2013年北大日本史論述答案例

大問1
問2⑴:壬申の乱で近江朝廷側についた有力豪族が力を失い、天皇が強大な権力を保持したため。(40字)

問7…50字以内
答案例①
 院宮王臣家は税収減に伴う国家からの給与減を補うため。有力農民は権力の保護を背景に税負担を逃れるため。(50字)

答案例②
 院宮王臣家は国家からの給与減少を補うため。有力農民は税負担を逃れるため、保護者を必要としたため。(48字)

大問2
問2
答案例①
 源実朝暗殺後の朝幕関係の悪化を背景に、後鳥羽上皇が北条義時追討を目的に挙兵。勝利した幕府が朝廷の監視を目的に設置した。(59字)

答案例②…人物の名を最低2名とあるので、初代探題2名をあげた。
 源実朝暗殺後、後鳥羽上皇が北条義時追討を目的に挙兵。幕府の北条泰時・時房は朝廷方撃破の後、京都で朝廷の監視に当たった。(59字)

問4
答案例①
 茶葉を粉末にして湯を注いで飲む抹茶。(18字)

答案例②⇒喫茶養生記の知識を応用。
 禅宗寺院で健康増進を目的に飲まれた抹茶。(20字)
⇒ 喫茶法はどのようなものかであるから、抹茶の説明をする答案例①が妥当だと思われる。採点が緩いことを想定すれば、受験生の答案としては答案例②レベルでよいと思われる。

問5…実教『日本史B』p100
 天台宗・真言宗の行う加持祈禱により、五穀豊穣や鎮護国家が実現するとして、朝廷から保護を受け、民衆からも信仰を集めていた。(60字)
⇒ 朝廷の保護には必ず言及したい

大問3
問3:武士に忠孝や礼儀を励行して為政者としての自覚を促し、武力重視の価値観を否定する他、朝幕協調路線をとり、民衆教化を命じた。(60字)

問5(2)
答案例①
 秩禄が歳出の30%を占める中、徴兵令で秩禄支給の根拠が失われ、地租改正で領主の知行権も否定されていた。(50字)
⇒ 地租改正は『日本史実力強化書』より。徴兵令は山川『新日本史』より

答案例②
 秩禄が歳出の30%を占める中、日朝修好条規締結により征韓論が否定され、内治派政権への支持が高まった。(49字)
⇒ 学説に依拠した答案例。受験生は答案例①のうち、地租改正以外が書ければよい。

大問4
問6
答案例①
 共産主義勢力弾圧法令として制定された治安維持法を改正して、最高刑を死刑とし、特高を全国に配置した。(49字)

答案例②
 共産主義弾圧法令である治安維持法の制定・改正や特別高等警察の全国配置を背景に、共産党員を検挙した。(49字)
⇒ 字数が厳しい印象。治安維持法制定・改正、特高の全国配置が書ければOK。

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