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社会人日記①-2

前回の話の続きの作品です。
(本当はいつの記事にしたかったけど思ったより長くなったので2本の記事になっています。)

3章 家族や友人にSOS


ついに耐えられなくなり、友人にSOSの連絡をした。
連絡した友人とはよく人生について話すような人で、将来が見えなくなってしまった私には一番相談するべき相手だと思った。
電話をしたいと連絡をして、いつもは返信が遅いのに今回はとても早かった。
電話することも快く承諾してくれた。

電話当日、彼女の声を聞いて涙が溢れた。
優しいいつもの声で
「久しぶり!元気にしてた?」
この何気ない一言に、安心感を覚えた。

元気にしてはないけど、初めから思いムードで話進めるのは嫌だと思い、明るく振る舞った。
でも実際は、いつもより遥かに元気がなく、電話の最後には元気がなかったから心配だったと言われてしまったのだけど。小学校からの付き合いなだけあって隠し事はできないなと感じた。

電話を始めて、他愛のない話が始まり、話が盛り上げってきたところで、人生の話になった。
彼女は医者になるという夢を諦めきれず、大学院を卒業してから編入しようかなやんでいる。でも、夢を追いかけると、社会人になるのは30手前。
社会に出るのが遅すぎるし、結婚なんて夢のまた夢。

そんな状況に悩みがあったようだ。

彼女は昔から医者になるのが夢で、頭が良かった。
実際、国公立の理系学科に進学している。
彼女は努力家だが、努力を人にひけらかさない人だ。
そんな彼女に感化されて私も頑張ろうと思わされた回数は数えきれない。

彼女の人生について話をした後、私の悩みを打ち明けた。
私は彼女に

仕事を辞めたい、地元に帰りたい。

そう呟いた。
仕事での愚痴、この仕事が本当にやりたいのかもわからない。
近くに頼れる友人がほとんどいない。しんどい。どうしたらいいかわからない。

彼女はいろんな元気付ける言葉をくれたのだが、その中でも心に残った言葉があったので、一つ紹介したい。

「私との旅行の代金を稼ぐためにもう少しだけ仕事を頑張ってみてくれない?」

この言葉、この状態の私に頑張ってという言葉を使うのかとなるかもしれない。
でも、私はこの言葉にすごく救われた。

嫌なこと以上に楽しいこと、つまり旅行をしようと提案して、この旅行を楽しみに今は頑張ろう。旅行にはお金がかかるからそのための費用を稼ぐ媒体として、仕事をする。そんな単純な内容。

でも問題はそこではなく、
「私のために頑張ってほしい」
この言葉だった。

私は、人に奉仕して、感謝されることに喜びを感じやすいタイプなのだが、その性格をわかっているかのように「私のために」と言ったのだ。

人によっては、なんであなたのために頑張らないといけないの?
となるかもしれないが、その時の私は「こんな私でも必要としてくれる人がいる」と心が救われたのだ。

彼女に相談して良かった、彼女と出会えたこと、友人になれたことは私の人生において幸福な出来事の一つだと改めて感じた。

人に相談することはそんなに多くないが、無理と思ったら人にSOSを求めることも必要なのかもしれないと思った。


4章 次々とやめていく会社の人

8月も後半に入り、退職者が3人。
ただでさえ人手がないのにここまで居なくなられては困るし、何より寂しい。

でもなぜ辞めてしまうのか。
今後の仕事はどうなっていくのか。
新人ながらに焦りと不安があった。

3年目の先輩と2人でご飯に行く機会があった。
その際に、みんなやめてしまうのは寂しいし、今後が心配であると伝えた。

先輩は少し申し訳なさそうな顔をして、こういった。

「ずっと言わないとと思ってたことなんだけど、私も11月には辞めるんだよね」

衝撃だった。一番お世話になって、憧れの先輩が辞めてしまう。

理由を聞くと、壮絶なものだった。

仕事量が明らかにおかしい。何も教えてくれる体制ではなく、気づいたら一人で仕事をするように言われ、右も左も分からない状態で、仕事をしていた。
終電に間に合わないことも多く、車で送ってもらったことが何度もあった。
昨年の11月から今年の3月まで鬱病のため休職していた。
休職から復帰したが、また大量の仕事が降りかかってきて、本当はもっと早く辞めるつもりだったがやめられなかった。

休職して少しは環境が変わると思っていたが、変わらない。

先輩は絶望したことだろう。

教える体制ではないため、新卒のためにできるだけ教えてあげよう。そう思って時間を割いていろんなことを教えてくださっていた。

「しんどいと思ったら、見切りを付けてやめた方がいい。」

それを悲しそうに言っていたことを今でも頭から離れない。

環境が変わることを望むのではなく、自分から環境を変えないといけない。

そういっているように思った。

不安と期待が入り混じる中入社した会社で、いい噂をあまり聞かない。
上の方はすごくいい会社だというけれど、上がしない仕事が下に回ってきて、下が潰れる。

ああ、だから近い年齢の先輩は2年目と3年目しかこの課にはいないのか。

3年目の先輩と同じ道を辿ってしまうかもしれないという恐怖心が拭えない。

3年以内に転職する為の人生計画を立てる必要がありそうだ。


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