名大日本史2020年答案例

大問1
問1
 古墳の外形が前方後円墳もしくは前方後方墳と定形。
 埋葬施設が竪穴式石室である。
 副葬品が銅鏡など呪術的な品々が中心である。

問2…2行
 近畿地方を除いて前方後円墳の規模は縮小し、円墳などがまとまった群集墳の数が増加し、横穴式石室が埋葬施設として一般化した。(60字)

問3…1行
 太安万侶は稗田阿礼がよみ習った『帝紀』・『旧辞』をもとに『古事記』を筆録し、完成させた。(44字)

問4…2行
 金峯山を訪れ、自ら写経した法華経や般若心経などを金銅製の容器に入れ、本堂の前に建てた金銅の燈楼の下に埋めた。(55字)

問5…2行
 藤原道長ら摂関家は官吏の人事権を掌握していた。受領は任期終了後、中央への税の貢納が行われたかが、公卿の合議で審査された。(60字)

問6…3行 
答案例①
 平氏滅亡後、源頼朝は対立する源義経追討を名目に、守護・地頭の設置権を朝廷から得た。頼朝に追われた義経は奥州藤原氏を頼ったが、藤原秀衡の死後、子の泰衡が義経を殺害したのに対し、頼朝は義経を匿った奥州藤原氏を攻め滅ぼし、陸奥・出羽両国を支配下に置いた。(124字)

答案例②
 平氏滅亡後、源頼朝は対立する源義経追討を名目に、守護・地頭の設置権を朝廷から得た。頼朝に追われた義経は奥州藤原氏を頼った。頼朝は義経を匿ったとして、奥州藤原氏を攻め滅ぼし、陸奥・出羽両国を支配下に置いた。(102字)

大問2
問1…1行 
 滝口の武者は9世紀末に設置され、侍として内裏の警備を担当する地方武士のこと。(38字)

問2…3行 
 主人である武士は寺社に参詣し、神仏祈願に臨むにふさわしい正装の狩衣と立烏帽子を着用した姿が描かれているのに対し、従者は主人を警護するため、実用的で動きやすい略装の直垂と折烏帽子を着用した姿がえがかれている。(103字)

問3…3行
答案例①
 武士の服装であった直垂は室町時代に入ると、貴族も着用し、室町将軍に出仕する際の正装として、着用が認められた。しかし、公家社会では正装とは認められず、上皇や天皇のもとに出仕することはできても対面は認められず、対面には着替えが必要であった。(118字)

答案例②
 武士の服装であった直垂は室町時代に入ると、貴族も着用した。しかし、直垂は室町将軍に出仕する際は着用が認められたものの、上皇や天皇のもとに出仕する際にふさわしい服装とは認められず、対面には着替えが必要であった。(104字)


問4…3行
答案例①
 文禄の役に際し、講和交渉の中で明の万暦帝が豊臣秀吉を日本国王に冊封し、冠服が贈られた。史料の中では、万暦帝が日本の天皇の王位を剥奪した、秀吉が明を支配している、万暦帝が秀吉を帝位につけたなどと事実誤認や誇張がなされている。(111字)

答案例②
 文禄の役に際し、講和交渉の中で明の万暦帝が豊臣秀吉を日本国王に冊封し、冠服が贈られた。史料の中では、万暦帝が日本の天皇の王位を剥奪した、秀吉が明を支配している、秀吉の名声が中華にも広がった、万暦帝が秀吉を帝位につけたなどと事実誤認や誇張がなされている。(126字)

大問3
問1…3行
 明は中国人の海外渡航や私貿易を禁じる海禁政策を採用するとともに、周辺国に朝貢を呼びかけ、朝貢国の外交使節とのみ貿易を認めた。このため、琉球王国は明に朝貢したうえで、那覇を拠点に明を中心とする東アジア諸国や東南アジアの間を往来する中継貿易に従事した。(125字)

問2…2行
答案例①
 江戸幕府は琉球の使節に異国風を装わせることにより、江戸幕府が異国の地である琉球を従えていることを江戸や街道の人々に示し、自らを権威付けた。(67字)

答案例②
 琉球使節が異国風を装うことで、薩摩藩は異国の使者を先導する大藩の位置づけを獲得でき、幕府は異国を従えていることを示し、自らを権威付けた。(68字)

答案例③
 琉球使節が異国風を装うことで、琉球は独立国であることを示し、薩摩藩は異国の使者を先導する大藩の位置づけを獲得し、幕府は異国を従えているという威信を示した。(77字)

問3…3行目
 明治政府は琉球藩を設置し、琉球国王を藩王とした。琉球漁民殺害事件を契機に明治政府は台湾出兵を行い、イギリスの仲介で清から謝罪を引き出すことで、琉球帰属で優位に立った。そのうえで、琉球藩の廃止・沖縄県の設置を強行して、琉球を日本領に組み込んだ。(121字)

問4
 ア:昆布 地名.蝦夷地

大問4
問1…2行
 第2次伊藤博文内閣の陸奥宗光外相の交渉の結果、日英通商航海条約が締結され、領事裁判権の撤廃、関税率の引き上げ、相互対等の最恵国待遇と5年後の内地雑居が決定した。(80字)

問2…3行
 当時、日本は陸軍が満州事変、海軍が第1次上海事変を起こしていた。中野は現地の日本軍の行動を熱烈に支持し、二大政党の対応を批判した。中野の演説やマスコミの報道を受け、当時の国民の多くは日本軍の行動を熱狂的に支持した。(107字)

問3…2行
 井上準之助蔵相が金輸出を解禁に伴い、円を切り上げ、為替相場を固定したのに対し、高橋是清蔵相は金輸出を再禁止し、円為替相場の変動に伴う下落を容認した。(74字)

問4…2行
 田中角栄の唱えた日本列島改造政策は、新幹線と高速道路による交通ネットワークの整備と工業の地方分散によって、高度経済成長に伴う都市問題や公害問題の解消をはかった。(80字)

問5…1行
 戦前の大学に加え、旧制高等学校、師範学校などが新たに大学に昇格した。

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