山崎製パン(2212)
年初来 -13.45%
時価総額6168億円、PER15.3倍、PBR1.37倍、利回り1.36%
事業概要
菓子パンの販売を柱として他にも和菓子や洋菓子の販売、コンビニ事業を行っている。
2024年12月期第二四半期決算概要
1. 食品事業
総売上高: 5,745億7百万円 (前年同期比109.4%)
営業利益: 299億15百万円 (前年同期比148.3%)
主要製品別の売上状況:
食パン部門:
売上高: 598億49百万円 (前年同期比111.9%)
主力製品「ロイヤルブレッド」の伸長や、低価格食パン「スイートブレッド」、「モーニングスター」が好調。
「ダブルソフト」が大幅に伸長し、新規連結された㈱YKベーキングカンパニーが寄与。
菓子パン部門:
売上高: 2,343億77百万円 (前年同期比114.8%)
主力製品「コッペパン」や「まるごとソーセージ」などが好調。
低価格製品や新規連結の㈱YKベーキングカンパニーの貢献が大きい。
和菓子部門:
売上高: 368億86百万円 (前年同期比105.1%)
主力製品「串団子」や「饅頭」が堅調に推移。
洋菓子部門:
売上高: 779億15百万円 (前年同期比103.5%)
主力製品「まるごとバナナ」や「イチゴスペシャル」が好調。
調理パン・米飯類部門:
売上高: 769億3百万円 (前年同期比103.6%)
「おにぎり」や「サンドイッチ」が伸長。
製菓・米菓・その他商品類部門:
売上高: 885億75百万円 (前年同期比107.0%)
㈱不二家やヤマザキビスケット㈱の製品が好調。
2. 流通事業
売上高: 360億99百万円 (前年同期比112.1%)
営業損失: 5億53百万円 (前年同期は11億65百万円の営業損失)
取り組み:
戦略商品「こぼれるクリームパン」や「ランチパック 大盛り」シリーズの開発を推進。
店舗開発や店舗改装による業績改善に取り組み、チェーン全店売上高が増加。
3. その他事業
売上高: 71億40百万円 (前年同期比106.1%)
営業利益: 13億99百万円 (前年同期比105.9%)
「いのちの道」の教えとは
ヤマザキは聖書の教え・キリスト教の精神に導かれる事業経営を徹底追求した会社。
おそらくその教えとなるものは経営方針の中で出ていた(下記)。
生命の道全体を導く言葉は「神の国とその義を先ず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えてこれらのものはすべて与えられます。」というみ言葉であることを知りました。神の国とは、神のみこころを行い、継続して良い実を結ばせる自主独立の協力体制のことであり、神の国の義とは、自主独立の協力体制の中で行う神の言葉に導かれ神のみこころにかなう日々の仕事のことです。また、神の言葉とは、当社にとって「良品廉価・顧客本位の精神で品質と製品、サービスをもって世に問う」というヤマザキの精神を表す言葉であり、神のみこころにかなう仕事とは、「知恵と知識によって変化に挑戦し、新しい価値と新しい需要を創造する」という生命の道を導く言葉に従った日々の仕事です。
「なぜなぜ改善」とはおそらく山崎製パンにおける課題解決のアプローチ手法であると考えられる。実際に山崎製パンで行った取り組み(戦略・商品開発)はこれに基づいていると考えられる。
強み
パン大手で国内シェア4割
菓子パンでは「コッペパン」「薄皮シリーズ」、「ランチパック」、食パンでは「ロイヤルブレッド」、「ダブルソフト」、「超芳醇」といった数々の人気商品がある。また、不二家を傘下として持っておりお菓子業界にも多数の人気商品を持っている。
株主還元
連結配当性向30%が基本方針。
137億円の自社株買いを実施。
総括
山崎製パンは独特なカルチャーを持った会社であるということが今回わかった。そのため一見、決算書の文章を読んだだけでは理解するのが難しい。「いのちの道」とは何か、「なぜなぜ改善」とはどういった取組みなのかもう少し株主にも分かりやすいといいなと感じた。ただ、食品業界の中では菓子パンに製菓の中で強い存在感がある。過去3年で増収増益となっているが今のバリュエーションに割安感なく、配当利回りも低いため年初来で低迷していると考えられる。
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