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枕草子にビッグリスペクト

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あの人といっしょにいたいと思うこと

つい半年ほど前、恋人と別れた 別れが近くなると、私は気持ちの浮き沈みが激しくなる 気持ちの浮き沈みが激しくなるから分かれるのかもしれない その浮き沈みに耐えられなくて別れるからだ 結婚も考えてはいた だけどその人とではないと思った きっと私は結婚できないんだろうと思ったし 恋人は、お前は結婚できないよ、と吐き棄てて行った もう恋愛はしないと決めた 陳腐な恋愛ソングみたいな決意だけれど、とにかくもうしない 私は男運がない あるいは男を見る目がないのだから

    • 父の結婚指輪

      もうすぐ、両親が私を産んだ歳を越してしまう。 なんて言う私は言わずもがな独身で、手酷い別れを半年前に迎えたところだ。 そして私は惚れっぽいので、つい先日あたらしく失恋をしたばかりだ。 アクセサリーを着けるのが苦手で──着けわすれたり、どこかで外して置いてきてしまったりする──あまり数を持っていない。 ひとつだけずっとお気に入りで持っている指輪がある。 特段、誰かとお揃いだったとか、一緒に買ったとかではない。 たしかストーンマーケットの福袋に入っていて、たまたま号数とデザイン

      • あんたは私の母親じゃない

        私の母は他人に「お母さん」呼びされるのを好まない。 例えば訪問営業に来た人である。過去に「お母さん」呼びした若い営業のことは追い返したらしい。私のような二十代そこそこの若者にとって、四、五十代の主婦(というか昼間に家にいる女性)をその語彙の乏しさに「お母さん」と呼びたくなるだろう。「奥様」とか私もなかなか言えるかわからない。そもそも表札がかかっていれば名字が分かるのだから名字呼びすべきだ。 追い返したエピソードを聞いたときには実の母ながら「気難しい人だな」と思ったわけだが

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