【番外編】2021グロリアスグッドウッド開催 / Glorious Goodwood Festival観戦記＠グッドウッド競馬場

2021年8月8日 22:29

2021年7月27日から7月31日にかけて、イギリスのグッドウッド競馬場にて、グロリアスグッドウッド開催（Glorious Goodwood Festival）が行われました。
5日に渡る開催期間中、GIレースが3つ、GIIレースが5つ、GIIIレースが5つ組まれる豪華なラインナップ。グッドウッド競馬場の美しい佇まいも相まって、イギリスでも屈指の華やかな競馬開催となっています。2021年は競馬場に観客が戻り、また、どの開催日も今後の走りが楽しみな馬が勝利を飾り、大いに盛り上がりました。
以下に結果概要を記すとともに、その中で、二日目（メインはサセックスステークス/Sussex Stakes）に参加する機会を得たため、彩り豊かな競馬場の様子を本記事（主に写真）にて共有します。グッドウッド競馬場へのアクセス方法等は、以下の既出の記事をご参照ください。

競馬場探訪：グッドウッド競馬場 Goodwood Racecourse

１．2021年グロリアスグッドウッド開催日程・結果概要

一日目（7月27日(火)）の主なレース

・ Goodwood Cup ／グッドウッドカップ (GI)
距離：約3,200m、条件：3歳以上
勝ち馬：Trueshan (父 Planteur)、勝利騎手：Hollie Doyle
・ Vintage Stakes (GII)
距離：約1,400m、条件：2歳
勝ち馬：Angel Bleu (父 Dark Angel) 、勝利騎手：L Dettori
・ Lennox Stakes (GII)
距離：約1,400m、条件：3歳以上
勝ち馬：Kinross (父 Kingman)、勝利騎手：Rossa Ryan

📒 短評：メインのGoodwood Cup(GI)で5連覇が期待されたStradivariousは、前日の大雨により、馬場が悪化したことを理由にレース直前に回避。前年のBritish Champions Long Distance Cup (GII/3,200m)を重馬場で圧勝したTrueshanが、ここでも重馬場巧者ぶりを発揮し、3 1/4馬身差で勝利。圧倒的人気に応えた。
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二日目（7月28日(水)）の主なレース

・ Sussex Stakes／サセックスステークス (GI)
距離：約1,600m、条件：3歳以上
勝ち馬：Alcohol Free (父 No Nay Never) 、勝利騎手：O Murphy
・ Oak Tree Stakes (GIII)
距離：約1,400m、条件：3歳以上牝馬
勝ち馬：Last Empire (父 Pivotal)、勝利騎手：D Tudhope
・ Molecomb Stakes (GIII)
距離：約1,000m、条件：2歳
勝ち馬：Armor (父 No Nay Never) 、勝利騎手：R Moore　

📒 短評：メインのSussex Stakes(GI)は、毎年、マイル路線の古馬と３歳馬のスペシャリストが初めて激突するレース。2021年は、古馬戦線の主役Palace Pierが回避したものの、3歳マイルGI二勝のPoetic Flareが出走し人気を集める形に。他にも3歳牝馬路線からはいずれもGI馬のAlcohol FreeとSnow Lantern、古馬路線からは前年のBCマイル馬Order of Australia やLope Y Fernandez、Tilsit等が参戦し、今夏屈指のカード。レースは、中段から直線抜け出したPoetic FlareをAlcohol Freeが鮮やかに差し切り、GI三勝目。牡馬の壁、古馬の壁双方を一気に打ち破り、一躍欧州マイル路線の主役に。
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三日目（7月29日(木)）の主なレース

・ Nassau Stakes／ナッソーステークス (GI)
距離：約2,000m、条件：3歳以上牝馬
勝ち馬：Lady Bowthorpe (父 Nathaniel)、勝利騎手：K Shoemark
・ Richmond Stakes (GII)
距離：約1,200m、条件：2歳
勝ち馬： Asymmetric (父 Showcasing)、勝利騎手：M Harley
・ Gordon Stakes (GIII)
距離：約2,400m、条件：3歳
勝ち馬：Ottoman Emperor (父 Excelebration)、勝利騎手：Ben Coen

📒短評：メインの牝馬限定のGI Nassau Stakesは、今年のアイルランド1,000ギニーとフランスオークスを勝利したJoan of Arc、前年のBCフィリー&メアターフ勝ち馬Audarya、今年に入ってロッキンジS2着、ファルマスS4着と惜しいレースが続いているLady Bowthorpeが人気を分け合う形に。レースは、逃げたJoan of Arcを直線半ばでLady Bowthorpeが差し切り勝利。Lady Bowthorpeを管理するWilliam Jarvis調教師は、27年ぶりのGI制覇。
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四日目（7月30日(金)）の主なレース

・ King George Stakes (GII)
距離：約1,000m、条件：3歳以上
勝ち馬：Suesa (父 Night of Thunder)、勝利騎手：W Buick
・ Thoroughbred Stakes (GIII)
距離：約1,600m、条件：3歳
勝ち馬：Baaeed (父 Sea The Stars)、勝利騎手：Jim Crowley
・ Glorious Stakes (GIII)
距離：約2,400m、条件：4歳以上
勝ち馬：Passion and Glory (父 Cape Cross)、勝利騎手：O Murphy

📒短評：メインのKing George Stakes(GII)は、同レース5連覇を目指した古豪Battaashが人気を集めるも、7着に敗退。直線1,000mのGIを4勝、GIIを6勝した千直のスペシャリストBattashはこのレースで引退。勝利したのは、フランスから遠征してきた3歳牝馬のSuesa。2着にも3歳馬のDragon Symbolが入り、世代交代を印象付ける結果に。また、同日に行われた3歳限定のマイルGIIIのThoroughbred Stakesは、Baaeedが無傷の4連勝を飾り、Sussex Stakesの上位陣にも負けない強い印象を残した。

五日目（7月31日(土)）の主なレース

・ Lillie Langtry Stakes (GII)
距離：約2,800m、条件：3歳以上牝馬
勝ち馬：Wonderful Tonight (父 Le Havre)、勝利騎手：W Buick
・ Steward's Cup (Handicap / Class 2) 　
距離：約1,200m、条件：3歳
勝ち馬：Commanche Falls (父 Lethal Force)、勝利騎手：Connor Beasley
※重賞ではないが、1840年創設の歴史あるハンディキャップ戦として有名

📒短評：最終日のメインは牝馬限定の長距離GII、Lillie Langtry Stakes。前週に開催されたKing George VI & Queen Elizabeth Stakesを直前で回避したGI馬Wonderful Tonightが参戦したことで、一躍、グロリアスグッドウッド開催の最注目レースの一つに。レースは直線入り口で先頭に立ったWonderful Tonightがゴールまで押し切る強い競馬。今回も含め馬場が渋ったレースで強さを見せており、馬場が悪化しがちな凱旋門賞をはじめとした秋の欧州競馬の主役候補に躍り出る。