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幻想薔薇都市を読んだ感想と、漫画に対する思いや同性愛についてのコメントを適当に。

久々に漫画読みました。兼次おじさんシリーズ面白かった。耽美で退廃。ワイルドの小説の世界みたい。

本橋馨子先生のマンガは好きです。ストーリーは軽快で、甘くて美しい。それに情緒的。キャラクターは、異常で、気品のある、麗しくて、豪奢な暮らしをしてる人たち。クスッて笑っちゃうようなコメディ要素もふんだんにある。とにかく世界観素敵すぎる。きっかけは忘れたけど『第三の帝国』で初めて先生の作品を読んだとき、「こんなに私が読みたかったものはない!」と衝撃を受けました。色んな哲学を見出だしました。間違いなく私に影響を与えた作品でした。(これは戦争漫画じゃないけど、これに出会った時の私は第二次世界大戦に非常な興味があった)
人それぞれだし、あまりにニッチだから大々的に人に薦めないけど、Kindleでも買ったし紙でも買った。何回も。

今回読んだ幻想薔薇都市は、ストーリーもドンピシャだけど、なにより、絵が好き。ほんと、シャルマンなんだよ。古くさいって思うかもしれないけどいいよね。こういう独特な感じ好き。古いアニメとかあるじゃん、パタリロみたいな。そういうの好きなんです。
確かに今風の漫画もいい。絵が綺麗だと思わず見入っちゃう。綾辻先生原作のミステリー漫画、十角館の殺人(最近2巻出たっぽい?)は画家の方がすごく綺麗な絵を描いてて思わず買いました。
私は昔から漫画少女だったことを思い出しました。ちびまる子ちゃん、ドラえもん、(母が幼かった頃のものが家にあった)から始まり、テニプリとかマギ、ハイキュー!!、3月のライオン、四月は君の嘘、アルスラーン戦記、ちはやふる、銀河英雄伝説…。小学生の頃から高校の頃まで色々と読みました。
世界史も漫画で学びました。高校2年の時は世界史嫌いで21点(100点満点)とか取って赤点をスレスレで生きてましたが、高3で世界史漫画を読んでモンゴル帝国とか清とかが好きになって、無理すぎた中世ヨーロッパもBBCのドラマや色んな漫画を読んだお陰で網羅して、最終的にセンター試験は一問ミス(ほぼ、満点と言っていいよね)でした。
大学生になってからは漫画より映画中心になって、今は小説か戯曲メインです。
でも、漫画、1ヶ月ぶりに読んだけど本当に素晴らしい。 多分本橋馨子先生の漫画じゃなくてもそんな感想持ったと思う。
NANAとかパラキスを描いた矢沢あい先生も雰囲気のある綺麗な絵を描くよね、好きです(NANA続き読みたすぎる!)。
中村明日美子先生も味がある。高校生の時に読んでた。丁度流行ってた。いくつか売っちゃったけど同級生はまだ持ってる。良い漫画だった。BLじゃない作品だけどウツボラも傑作だと思う。




別にBL漫画が好きな訳じゃないけどさ。
だって、ホモセクシャルって別に騒ぎ立てるようなことじゃないでしょ? パタリロ!もそうだし。
私が中高生だった頃はなんだか禁断的というか、背徳な空想をイメージしていたけど、何のことはない。
江戸時代のゲイ文学だって残ってるわけじゃん。
マンのヴェニスに死すだってそう。
オスカー・ワイルドもジャン・コクトーもアンドレ・ジッドも。

小説や漫画は現実じゃないけどさ、別に誰が誰を好きになってもいいじゃん。
例えば「私は女性だけど、今はあの女の子が好きなの。でも明日は別の男の人を愛してるかもしれない」とか。そういうものでしょ?人間って、特に感情は移ろいやすいものでしょう?

アルモドバルとかドランといった監督が好きだったし、「Pride!」とか「Carol」「Stonewall」「Closet monster」「La Vie d'Adèle」「Moonlight」「120bpm」とか(邦題分からなくてすみません、、)同性愛関連のいくつかの映画を見て泣いたりしてたこともある。
でも私はLGBTQとかいう活動はあんまり興味ない。とは言っても、民法の家族法の「両性の合意」って部分、あれはなんか嫌いだし、ゼミで再婚禁止期間が不平等かどうかについてのレポートを書いたり、同性愛者の婚姻についてグループで研究をしたことがある。その時は、パートナーシップ条例も少し調べた。
でも、近親婚とか重婚とかも異性婚・同性婚と同じように、かけがえない愛の形としてあるだろうにそれは認めずに、同性愛者だけに寛容になるのが、私にとってなんだか不自然に思えた(ただしこれは同性愛者の権利を侵害する理由にはならない)。
こんな風に学んできたものの、法改正のために役立つなら手伝いたい気持ちはあるけど、恋愛とか結婚とかどうでもいいから当事者意識を持てないし、やっぱり興味持てない。


「幻想薔薇都市」の出版は1980年代後半だから今の時代に描かれてたらもっと違う漫画になってただろうね。でもこの近代っぽい退廃的な感じがすごく良かった。昔からそういう甘美な色恋に沸き立つ人達がいるっていうのは変わりようのない事実。

私はただ、美しいものが好きで、それはつまり、耽美主義者ってことなのかもしれないけど、気高さとか豪奢さとか、幻想的な甘くて麗しい世界に浸れて楽しかった。

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