相方 上山立起という男5

⭐️⭐️⭐️⭐️
(星の数でこの記事のオススメ度を
5段階で評価しています)


さてさて
約2ヶ月ぶりにやって参りました
相方について書く企画の第5弾です。


今まで相方との日常で起こったことや
相方が一人でやっている
主催のライブレポなど
様々なことを書いてきましたが
今回はガッツリ普段についてです。

本日
『どないなるんかなあ』
という相方の主催ライブが行われますが
それについてはまた後日書きたいと思います。




それではスタート






僕はnoteの記事で度々、
相方について書いている。

一緒に過ごす中で相方に対して
これはヤバイ!

嘘やろ!
などの感情を抱いた出来事が
溜まってきては書いて
また溜めてという作業を
この7ヶ月間、計4回繰り返してきて
また新たに溜まったので
今日はそれをいくつか吐き出し、
皆さんにも共感していただこうと
筆を執った次第である。



2ヶ月ほど前のお昼、

僕たちフリックフラックは
ライブに向かうため
2人で電車に乗ってある場所に向かっていた。


僕たちは普段、ライブ会場に
直接集合することが多いのでこれは
かなり珍しいことである。


1時間強電車に揺られ、
駅を出て10分ほど歩くと
目的地に着いた。



そこは僕たちが初めて出演する舞台だった。



着いてすぐに判明したのだが、
その日のライブMCは
芸人ではなく歌手の方だった。


ライブではしばしば
このような形式が採られる。
逆も然り


しばらくして
リハーサルが行われた。


僕たち出演する芸人たちが
ネタの出はけや
コントの始まり、終わりの
きっかけ等を確認し、
MCの歌手の方は
集計中に1曲披露するとのことで
リハーサルで一度
本番さながらに1曲歌った。



その後、昼ご飯を食べに行ったり
なんやらして
いよいよ本番の時間になった。


僕たちは確か2番目か何かで
かなり早めの出順だった。



出番が終わる。


終わって客席の後ろの方で
他の演者のネタを見ていると
相方が僕の隣に座ってきた。


数分後
全演者のネタが終わり、集計タイムに入る。

少しドキドキしながら待っていると
次はMCの方の歌がはじまった。



知らない曲だった。



こんな言い方をするのは
本当に良くないかもしれないが
おそらくあまり有名ではないのだろう

ボーッとその姿を眺める。



するとりつきが僕に向かってこう言ってきた。


「この曲どっかで聞いたことあるわ!」


へぇ〜


意外だった。


りつきが知っているとは思わなかった。


「どこで聞いたん?」

「思い出されへんねんなぁ」

「ホンマにどっかで聞いたんか?」

「うん、ホンマに聞いたよ。」


歌手の方には本当に失礼だが
俄には信じ難かった。


本当にこいつは聞いたことがあるのか?

「どこやったかなぁ。
マジで聞いたことあるねんけどなぁ」




絶対にない。

こいつの事はだいたい分かっているつもりだ。

なぜかそれだけは断言できた。



次の瞬間、
僕の中である予想が生まれた。

あれ?もしかしてこいつ


「え、お前さ
もしかして聞いたことあるのって
リハーサルの時ちゃうの?」


「あーそれやわ!」




いやいやいや
それやわやあれへんがな!

そらそうやろ!

それやったら俺だって聞いたことあるわ!


普通店とかラジオで流れてるの
聞いた時とかに使うねん
そのセリフ!

本番と同じことをするのが
リハなんやから
聞いたことあるのは当たり前やろ!




こんなことはしょっちゅうある。





まだあるので次に参りましょう




これも確か2ヶ月ほど前、

その日は僕たちが主催している
『昼下がりの舞台袖』という
昼寄席の日だった。

週末などに
14時からと16時から
2回公演を行なっている。


その日の第2公演の真っ最中、
僕たちフリックフラックは
出番が毎回トリだ。


僕たちの手前のコンビがネタをしており
僕たちは袖で待機する。


すると隣からドーンという音がした。

音の方を見ると
りつきが
ヤバイ!

という顔をしている。


何が起こったんだ?




前の演者のネタが終わった。


あとで聞こう


とりあえず僕たちは舞台に出て
ネタが終わり、
ライブ自体も終わった。



終演後、りつきに尋ねる。

「何あったん?」

「ヤバイ。間にケータイ落とした。」






間にケータイ落とした?


どういうことだ?



わからないので説明を聞いていくと
どうやらBAR舞台袖の舞台の壁と
舞台裏の壁との間に隙間があり、
その間にスマホを落としたというのである。


ほぼ全く意味がわからないと思うので
絵にしてみた。

画像1



多分これでもわかりにくいかと思うが




まあ僕も建築関係とかには
全く興味がないので
このスペースをなんというのかは
全くわからない。


「なんでそんなとこに置いたん?」


「板あると思ってん
落ちるとは思わんかった。」


マジか


僕たちフリックフラックは
今年のBAR舞台袖出演回数ランキングで
第1位だったらしい。

出まくっている。


更にいうと
彼はBAR舞台袖でアルバイトとして
働いているのだ。


結構な頻度でBAR舞台袖にいるのである。

それなのに舞台袖というものの構造を
全くわかっていないのだ。


そのあと様々な
諸先輩方に手伝ってもらったりして
最終的には
舞台袖オーナーの加藤さんが
チェーンソーで壁の一部を切断して
スマホを取り出してくれた。
(なんで加藤さんチェーンソー持ってんねん)


ここまで行ってしまったら
もはや工事である。


危なかった。

もしここでもっと皆さんに
迷惑をかけていれば
皆さんとの間に
壁ができたかもしれない。





こんな感じで過ごしている
上山立起という男なのであるが
何も悪いとこばかりでは無い。

最近非常に助かったと感じた
出来事があったので
相方の名誉回復のためにも
今回はその内容を書いて
締め括ろうと思う。


これは1週間ほど前の
あるバトルライブにて


僕たちは最後の方の出順だった。


本番まで時間がある。


やるネタは決まっていたが
元のサイズだと時間が長すぎるので
どうやって時間に収めるかと
どのボケを省くかなど
考えることが沢山あった。


「ここのくだり無くてもええんちゃう?」

「このセリフは早めに言うた方がええやろ」



などなどお互いに意見をぶつけ合い、
出番直前になった。


なんとか一応、最初よりは
見やすくいい感じになったが
その段階になってからの練習を
一度しかできていなかった。


これはかなり危険な状態だ。


細かいやりとりの順番などを
入れ替えたり
微調整しているので
こんがらがりやすいのだ。


ちょっとヤバイかもなぁ


出囃子が鳴る。

舞台へと上がった。





出番終了


終始フワフワしていたし
ミスもあったがウケた。


とりあえず終わった安心感で
僕たち2人は喫煙所に向かった。


「もうちょい変えればいけそうやなぁ」

「うん」



数分後、結果発表


3位から順番に
投票結果が発表され、
それぞれに賞金が出る。


この時点で僕は恥ずかしながら
70%くらい1位だろうなと思っていた。
(他の演者の方読んでいたらすいません)


3位が発表された。






僕たちじゃない。


「どうやろなぁ。
今日は1位無理やろ多分!」


りつきが僕の周りをうろうろしながら
話しかけてくる。

こういう時は大抵、
りつきはドキドキしていて
話しかけることによって
落ち着きを取り戻そうとしているのだ。


僕もドキドキしていたが
僕はドキドキしている時は
話しかけないで欲しい派閥のため
無視した。


そして2位が呼ばれる。


僕は
呼ばれるな呼ばれるなと
心の中で呪文のように唱えていた。




呼ばれた名前は
僕たちではなかった。



よしよし




あれ?これ勝ったかな?


本当に恥ずかしながら
3位以内には確実に入っていると
思っていたので
ここで呼ばれないということは
ほぼ確実に1位だろうと
感じていた。


1位だと再び舞台に呼ばれる。


僕は
「こいつ次呼ばれると思ってるやん!」
と思われるのが
恥ずかしかったので
ネクタイを緩めるフリをした。


1位の名前が呼ばれる。


僕たちではなかった。


え?負けた?



お互いに
スーッと息のような何かを吐いて
僕たち2人はネクタイを外した。


負けるんかい!


さっさと帰ろう





集計された票数と
順位を一応確認し
僕はすぐに着替えを済ませ、
会場を出ることにした。



挨拶をし、出る直前で
あるものが目に入った。

それはお客さんに配られる
アンケート兼投票用紙だった。


見よう。


アンケートを1枚1枚確認していく。


あれ?


違和感を覚えた。



票数が間違っている気がするのだ。



もう一度確認する。


僕たちの票数が
さっき聞いた数字とは違っていたのだ。



おかしいな


でももし間違っていなかったらどうしよう。


間違っていると指摘して
いや合ってますよと
言われればこんなに恥ずかしいことはない。


しばらくどうしようかと立ち尽くしていると
周りの他の芸人も
アンケートを読み出した。

それにりつきも加わる。


もう帰ろうと
再び歩き出した直後、
りつきの声が聞こえた。


「あれ?これ間違ってません?」


その場にいた全員に
ハッキリと聞こえるような
そんな声量だった。


これでもし間違っていなかったら
恥ずかしいどころではない


僕は足をはやめた。


エレベーターで下の階までおりる。


下ではいつも僕たちのライブを
見にきてくれるファンの方が
待っておられた。


暫く話す。


僕たちよりも
結果を悔しがってくれている様子だった。

ありがたい話である。



しみじみと感傷に浸っていると
スマホが震えた。


りつきからの連絡だった。

「まだおる?」

「おるけど」



すぐにりつきがエレベーターで降りてくる。



「おいおい!
集計ミスで1位やったぞ!」


「え、やっぱり?」


「やっぱりってなんやねん!」



やっぱりってなんやねん

久しぶりに
まともなツッコミを受けた気がした。


そりゃそうだ。


なぜなら
りつきは僕の一連の心の中の葛藤を
見ていないのであるから



とにかくよかった



僕1人なら何も言わずに
このまま帰るところだった。

危ない危ない。


彼のこの屈指のガメツさに助けられた。


こういう時はハッキリ言った方がいいのだ。

相方に気がつかされた。





以上、
相方 上山立起の緊急報告でした!


次回もお楽しみに!









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