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2024年度 国家公務員総合職試験 院卒【森林・自然環境区分】合格体験記

2024年度 国家公務員試験総合職(院卒者試験)森林・自然環境区分を受験し、最終合格しました。

同区分を受験されている方が他区分と比較すると少なく、独学で勉強する上で苦労したため、同区分を受験される方向けに記録を残しておきます。

ただし、「上位合格ではなくとりあえず最終合格したい」という方向けの記録になりますので、ご承知ください。
また、各種リンク先は記事公開時点でのものになりますので、必ずご自身で受験される年度の最新版を確認してください。

あくまで私の勉強方法と取った戦略についての記録ですので、
細かい要件や試験日程については省かせて頂きます。

近年は試験の申し込み・実施日ともに早期化しているため、
人事院の国家公務員試験採用情報NAVI 試験情報を確認することを推奨します。


スケジュール

2月  7日  出願
3月  3日  1次試験勉強開始
3月17日  1次試験(基礎能力・専門択一)
4月  1日  1次試験合格発表
4月  9日  2次試験勉強開始
4月14日  2次試験①(適性検査・専門記述)
4月23日  2次面接試験対策開始(累計3日間)
5月10日  2次試験②(政策課題討議・人物試験)
5月28日  最終合格発表

1次試験は2週間、記述試験は1週間、
面接試験は3日間程度の勉強期間でした。

ネット上には1,000~1,500時間程度勉強が必要とありますが、
近年は随分とボーダーが下がっていますので、
自身の都合と相談して勉強スケジュールを組むといいかと思います。

試験ごとの目標

①基礎能力試験     足きり(9/30)以上
②1次専門択一     6割(24/40)目標
③適性検査       → 特になし
④2次専門記述     5〜6割程度
⑤2次政策課題討議   C評価以上
⑥2次人物試験    → C評価以上

これで大体の最終合格点を少々上回った点数が取れると思います。

私は利用しませんでしたが、
外部英語試験の加点を利用すれば目標点を下げることが可能です。

(人事院 https://www.jinji.go.jp/content/900035751.pdf)

前年度の最終合格点は、人事院より確認することができます。

試験全体の印象としては、大学院へ進学し専門分野を勉強している方であれば、比較的簡単に最終合格できると思います。
それでは、各試験ごとに取った戦略および使用した参考書をまとめていきます。

①基礎能力試験

森林・自然環境区分において、院卒者試験は大卒者試験と異なり、足切り点を取れれば1次試験突破は十分に可能です。(最も専門択一試験が5〜6割取れる前提ですが)

私は国語・英語が得意だったこと、高校の社会選択で日本史を選択してたことから、文章理解・資料解釈・時事で足切り点を稼ぐ戦略を立てました。

結果として12/30点を取ることが出来たので、読んでくださっている方も自身の得意分野に合わせ、どの分野で点を取るか戦略を立てるのが楽だと思います。

では、各分野ごとの解説をしていきます。

文章理解・資料解釈

使用した参考書は
公務員試験スーパー過去問ゼミ7 文章理解・資料解釈
畑中敦子の資料解釈の最前線!第3版   です。

ただ私の場合この2つの参考書は使用したというよりは、どのような問題が出るのか確認程度に見ただけで、ほとんど問題は解いてません。

英語は、TOEICを受けたことがないので分かりませんが、英検2級を取れる程度の英文読解力があれば、難なく解けると思います。

国語は、共通テスト(私の時はセンター試験)を受験された方であれば、苦労はしないでしょう。

資料解釈は、参考書の解説やYoutube等にアップロードされている解き方のコツを学び、何問か解いてみるだけで十分だと思います。


判断推理

使用した参考書は、
畑中敦子の判断推理の新兵器!第3版  です。

王道の畑中敦子シリーズです。
解答解説が非常に分かりやすくまとめてあり、使いやすかったです。

2周ほど解きましたが本番も難なく解けましたので、2周で十分だと思います。

数的推理

使用した参考書は
畑中敦子の数的推理ザ・ベストNEO  です。

問題を流し見した段階で、私の頭では解けない問題が割とあったので(特に図形問題)、解く項目を絞りました。
具体的には、【旅人算】・【流水算】・【速さ】・【整数】・【確率】の5分野に絞りました。

項目を絞った後は、その分野の問題がスラスラと解けるようになるまで、ひたすらに練習しました。

参考書内に頻出分野が出現頻度ごとに階級分けされてますので、自身の能力と照らし合わせてどの分野を解くか決めるのが効率が良いかなと思います。

時事

こちらは公務員のライトを利用させて頂きました。
アプリ内の一問一答や、Youtubeの動画が非常に分かりやすく、かつ隙間時間に利用できるため、非常に便利でした。

アプリ

YouTube

私は使用してないですが、もし参考書を購入するのであれば
以下のどちらかまたは両方を購入していたかと思います。

公務員のライト 時事本

速攻の時事

余談ですが、時事は一般常識や世界史・日本史が絡んでくるため、勉強する上でのコスパは最悪に近いと思います。

個人的には時事を勉強するぐらいなら、数的処理・判断数理に時間をかけた方が良いと思います。

②1次専門択一(専門多肢式試験)

1次試験で最も重要な試験です。平均点は毎年5割は超えているため、確実に5割以上、できれば6割は取りたい試験になります。
私は大学および大学院での専攻が森林科学(森林・林業全般)だったため、選択した科目は、「森林環境科学」・「森林資源科学」・「森林生物生産科学」の3つです。

ここは自身の専攻に合わせて選択した方がいいかと思います。

戦略としては、知識があまり身についていなかった林道の設計や架線車両の利用、測量学の計算等は放置し、主に森林・林業白書の読み込みに力を入れました。

共通の問題として生物基礎(植物の呼吸や遷移)、自然災害等に関する問題も出ますが、ここも特に対策はせず、過去問を少し解いた程度で終わらせまた。

実際の試験では、26/40点を取ることが出来たので、上位合格を狙わない限りはこの勉強方法で十分だと思います。

以下の参考書およびWebサイトは、あくまでも私の選択した科目に有用であったということはご留意ください。

過去問

とりあえず分野問わず、これが一番手っ取り早い対策だと思います。
人事院HPに過去1年分の問題が掲載されています。

それ以前の過去問は請求する必要があり、手元に届くまでに約1か月程度かかるため、早めに動いた方がいいでしょう。
私は3年分ほど解きましたが、それぐらい解けばおおよその出る問題と傾向が分かりますので、3~5年分解けば十分だと思います。

森林・林業白書

この分野を勉強するのであれば欠かせないものですね。
正直、これさえ押さえていれば5~6割は余裕で取れると思います。
可能であれば購入し手元に保管することが望ましいですが、ネット上で閲覧するだけでも十分だと思います。

勉強方法としては過去問に出ていた箇所や用語等の意味、グラフの数字を抑えるのに利用していました。

森林・林業実務必携

こちらもこの分野では欠かせないものですね。
林道の設計や病虫害、気候ごとの植生など白書にあまり詳しく載っていない部分を補完する形で利用していました。

社会人となってからも利用する機会が多いとのことですので、購入を前向きに検討してもいいかもしれません。

Webサイト

海外の森林については、林野庁HPを利用して勉強しました。

FAOメインレポートはそろそろ最新版が発表されると思うので、そちらをチェックすることを推奨します。

また、下記のサイトには大変お世話になりました。

過去問が掲載されており、なおかつ選択肢を間違えた際には解説が出てきますので、ひたすらこのサイトで過去問を解いて解説を見るという手法もありかなと思います。

現在は残念ながら更新が止まっていますが、下手に自分で勉強するよりはこちらのサイトを利用するのが効率がいいと思います。

その他に、山腹工や架線車両等の解説をしているサイトは沢山ありますので、自分の理解しやすいサイトを見つけて勉強するのもありだと思います。

③適性検査

特筆して書くことはないです。
強いて言うなら、時間が短いので何も考えずに素直にマークしていきましょう。

④2次専門記述

こちらも自分の専攻である「森林科学に関する基礎」を選択しました。
戦略としては、どんなに勉強しても漏れが出ることは覚悟していたので、どうにかして解答用紙を埋めること、強引にでも勉強してきたこと・記憶に残っていたことに結び付けるようにしていました。

コツとしては、いきなり書き始めるのではなく問題用紙にいくつか案を書き出してから、解答用紙に記入するといいでしょう。

勉強方法としては、人事院から過去問を入手し、3年分解きました。
また、森林・林業白書の特集とコラムをひたすら読みました。

他の勉強方法としては、1次試験合格後に開催される業務説明会に参加するという方法もあります。
現在その省庁がどのような取り組みを行っているのかについて知ることが出来るため、強引に解答を作成する際に役立つと思います。

ポイントとしては、覚えたことをアウトプットして書き出す練習をしておくことが必要かなと思います。

また、試験はA3用紙両面×2に記述していくので、途中で腕がしびれたり指が痛くなります。途中休憩することも考慮して解答を作成していくといいでしょう。(試験時間は3時間あるので、時間は十分に足りると思います。)

⑤2次政策課題討議

適性検査・専門記述試験とは別日に開催される、グループディスカッション(GD)です。

対策は、レジュメの作り方をあらかじめ考えておくことが挙げられます。
私は一番上に自身の立場、次にその根拠、最後に考えられる反対意見という3段落に分けて資料を作成しました。

結果としてグループ全員が同じ意見になったため、書いておいてよかったと思います。

学部生ならともかく、大学院へ進学された方は学会やゼミ等でこういう議論の場に慣れているかと思います。
グループ内に余程変わった方がいなければC評価以上は余裕だと思います。

相手と争うのではなく、皆で合格するという意識があれば大丈夫です。

⑥2次人物試験

政策課題討議の後に開催される1対3の面接試験です。
こちらは予め提出した面接カードを基に20分程度の面接が行われます。

私は生協等の公務員試験対策講座を取っていなかったため、大学のキャリアセンターを通じて面接対策を3回行いました。

対策としては、相手は恐らく人事院の方々だと思われますので、専門外の方にもわかりやすく自身の研究活動やガクチカを話す練習が挙げられます。

そういった意味では、キャリアセンターの方は完全に専門外の方になるため、良い練習相手になると思います。

他の対策としては、ハローワークの面接練習を利用するという方法もあります。
こちらの方も専門外になりますので、いいかもしれませんね。

最後に

試験対策は以上になります。
席次としては、合格者53人中真ん中あたりでした。(一応個人情報ですの伏せさせてください)

気が向いたら官庁訪問についての記事も残そうと思います。

ここまで長い文章を読んでくださった皆様が、
無事に最終合格を獲得できることを祈っております。

何か質問等ございましたら、コメントを残していただければと思います。

以上で〆させて頂きます、ありがとうございました。

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