2015年北大日本史論述答案例

大問1 
問1
答案例①…山川『詳説日本史』
 皇后は天皇の没後、臨時に政務を担当し、即位の可能性もあるなど強大な権限を持つため、皇族であることが律令に規定されていた。(60字)

答案例②…山川『詳説日本史』の要素をすべて入れる
 皇后は臨時に政務を担当し、皇位継承の発言権を持ち、即位の可能性もある権力の持ち主であり、皇族であることが条件とされた。(59字)

⇒設問文の「大宝律令を編纂した」のところから「皇后=皇族」が律令に規定されていた事実を入れるとなると、字数の関係で答案例①。

問4:郷戸は班田収授・徴税・徴兵の単位として、律令政府により成員が25人程度となるよう編成された行政区画である。房戸は10人程度の小家族からなり、郷戸の中に複数存在した。(80字)

問8:墾田永年私財法により墾田が増え、口分田との区別が煩雑だった。(30字)

大問2
問1⑶
答案例①→受験生向け時期は鎌倉後期としかわからないため、政治・軍事状況はぼやかして書きたい
 当時は元寇の時期に該当しており、九州への軍事動員をスムーズに行う目的があった。(39字)

答案例②
 モンゴル来襲の危機に対応するため、軍事動員や朝幕間の連絡をスムーズに行う目的。(39字)
→ 東海道という読み取りを反映させると、「朝幕間の連絡」など、東海道に限定できる要素を入れておくのが、適当か。(「東海道沿いの富士川の様子」ではなく、「富士川の様子」でも出題としては問題がない→つまり、東海道は作問者のヒント)

問6…史料文にある注を踏まえた答案を作成したい。文意は「経済力確立につながる市場に家臣を住まわせると領主の支配に抵抗する可能性がある」となる。
答案例
 自力救済の風潮の中、裁判権の掌握や市場の人々との婚姻を通じ、富の源泉となる市場の支配を確立し、領主からの独立を防ぐため。(60字)

大問3
問4
答案例①
 アイヌの人々は松前藩に貿易独占権を付与し、南西諸島は琉球王国を服属させた摩藩を通じ、支配させた。(49字)

答案例②
 アイヌの人々は松前藩、南西諸島の人々は薩摩藩に、それぞれ貿易独占権を与えて、間接的に支配させた。(48字)

問5⑵
答案例①
 和同開珎と須恵器では和同開珎の時系列が後で、和同開珎の鋳造開始が8世紀のため。(39字)

答案例②
 和同開珎の鋳造が開始された8世紀の段階で、須恵器の製造が行われていたため。(37字)

問7:反別の土地の等級を示す石盛に面積をかけたものが高である。(28字)

問8⑵…高掛物・夫役・伝馬役

大問4
問2
答案例…山川『詳説日本史』
 戸主とその後継ぎ、官吏・学生、代人料270円を納入者などが兵役免除の対象となった。(39字)

問3…山川『新日本史』
 国境を指す主権線に対し、利益線とは日本の主権が及ぶ領土を守る際に密接に関わる地域のことで、山県は朝鮮半島を想定していた。(60字)

問5:沖縄での戦闘を想定し、非戦闘員を本土に疎開させようとした。(29字)

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