立ちました。良かった点として息遣いは変えられたのですが、その代わりにフィラーがとても増えてしまい、ほとんどすべてのチャンクの前に入っていました。「えー」と繋ぐことで、自分の中でリズムを作る癖になっていると思うのでここは意識して直していきます。

あとは、フロントエンド開発とバックエンド開発について理解するための分かりやすい例としてレストランの話を挙げられたときのことです。ここは事前打ち合わせの際には説明がなかった箇所なので「レストラン」という単語が出てきたときに少し慎重になりました。会話の流れからして、表とそれを支える裏の機能について話されることは予想がつきましたが、どう文章化しようか一瞬迷いが出てしまい、後れを取ってしまいました。そして玉突き式に、その次の文もしっかり聴くことが出来ず、同通での迷いは命取りになると痛感しました。躊躇わず訳すということに関して、実践できている場面もありましたが、やはりまだ練習が足りないと思いますので引き続き力を入れて取り組んでいきます。

村:講評で、関根先生にもご指摘いただいたのですが、言葉のつなぎの部分が全て上げ調子になってしまっていました。これは「次は何を言ってくるんだろう?」と訳出をしているにもかかわらず、発表者であるMさんに問いかけているような心理状態だったので、伝えるべき相手の意識が足りなかったと感じました。また、情報を全て出したいというところに固執しすぎてリスナーフレンドリーでなかったと反省しています。

パートナーとの比較

野:第1回目の同通演習のときから思っていたのですが、村さんは声に安定があり、話すスピードもちょうどよく大変聴き取りやすいです。雪崩式に訳されることもなく、一定のペースでコンスタントに訳されるので聴いていて不快感がありません。気になった点としては、ご自身でも挙げられている言葉のつなぎ部分が上がるのと少し伸びている点です。こちらを改善されると訳の印象がさらに良くなると思います。

村:音源を聞き返してみると、野さんは自分のペースを保ちながら、センテンスとしてきちんと完結して文章を出せていて素晴らしいと思いました。HTMLの正式名(HyperText Markup Language)もきちんと取れていて(しかも噛んでない!)よかったです。ただちょっと気になったのが、多分癖になっているのでは無いかと思うのですが、全部の冒頭に「えー」と言っていてちょっと聞きづらいところはありました。これさえなければすごく聞きやすい訳出になっていたのに!と思いました。

次回の目標

野:次回が最後の演習となります。まだまだ落としている情報も多いですし、沈黙もゼロではないですが、課題として挙げていることに少しずつ進歩を感じることが出来てきました。躊躇わず訳出し沈黙を無くす、そしてフィラーも減らすことを意識して取り組みたいです。

村:徐々に慣れてきてはいるとは思うのですが、今回の演習の直前に自分の音声録音に使用しているボイスレコーダーが見つからなくなり、バタバタしてしまった事など、気の緩みとも見える事がでてしまいました。また、今回は自分の訳出で精一杯で聞き手に意識を向けることができませんでした。次回も一回一回の貴重な機会を大切に意識して演習に臨みたいと思います。

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