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株式投資のための半導体シリーズ③:半導体の設計・開発・製造

半導体の設計・開発・製造

半導体を作る際には、大きく設計・開発・生産の3つの段階があり、以下のような概要となっています。
設計:効率的な回路の仕組みの定義を行います。
開発:設計図を基に仕様の追加・変更や量産化を鑑みた生産工程を作成します。
生産:大規模な工場にて大量生産を行います。

下図は設計を行うARM社のビジネスモデルを説明した図ですが、各段階におけるメインプレーヤーがわかる良い図かと思います。
ちなみに設計には非常に高い技術力が要求され、設計を行える企業はARMやIntelなどの一握りです。古い情報ではありますがARMは2016年時点でスマホ向け「CPUコア」で世界シェア9割超であり、2020年からはMacにも搭載されています。
 $NVDAは2020年にARMを買収しておりこれは大きな地殻変動となるでしょう。

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出典:ARMのビジネスモデル:半導体の設計図だけでなぜ3.3兆円の企業価値があるのか


半導体製造

製造には以下のステップがあります。少し難しいところもあるので斜め読みでも構わないと思います。

洗浄:半導体の基になるシリコンウエハを洗浄します。
成膜:ウェーハ上に回路の素材となる酸化シリコンなどの薄膜を形成します。
成膜後洗浄 :成膜後に付着した微細なパーティクルを除去します。
レジストコーティング :レジスト(感光液)をウェーハ表面に塗布します。
露光:遠紫外線を照射しレジスト膜を変質させてパターン(電子回路)を焼き付けます。
現像:ウエハ上の露光された部分を溶かし、薄膜の表面を露出させます。
エッチング:露出した薄膜を腐食し、除去しパターンを形成します。
不純物注入:シリコン基板に半導体の特性を持たせるため、リンやボロンなどの不純物イオンをウェーハに注入します。
活性化:フラッシュランプやレーザー照射による熱処理を行います。

参考:半導体製造プロセス

投資するにあたってこれらを理解する必要はないと思いますが、こういった様々な技術の上に半導体の製造が成立しているということを知っておいて欲しかったのでここで紹介しました。

例えば、半導体の製造は$TSMCなどが行なっていますが、$TSMCのみで製造できるわけではなく、各ステップで用いる様々な素材や装置を提供する会社があり、それらの企業からそれらを購入して半導体の製造を行なっているのです。

例えば$ACMRはウエハの洗浄装置の開発・製造をしていますし、$ASMLは露光装置の開発・製造を行なっています。ちなみに$ASMLは非常に高い露光技術を持っており圧倒的なシェアを誇っています。EUVという技術で非常に技術的障壁の高いものです。(半導体に限らず光関連には特に高い技術を要求されるものが多くあります。)

半導体製造技術は非常に多岐にわたる技術の上に成り立つものであり、品質も非常に高いものを求められます。そのため、各技術において優れた企業は高いシェアと利益率を享受することができます。これが半導体業界の特徴の一つかと思います。
この業界の複雑さや寡占状況は下の表からもわかるかと思います。

半導体製造装置の主要製品市場シェア(2018年)

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出所:トウシル

最後に

半導体は非常に未来の明るい業界である一方で技術障壁は高く多くの投資も必要とされるために、非常に魅力的であるとトウシドリは考えています。半導体はこれからどんどん使われます。スマートフォン、ウェアラブル、IoT、スマートシティ、そして宇宙にも進出していくでしょう。もちろん、人工衛星やロケットにも使われています。これらについても今後シリーズで書いていこうと思っています。さしあたりはファウンドリである$TSMやAIでの活躍を期待できる$NVDA、そしてETFの$SMHなどが比較的万人におすすめできる銘柄かと思っています。こちらも同様に今後説明予定です。

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