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バイアスがハラスメントを生み出す

みなさん、こんにちは。
わたしはとある日本企業のサラリーマンです。所属する部署で、2年前まで管理職に就いていましたが、メンタル不全に陥り管理職を降りました。
気力と体力が回復したら、また管理職に復帰してバリバリと仕事に励もうと志してきましたが、最近自分が就いていた仕事を第三者視点で見ているうちに、「なんて非生産的で、非効率な仕事をしていた、もしくはやらされていたのだろう」と考えるようになりました。果たして自分の仕事のどのくらいに意味があるのか、もしくは自分の働き方が効率的なのか、という視点で日々考え、本を読んで勉強するようになりました。まだまだ勉強中ですが、自分の頭を整理する意味も込めて、noteを使ってアウトプットしていきたいと考え、この記事を書いています。


今回参考にした書籍は鈴木 敏昭氏の「私たちは思い込みから逃れられない」です。本書は身の回りにあふれる様々な思い込み=バイアスについて、網羅的に解説しており、多数の文献も紹介してくれている良書です。

育児休業を取る男性は仕事より家庭を優先する人なのか?

男らしい/女らしいなどの性別固定観念を、ジェンダーバイアスと言います。「男は仕事」「女は家事・育児」や、職場なら「管理職は男でサポート役は女」などの考え方は日本社会にまだ根強く残っています。
企業などにおける採用や人事配置、昇進などでも様々なバイアスが影響しているようです。
「女性には女性ならではの仕事を与えよう」「規模の大きな案件には男が向いているだろう。」「育児休業を取る男性は仕事より家庭を優先する人だ」などの思い込みや決めつけによって、公平な判断ができなくなると組織の活性化にも悪影響を及ぼすことでしょう。
バイアスがハラスメントを引き起こしやすくするのです。
アメリカの調査では、実際にオーケストラ団員の男女比は圧倒的に男が多かったということがわかっています。
あるオーケストラがブラインドオーディションを行ったときのことです。
採用応募者と審査者の間に衝立(ついたて)を置き、姿が見えないようにしてオーディションを実施しました。その結果、合格者における女性の割合が大幅に増えたと言います。
こうして男女についての無意識のバイアスの存在が明らかになりました。
この調査結果のように、応募者の中に男女どちらもいる場合、試験も面接も同レベルだったとしたら、男性の方を採用する傾向があるそうです。
採用において試験に表れない「男性の方が優れているのではないか」とか「女性は短期で辞めるのではないか」というジェンダーに関わるバイアスが作用しているのかもしれません。
男性に理由不明の転職履歴があったとしても無視してしまう「選択的認知」や女性社員が短期で辞めた過去の経験に対する「過度の一般化」などもありそうです。
一方で、慈悲的差別と呼ばれる、「子育て中の女性に出張のある仕事はかわいそう」「男性は女性を守るべき」「障害者には負荷のかからない簡単な仕事をしてもらうのが良いだろう」などは気遣いからくるとはいえ、これも勝手な思い込みかもしれません 。

白状しますが、私は「育児休業を取る男性は仕事より家庭を優先する人」というイメージを抱いてました。猛省するとともに、この記事が「日本からバイアスによるハラスメントが一掃される」一助となればと願っています。


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