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「情報処理」巻頭コラム

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情報処理学会 会誌「情報処理」のバックナンバーから,巻頭コラムを順次紹介していきます.IT専門家はもちろん,教育者,政治家,医師など、様々な業界の方々にご執筆頂いています.
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#プログラム

人生はゲームだ(後編)

松原 健二((株)SNK代表取締役社長CEO)  前号の兄の巻頭コラム「人生はゲームだ」を繋げていく.最初に本格的にプログラムを書いたのは1984年の卒業研究だった.元岡達先生の研究室で「プログラミング言語C」を片手にviに向かうと,世話好きな先輩がさまざまなテクニックを教えてくれた.コンパイルをバックグラウンドで走らせるとRogueをプレイした.自動生成のダンジョン,暗闇に現れるアイテムやモンスター,飽きのこないゲームデザインは今でも色褪せない傑作だ.経営者としてゲーム開

人生はゲームだ(前編)

松原 仁(東京大学次世代知能科学研究センター)  1970年代後半に最初に書いたプログラムは将棋だった.プログラミングを自習し始めたばかりの学生にとって将棋はむずかしすぎてまともに動くものはできなかった(ちなみに言語はFortranだった).情報科学科に進学してプログラミングにある程度習熟してから詰め将棋を解くプログラムを完成させることができた.大学院に進学してAIを研究することになったけれど,日本ではゲームを研究テーマとすることは到底許される雰囲気がなかったので画像認識や