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EPO(欧州特許庁)ウェビナーに参加してみました

先日EPO(欧州特許庁)から「Receiving PCT communications electronically from the EPO」というタイトルでウェビナーを開催しますというお知らせが来ました。業務とは直接関係がありませんが、好奇心から参加してみました。夕飯を作りながら見たし、英語のウェビナーだったので理解がいい加減な部分もありますが、ちょっと面白い内容でしたので、大まかな内容をご紹介しておきます。

概要は、EPOが現在大規模なDX化を進めていて、その一環としてPCT出願に関する通知をEPOから受領するのに、新しい手段(MyEPO)ができましたよというものです。日本からEPOを受理官庁にしてPCT出願をすることはないので、その点において我々は関係がありません。しかしどの国からPCT出願をしても、国際調査機関としてEPOを指定することは可能です。そういう場合は国際調査報告等の通知の受領がより早く、簡単になりますよ、というのが今回EPOが一番強調していたことでした。

実際それで何が可能になるのかというと、EPOを通したPCT関連の通知がそこで見られるようになるという、それだけです。ただ、MyEPOのアカウントを作ると、紙の通知はもう来なくなるそうです。また、メールでの通知は引き続き送られてくるが、MyEPOだとメールより早く、タイムラグなしに通知が来て便利で、他にも色々な機能があるよと紹介されていました。EPOはこんな形でペーパーレス化を進めているんですね。

今のところ需要はあまりなさそうですが、日本からでもアカウントを作ることができるのだと思います。今後このサービスがPCT出願だけではなく、EPO出願の通知にも運用されるようになれば、より多くの日本の事務所と出願人が恩恵にあずかれるようになるかもしれませんね。

更にEPOはBlackHills AIという会社と新システムを共同開発したらしく、後半ではIPサポートサービスの担当者が「うちのシステムを使うとEPOからの通知がここまで楽に、そして自動で処理できます」と説明(宣伝?)をしていました。このBlackHills AI社はパラリーガルサービスも代行するらしく、特許事務の仕事もAIにとってかわられつつあるのかと、当事者として軽い危機感を覚えました。EPOも今後特許審査へのAI活用を検討していくようですし、知財業界にも今後どんどんAIが入って来ているのでしょう。

これまでEPOの動向には何も注意を払ってきませんでしたが、なんだか色々やってるんだなと感心しました。ウェビナーにはEPOのパラリーガルの方も登場し、爽やかな説明をしてくれました。広義ではEPOのパラリーガルさんたちも我々の同業者です。可能であれば、そんな方々にもお話をうかがってみたいなあと思いました。

最後に知財事務コミュニティの宣伝です。
5月17日には勉強会を予定しています。興味のある方はぜひご参加ください。説明はこちら(↓)になります。
知財事務コミュニティ発足後、第1回目の勉強会開催のお知らせ