二足のわらじ

⭐️⭐️⭐️
(星の数でこの記事のオススメ度を
5段階で評価しています)


2週間ほど前
『二足のわらじ』
という兼業芸人のライブの
第3回目が行われました。

兼業芸人とは
学生や社会人をやりながら
舞台に立っている人たちの事です。

月2回
隔週で行われているので
実は明日、10月18日も行われます。


この記事を書いている今も
この記事が出た時も
まだ結果はわかりませんが

お楽しみに



今日はその
『二足のわらじ』
というライブについて
また、出場した経緯などを
つらつらと書いていきたいと思います。



僕は自分が出たライブについて
書くことはあまりありません


おそらくこれが初めてに近いです。


では、なぜ書くことを決意したのか


それは
ある先輩芸人さんのTweetを見たからです。

1週間ほど前、
ボーッとTwitterを見ていると
あるツイートが目に飛び込んできました。

投稿したのは
川嵜でし太さんという先輩でした。


僕は今のコンビのみならず
前のコンビの時から
様々なライブに呼んでいただいたりと
お世話になっている方でした。

後輩がかいつまんで説明するのも
少し失礼かもしれないですが

Tweetの内容を大まかに言うと

でし太さん自身が正社員と兼任しながら
芸人を続けており
それを今まであまり公表していなかったが
時代の変化とともに
職業の多様性を感じ
それを武器にしていくことにした

と言うようなものでした。

内容を見て
正直、
僕の心にかなり刺さりました。

僕は今現在大学の5回生です。

全く同じとは言わないまでも
似ている境遇であることは
間違いないです。


今から2ヶ月前の8月5日、
『二足のわらじ』の主催である
BAR舞台袖の加藤さんから
お誘いが来ました。


「来月から月2回
兼業芸人のバトルライブをやります
よければ是非」


正直
このライブの
存在自体は加藤さんに言われるより前から
知っていました。


コンビであれば
片方が兼業なら
出場資格があることも


ではなぜすぐに出ようと思わなかったか


その理由を少し
書いていきたいと思います。


今現在、
僕が組んでいる
フリックフラックというコンビは
結成して1年半ほど

コロナの自粛期間の影響で
ライブが全くない時期もありましたが
現状月に10〜15本程度
ライブに出演させていただいています。

ひとつのライブで1日に
何公演もあることも多いので

舞台数は
もっと多いかもしれません。

この数は兼業芸人の中では
かなり多い方だと思います。


加藤さんから
お誘いを受ける前
Twitterで
この『二足のわらじ』
というライブの詳細を知りました。

出れる

確かに出れるけど
相方であるりつきは専業だし
僕も大学の5回生だし

正直言って
兼業という意識は全くないまま
前のコンビから
この数年間やってきました。

兼業という言葉について色々考えてみて
月1回くらいしか
ライブに出ていない人たちに
負けるのも恥ずかしいなという
意識も根底にはあったかもしれません。

そもそも学生芸人であることを
おおっぴろげにし
アピールすることは
ダサいことなのではないかという
凝り固まった固定観念が
その時の僕の中には
まだ存在していました。

しかし
こちらからエントリーするのではなく
せっかく加藤さんからお誘いいただいたので
僕は出ることに決めました。

出るからには
勝つしかないです。


僕らは沢山のライブに出ているんだ

力を見せつける場として
大いに暴れてやろう


9月になり、
僕は意気揚々と
第1回目の『二足のわらじ』に向かいました。

MCはよくライブでも
ご一緒させていただいている
ボニーボニーさん

このライブは
お客さん、
MC
そしてBAR舞台袖の加藤さんの票で
順位が決まります。


ライブがはじまりました。


その時、
たまたまBAR舞台袖の
空調が壊れており
灼熱の会場にも関わらず
客席は満員

お客さんも温かく
皆やりやすそうでした。


僕たちの出番が来ました。


他のコンビと比べてウケていないなぁ

舞台上で僕は思いました。


その日一緒だった演者さんたちは
ほとんどが初対面

こんなに知らない面白い人たちがいるのか


出番終了

結果
僕たちは
11組中6位で終わりました。


その時僕は思いました。


ぜんっぜんあかんやん!

6位?

真ん中?

このままではいけない。
なんとかしてこのライブでは
1位をとらないと


そして2週間後


第2回目の
『二足のわらじ』が
やってきました。


正直、少し憂鬱でした。

この回は
社会人よりも
学生の比率が多かったのです。

5回生にもなって
負けて
こそこそと帰るわけにはいかないのです。


MCは絶対的7%さん


よくよく考えてみると
このライブの審査方法は
かなり特殊です。


僕も今までいろいろなライブに
出演させていただきましたが
芸人が芸人を審査する
という制度は
ありませんでした。

非常に珍しいシステムですが
普段どういう評価をされているのか
わからない先輩芸人の方に
話を聞けるという貴重な舞台でもあります。


僕たちは
過去の勝負ネタを掘り起こして
挑むことにしました。


そして本番


スタート段階で
かなり心地よくウケているのが分かりました。

あれ?
これいけるぞ

すると、
りつきがある下りを
一つ飛ばしました。

え、マジか

僕は一瞬そう思いましたが
2人で協力しあって
自然になるよう
なんとか立て直します。

その後もウケはよく
僕たちの出番が終わりました。


袖にはけます。


りつきが
僕にめちゃくちゃ謝ってきました。


僕は正直どうしたらいいか
分かりませんでした。

僕は自分自身が
ネタを作っているのに
ネタを結構飛ばします。

ネタを作っていない側のりつきが
飛ばすのは珍しい事でした。

頭ごなしに怒るわけにはいきません。

ただ
言い訳のように聞こえるかもしれないですが
僕たちはこの時
「飛ばしてなかったら1位いけてたんちゃうん?」

という謎の自信溢れる共通認識をしていたのです。

どうしたらいいかわからんなぁ。

一応、普通に許すわけにはいかないので
喫煙所で一言

「ぶち殺すぞ!」

とだけ彼に伝えました。


結果
10組中4位

1位と2位が僕の後輩の学生芸人でした。

僕はいったい何をしているんだろう。

あまりの悔しさに
いつものペースなら
まだ残っているはずの
2リットルの
ペットボトルのお茶を
全て飲み干してしまいました。

ライブ終わり
苦笑いで僕を見つめる
加藤さんの顔は
今でも脳裏に焼き付いています。


それからまた2週間後
待ってなくても
『二足のわらじ』は
勝手にやってきます。


MCはにぼしいわしさん


この時
僕は一つの事実に
気づいてしまいました。

あまりこのようなことを
ファンの方が
読んでいる場で発表するのも
憚られますが

もう言ってしまっていいでしょう

このライブ
MCと加藤さんが
多くの票を握っている


もっと早く気がつくべきでした。


これはもっと戦略的に
ネタを選んでいくべきだ。


このことをすぐに
りつきに話しました。

りつきも薄々感づいていたのでしょう

僕たちはある程度
MCと加藤さんの好みを
考慮することにしました。


そしてお互いが選んだネタ


意見がぶつかりました。


お互いが違うネタを
選んでいたのです。


どうしよう


少し揉めました。


迷って末
僕はひとつの提案をしました。

「コイントスで決めよ
表やったら俺が選んだネタ
裏やったらお前が選んだネタで」


このような決め方をしたのは
初めてのことでした。


どっちをやるにしても
悔いはありませんでした。


結果


この時点で
りつきが選んだネタをすることに
決まりました。


出番はトップ


正直トップかぁ
という気持ちでした。


こういうバトルライブにおいて
トップが不利であることは
間違いないです。


僕らはくじ運があまり良くなく
今まで幾度となく
トップ出番を引いてきました。

最近は
ええ順番が多いなぁ

と呑気に思っていたら
このタイミングで来てしまったのです。


でも腹を括るしかありません


やるしかない

出番がきました。


この日かなり調子が良かったのでしょうか


ウケは上々でした。


その日はお客さんの層が
少し特殊で
老若男女バラバラでした。

それなのに全員笑っている


気持ちよく
出番を終えることができました。


その後、他の演者が気になりすぎて
僕は気持ちが全く落ち着かず
全組のネタを袖で見ることにしました。

いける

これは勝った


僕は確信に満ちた何かを感じていました。

やっとや

やっと勝てる


そしていよいよ
最後の演者の出番になりました。

その日のトリは
どくさいスイッチ企画さんという方で
大学は違いますが
落語研究会の大先輩

社会人をやりながら
今でも落語を自ら作ったり
大喜利のライブに出演したりと
積極的な活動をされている方でした。

年齢は離れていますが
寄席などでも共演させていただくことが多く
1人コントも最近はじめたということは
聞いていました。

何か嫌な予感がしました。




その日ライブ会場にいたメンバーの
誰よりも
僕はどくさいスイッチ企画さんの
実力を知っていました。


去年、僕は
第16回策伝大賞という落語の大会で
優勝させていただきました。

どくさいスイッチ企画さんは
第7回の優勝者です。


僕のような
落研出身者からすると
同じ落研出身者に負けるのが
一番悔しいのです。


耳を凝らして
ネタを聞きました。



面白くないわけがないのです。



ネタが終わりました。


すぐに結果が発表されます。

このライブでは
1位のみが
再び舞台に上がることができ
なんらかの宣伝や感想を聞く時間が
設けられます。

僕はいつ自分たちの名前が呼ばれてもいいよう
マスクを外して
袖にスタンバイしていました。


結果
8組中2位


1位はどくさいスイッチ企画さんでした。


スッとマスクを付け直します。


ひゃーーーーーー


この時の僕の気持ちを
一言で表すと

ひゃーーーーーー

です。

こそこそと家に帰って
大学のレポート課題をしました。
(めっちゃ二足のわらじやん)


3度目の挑戦を終え、
いよいよ明日
4度目の挑戦です。



僕はいま
学生芸人と名乗るか名乗らないかと言った
変なこだわりは全くありません

むしろ
沢山の兼業芸人さんを見て
兼業芸人って素晴らしいなと
感じました。

働きながら、
学校に行きながら
好きなことをできる。


しかも面白い人が
たくさんいるのです。

でし太さんはtweetの中で
自分が兼業していることに関して

「兼業って本気じゃないんちゃうん?」
などの文句を言ってきたりする人は
いなかった。
気にしていたのは自分だけだった
ということを書いておられました。


僕も思い返してみれば
そんなことを言ってきた人は
僕の芸歴4年半の中で
1人だけでした。
(一人おったんかい!)


明日
『二足のわらじ』

何も気にせず
のびのびと
あくまで1位を狙いつつ
頑張りたいと思います。

ここまで読んでいただいた方々
ありがとうございました。

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