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黒橋禎夫(国立情報学研究所長/京都大学特定教授) 20世紀の学術研究はさまざまな技術的革新をもたらしたが,同時に社会には環境問題,格差問題などの弊害も生まれ,人類はむしろ矛盾に満ちた世界で苦しんでいる.学術が,複合的な社会課題を解決し,真に人々の心の安寧をもたらすためには,人文・社会科学を含むさまざまな学術研究の協働が必要であり,それを可能にする土壌の構築が課題である. これまでの20〜30年を振り返ると,情報学が社会および学術界に対して広範なインパクトを与えてきた.