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標準必須特許 ライセンス交渉のポイント(4)根拠の説明・適時の応答に留意

標準必須特許 ライセンス交渉のポイント(4)根拠の説明・適時の応答に留意

日刊工業新聞


日刊工業新聞は2021年11月より、数回に分けて、「標準必須特許 ライセンス交渉のポイント」を公開しました。

もとになるのは、令和4年5月に、特許庁が発行した「標準必須特許のライセンス交渉に関する手引き」です。
当該「標準必須特許のライセンス交渉に関する手引き」のPDFはこちらへ。

次は、今回の記事、「標準必須特許 ライセンス交渉のポイント(4)根拠の説明・適時の応答に留意」に言及したZTE事件で、欧州司法裁判所から掲示した標準必須特許(SEP)のライセンス交渉における両当事者間の「誠実な交渉の枠組み」を取り出します。

欧州司法裁判所はHuawei対ZTE事件において、特許権者と実施者が標準必須特許(SEP)のライセンス交渉の各段階で取るべき対応を整理し、両当事者間の「誠実な交渉の枠組み」を示した。

(1)特許権者がライセンス交渉の申込みをする段階では、特許権者は、実施者に対し、SEPを特定する資料(特許番号のリスト、対象標準規格の名称など)およびSEPと標準規格や製品との対応関係を示す資料(クレームチャートなど)を提示して、実施者が特許を侵害している根拠を説明することが一般的である。

(2)実施者がライセンスを受ける意思を表明するまでには、実施者は、特許の有効性や標準必須性、侵害の有無についての判断を行うことになるが、特許権者からのライセンス交渉の申込みに対しては、合理的な期間内に応答することが、誠実な交渉の観点から通常求められる。

(3)特許権者がライセンス条件を具体的に提示する段階では、特許権者は、提示した条件がFRANDであるかどうかを実施者が判断できるよう、ロイヤルティーの算定方法に加えて、それがFRAND条件であることを説明する具体的な根拠を示すことが一般的である。

(4)実施者がライセンス条件の具体的な対案を提示する段階においては、実施者は、提示した条件がFRANDであるかどうかを特許権者が判断できるよう、ロイヤルティーの算定方法に加えて、その対案がFRAND条件であることを説明する具体的な根拠を示すことが一般的である。

この記事は、2023.W01(2023年 第1週目)の毎週知財新聞から抽出したものです。


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