名大日本史2021年答案例

大問1
問1…2行
図1の炉に代わって、古墳時代中期に渡来人によって大陸から伝えられたかまどが使われるようになり、甑を用いて米を蒸す調理法が定着した。(65字)

問2ア:掘立柱 イ:倉庫

問3…2行
地中に柱を埋め込むのではなく、建物の基礎となる石を置くことによって、瓦葺の建物の重量に耐えられるようにした。(54字)

問4…2行
大極殿は元日に新年を祝い、天皇が臣下から拝礼を受けるなど、国家の儀式が行われる広大な建築物であった。(50字)

問5…2行
正式な僧侶となるのに必要な受戒の際の正式な戒律のあり方を伝えるために来日した。最澄は延暦寺に大乗戒壇を設置しようとした。(60字)

問6…2行
答案例①
菅原道真は漢詩文などに優れ、文人官僚として宇多天皇に重用された。死後、怨霊として恐れられた道真は北野神社に祀られた。(58字)

答案例②
菅原道真は漢詩文などに優れ、文人官僚として宇多天皇に重用された。死後、道真は北野神社に祀られ、学問の神として広く信仰された。(62字)

大問2
問1
(1)…2行
将軍
備後・備前国の守護として、両国の御家人を統率する立場にある。(30字)
(2)…2行
田の稲を刈り取った後に麦を蒔き、収穫する二毛作。裏作の麦は全て農民の利益とし、地頭が課税することを禁止した。(54字)

問2
(1)…アは解答欄あり・1行
熊野。
答案例①
院政期以降、浄土信仰の広まりを背景に、上皇や貴族、庶民が盛んに参詣した。(36字)
 → この他、世界文化遺産に登録されていることを述べてもよい。

字数を無視するならば、
 院政期以降、浄土信仰の広まりを背景に、熊野は浄土の地として信仰され、上皇や貴族、庶民が盛んに参詣した。(51字)

(2)
ⓐ…1行
 主題は未開の荒野であり、田畠をともに描くことで区別が可能なように描かれている。
   → 図Aの右下にある出典に着目すると、荒野という言葉が使用できるだろう。荒野は開発予定地でもよい。

ⓑ…2行
 答案例①
  幕藩体制が確立し、幕藩領主による大規模な開発が進んでいた近世に対し、中世は荘園の境目をめぐる対立などもあり、開発が中々進まなかったため。(68字)

 答案例②
  幕藩体制が確立し、幕藩領主による大規模な開発が進んでいた近世に対し、中世は統一権力が弱体で、戦乱が絶えず、開発が中々進まなかったため。(67字)

Ⓒ…1行 答案例①・②は図から読み取れること、答案例③は図を引用した文献の記述を踏まえた
 答案例①
  用水路を詳細に描くことで、水利(用水路の利権)を明確にした。(30字)

 答案例②
  用水路の利権を明確に書くことで、水利をめぐる争いを避けようとした。(33字)

 答案例③
  用水路の利権を明確に描き、水利をめぐる裁判における証拠書類とした。(33字) 

第3問
問1…ア・イは解答欄あり。2行
ア:定免法 イ:検見法
  定免法は過去数年間の実際の収穫高に基づき、一定年限の間、年貢率を固定するのに対し、検見法は毎年、収穫高を調査して、その年の年貢高を決める方法である。(2行・74字)

問2 5%  1500俵×0.4石=600石  23000石÷2=11500石  600石÷11500石=0.052→5%

問3…2行
答案例①…諸藩の諸政策
  刈谷藩内で特産物の生産を奨励し、それを藩が独占的に集荷し、藩外での販売を独占する専売制を採用して、利益をあげる。(56字)

 答案例②…江戸幕府の政策
  刈谷藩の城下町にいる商人・職人同士の仲間を藩が公認し、市場の販売独占権など特権を与える見返りに、営業税を徴収する。(57字)


問4…2行
 武断政治に伴う夫役負担と寛永の飢饉により、百姓の生活が危機的状況に陥る中、大名は百姓の生活の安定をはかり、それを受け、百姓が年貢を納入するという概念が定着した。(80字)

大問4
問1…2行
 安政の五カ国条約に基づいて、居留地が設定されて外国人が滞在し、両都市に西洋文化が広まったことに加え、その居留地に貿易で赴いた商人を通じて、西洋文化が広まった。(79字)

問2…語句は解答欄あり・2行
 野蛮
 庶民の年中行事は、乱暴狼藉や騒ぎに発展することもあり、秩序を乱すため、西洋人に野蛮な風習と理解される可能性が高く、文明開化の風潮の中で、否定されるべきものと理解された。(84字)

問3…1行
 農村部では田植えから収穫までの農作業を旧暦に合わせて行っていた。(32字)

問4…2行
 『長崎の鐘』を単独で出版することで、原爆投下直後の被害が強調され、アメリカや占領軍に対する日本国内の反発が強まると考えたため、プレス=コードで出版を禁止した。(79字)

問5…2行
 中曽根康弘首相は「戦後政治の総決算」をとなえて推進した行財政改革の一環として、電電公社、専売公社、国鉄を民営化した。(58字)

問6…2行
 戦争遂行に協力する国民を養成するため、スポーツを国民の心身の鍛錬、文化を健全な娯楽の推奨や情操を身に着けることで各自の仕事に励むために利用した。(72字)

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