祭りの前
夕方6時を過ぎる頃、
夏の微かな風に太鼓の音が混じっているのに気づく。
耳を澄ますと、笛の音も混じっている。
お囃子だ。
夏祭りに向けて、お囃子の練習の音が流れてくる。
毎日聞き入っているわけではないが、
夜の空気を伝って響く太鼓の音は、
日に日に、力強さが宿ってきている。
そんなふうに聞こえて、散歩がてら音を辿って行ってみることにした。
練習場は役場の前にある広場。
やってる、やってる。
前列で太鼓を叩く子どもたち。
練習の順番待ちで後ろに控える子どもたち。
集団太鼓の拍子を抜って、笛の音が軽妙に踊る。
お囃子ってのは、同じ調子を繰り返し、
終わりがないのに飽きないところが面白い。
聴けば聴き入るほどに続いていてほしくなる。
ぴーひゃら ぴーひょろ
どんどこ どんどこ
ぴーひゃら どんどこ ぴーひょろ どん
きりがないので、見物人は後ろ髪を引かれながら引き上げてきたけれど、
ベランダに出ると、
先ほどとはちょっと調子を変えた太鼓と笛の音が流れてくる。
祭りの本番まで、あと5日。
頑張れ~。
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