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2024年1月号の見どころ(Vol.65, No.1)

世間は忙しい師走でありますが,本会会誌「情報処理」はいよいよ2024年1月号ということで,Vol.65もどうぞよろしくお願いします.

表紙デザイン

今月号から表紙デザインが変わります.Vol.64の「64」とビットを意識したデザインはいかがでしたでしょうか.2023年の1月号の見どころでもご紹介した通り,表紙デザインに応募された中から2次審査となり臨時編集委員会を開催した際の作品は4作品でした.Vol.64の表紙となった作品の他,ノミネート作品1と2を編集長noteでご紹介させていただきましたが,実はその際のもう1つの作品がVol.65の表紙となります.次点というわけではなく臨時編集委員会で2件から絞りきれなかった結果,両方採用とさせていただき,64ならではのデザインだったものを先にVol.64の表紙として採用いたしました.ということでまた印象が変わったかわいらしいデザインの表紙を1年間お楽しみください.ちなみに過去の表紙一覧はこちらにあります.

巻頭コラムは中村獅童氏

お正月号ということで巻頭コラムは日本の伝統芸能でもある歌舞伎に注目し,「歌舞伎の伝統と革新を追求する」というタイトルで中村獅童氏にお引き受けいただきました.伝統的な歌舞伎に加えて,デジタルを活用した初音ミクとの「超歌舞伎」に取り組む様子など伝統芸能×情報技術の世界を是非お読みいただければと思います.

特集「都市のデジタルツイン」

会誌64-11号(2023年11月号)では特集「デジタルツインコンピューティング」を組みました.人,ロボット,観光,地域活性化などを始めとした我々の生活に寄り添うデジタルツインを広く扱う特集はいかがでしたか?今月号は都市のデジタルツインの整備及び活用という視点から,具体的に国内の取組をまとめた特集となっております.

特別解説は「オセロが解けた」ことを受けて解説

会誌「情報処理」では何ヶ月も前から企画をし,執筆者を選定・依頼をして進めていく特集記事や連載記事のようなものの他に,時事的なニュース,世の中の動向から素早く情報を読者に届けるための緊急記事的側面の「特別解説」というコーナーがあります.特別解説の記事は,すばやく読者に届けるためにnoteに先に公開をしてその2ヶ月後に会誌掲載という流れを取っています.

2023年12月15日note掲載の特別解説は,山名琢翔氏による『「オセロが解けた」を白黒ハッキリさせようじゃないか』です.こちらの記事は,"Othello is Solved"という論文がarXiv(アーカイヴ)に投稿されたことを受けてCodinGame OthelloでオセロAI世界1位になった山名氏が解説してくださいました.ジュニア会員には「arXiv(アーカイヴ)」は聞き慣れない言葉かもしれません.論文は通常,査読と呼ばれるプロセスで論文の内容を精査され,査読を通ったものだけが採録となり世の中に公開となります.不採録となったものは論文の修正をしたり,アルゴリズムを再検討したり,再実験をしたりしながら,次の投稿先へ投稿します.そしてそこではまた査読プロセスに入ります.1回の査読は長いと1年以上かかることもあります.

arXivは素早く情報交換をするためのプレプリント(査読前論文)サーバーです.査読前の研究成果を迅速に公開することができ,研究アイデアや独創性の主張ができるなどがメリットとして挙げられます.今回は「世界で初めてオセロが解けた!」という論文がarXivで公開され,ニュースとなりました.みなさんにとっても身近なオセロ.小さい頃遊んだという人もいるかもしれないですしお正月帰省したりしながら老若男女楽しめるボードゲームでもありますね.そんなオセロが「解けた」とはどういうことなのか.是非,山名氏の解説を読んでみて下さい.また,"Othello is Solved" はこちら(https://arxiv.org/abs/2310.19387)にありますので論文を読みたい方はこちらから是非お読み下さい.

それでは,Vol.65もお楽しみください!