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リモートワークという働き方 ─ライフからワーク・ワークからライフ─

小特集「ワークライフバランス」より

大城佳明(YassLab(株))

ワークとライフ

独身男性のワークライフバランス
 ワークライフバランスと聞くと,子育てや介護との両立を思い浮かべる人は少なくないと思います.私は,31歳男性独身一人暮らしです.現在,子育てや介護とは無縁の暮らしをしている私のライフとワークについて説明していきます.

ライフ
 まずは,ライフとして私の生活から説明します.生まれも育ちも沖縄で,現在も沖縄に住んでいます.休日は,地元の友達からの誘いも多く,よく外に遊びに行きます.また,1人のときはゲームをしたり,動画を見たりと,よくいる一般の独身男性の生活をしています.ほかの人と違うところがあるとするならば,人の相談を受け取ることが好きで,占い師を趣味にしていることです.電話でも相談が来ますが,直接会って相談するケースも少なくありません.県外に行くこともあります.3カ月に1度は3週間ほど関東に行きます.私生活では好きなことをするために,フットワークを軽くし,さまざまな場所に行けるような生活を送っています.そのため,仕事は場所に依存しないリモートワークという働き方をしています.

ワーク
 私は,社会人3年目でYassLab(株)に所属しています.オフィスに集まらず,全員が自宅やカフェなどの遠隔地から仕事するリモートワークというスタイルで仕事をしています(図-1).私の仕事は自社サービスの開発や他社のサービスの開発支援をしています.1日8時間労働で残業はありません.残業がない代わりに,副業を推奨しています.残業がないこと前提で仕事ができるため,私生活の予定も立てやすいです.

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図-1 リモートワークの様子

人を変えず仕組みを変える

会社の仕組み作り
 私がYassLab(株)の好きな考え方の1つとして,「人を変えずに,仕組みを変える」があります.仕組みがあり,それを守る人がいるのでなく,人がいて,それに合わせた仕組みがあります.その1つの例として,就業規則について説明します.

就業規則読み会
 日頃,就業規則を一行一行読む機会はほとんどないと思います.私たちは会社の人数増加に伴い,就業規則が必要になりました.就業規則を作るにあたり,就業規則が今の仕組みに適しているかを確認しました.就業規則読み会を行うことにより,就業規則を理解することができるだけではなく,曖昧な言葉を定義し,判断基準を明確にすることができました.

コードを読むように就業規則を読む
 就業規則は大事ですが,変更し確認を行うために,毎回就業規則読み会をするのは大変です.そこで,私たちは就業規則をGitHubで管理することにしました(図-2).GitHubとは,プログラムなどのソースコードの管理を行うサービスです.社員が全員エンジニアということもあり,GitHubで就業規則を管理することで,コードを読むように就業規則を読むことができました.働きやすい仕組み作りには,環境や時代に合わせて変更しやすい仕組み作りが必要だと考えています.

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図-2 就業規則をGitHubで管理する

ワークとライフのバランス

ワークがライフになる
 仕事が充実することで,私生活も充実しますが,それだけではありません.仕事をすることで,私生活に良い影響を与えます.以下の3つが私の例です.

1. 新しい技術を学ぶことで,技術者としての副業ができるようになりました.
2. 新しい知見を得ることで,自身サービス構築に役に立ちました.
3. 仕事の人間関係から,趣味の相談の幅が増え,占い師の顧客が増えるきっかけになりました.

 このように仕事を仕事内だけで完結するのではなく,私生活にも役に立つことがあります.これが,ワークがライフになることだと私は考えています.

ライフがワークになる
 私生活が充実することで,仕事のモチベーションが上がります.それだけではなく,私生活の活動が仕事の売上に貢献する結果になりました.以下の
3つが私の例です.

1. 趣味の相談の繋がりから,弊社の複業者が増えました.
2. プログラミングを教えることから,社内の学生アルバイトが増えました.
3. プログラミングの学習の相談を受け,社内コンテンツを紹介することで売上に貢献しました.

 会社の売上に貢献することで,昇給や賞与が増える結果になりました.私生活の活動が,仕事に影響を与えたことで,ライフがワークになりました.

新しい仕組みを考え続ける
 ワークがライフに,ライフがワークになることが,ワークライフバランスになるのではないかと,私は考えています.そのためにも,仕事の仕組み作りが大事です.会社によって良い仕組みは変わります.より良い仕組み作りをするために,変化に対応しやすい仕組み作りが必要です.環境や時代に合わせた新しい仕組みを考え続けることが,より良い仕組み作りになると私は考えています.

(「情報処理」2019年8月号掲載)

■大城佳明 yoshiaki@yasslab.jp
大学を卒業後,完全リモートワークの会社であるYassLab(株)でWebエンジニアとして働いている.プライベートでは占い師として活躍し,エンジニアと占い師との2つの顔を持つ.

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1)情報処理学会会員になり(http://www.ipsj.or.jp/nyukai.html)、電子図書館(https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/)に登録する。
2)fujisanで購入する。
 - 特集別刷(https://www.fujisan.co.jp/product/1281702003/
 -「情報処理」本体(https://www.fujisan.co.jp/product/1377/b/1849790/
3)Kindleで購入する。(https://www.amazon.co.jp/dp/B07VCMXQ4R/

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