beliefと性格
●beliefが性格を決定する
心理学にはbeliefという概念があります。
beliefとは信念のことで、簡単に言うと「かくあるべき」という考え方のことです。
・勉強しなければならない
・正社員でなくてはならない
・金持ちじゃなくてはならない
これらはすべて「かくあるべき」という信念です。
私たちは物心ついた頃からずっと親・教師といった周りの大人から影響を受けています。
・勉強しないと将来ホームレスになるわよ
・正社員じゃなかったら生きていけないぞ
・金持ちは偉いんだ
などなど。
周りの大人からの言葉が私たちのbeliefを形成しているのです。
このbeliefには社会的に良いものも悪いものもあります。
例えば、「金持ちは偉くて貧乏人は死ぬべきだ」なんていうbeliefを持っていたら、差別心が強まり、社会的に望ましくない人格となるでしょう。
一方、「差別はいけない。人類皆平等だ。」というbeliefを持っていたら、黒人差別問題に尽力したキング牧師のような人格になるでしょう。
つまり、どのようなbeliefを持っているかによって人格は変わります。自分の中に破壊的なbeliefがあれば、苦しみに満ちた人生を送ることになるのです。
●性格を変える第一ステップ
性格を変えたければbeliefの存在に気づかなければなりません。これが性格を変える第一ステップとなります。
beliefは幼少期の体験や外部からの言葉によって形成されるため、既に私たちの心の中に存在しています。
そのため、私たちは普段、中々beliefを自覚することができません。
ですから、自分を変えたければ、まずは自分の中にどのようなbeliefが存在しているのか洗い出し、beliefの存在に気づくことから始める必要があります。
敵を自覚できていなければ、戦いようがありませんからね。
逆に言えば、beliefの存在を認識することができていれば、手の打ちようはいくらでもあります。
では、どうすれば私たちはbeliefの存在に気づくことができるのでしょうか?
答えは「自動思考を捉える」です。
自動思考とはその名の通り、出来事が起きた時に自動的に浮かんでくる思考のことです。
例えば、「会社で上司に怒られた」という出来事が起きた時、「俺はやっぱりダメなやつだ」「俺は役に立たないんだ」などの思考が自然に生じる人もいることでしょう。
これが自動思考です。
なぜ自動思考を捉えれば、beliefの存在を認識することができるのでしょうか?
それは自動思考はbeliefから生じるものだからです。
「俺はやっぱりダメなやつだ」「俺は役に立たないんだ」といった自動思考は、「自分は何をやってもダメなやつである」というbeliefから生じる思考です。
そのため、いくつかの自動思考の背景にどのようなbeliefが存在しているのか?を考えれば「かくあるべし」というbeliefの存在が見えてくるのです。
つまり、自動思考からbeliefを推測することが可能なのです。この方法でbeliefを特定すれば自分がどんなbeliefに縛られているかに気づくことができます。
●まとめ
ここまでの話を整理しましょう。
①私たちの中には「かくあるべし」というbeliefが存在している
②beliefが性格をつくっている
③beliefを変えると性格が変わる
④beliefを変えるにはbeliefに気づく必要がある
⑤beliefは自動思考から推測可能
まずは自分がどのようなbeliefに縛られているのか。洗い出してみましょう。
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