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EV関連情報まとめシリーズ②:電池とパワートレイン

はじめに

今回は、EVに必要なパーツの2つ、電池とパワートレインについてのまとめ記事です。電池は現在最も重要なEVの課題であり、パワートレインは今後重要度が増すと思われるパーツだと考えています。アウディの取り組みは見ておくべきかと思います。

電池の発展:リチウム電池

リチウム電池は技術発展等により継続的に値下がりしています。レアメタル等の問題はあるものの技術開発による回避もあり、コモディティ化すると思われます。。

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出典:新電力ネット

電池の発展:固体電池

現在EVの主流はリチウム電池です。しかしこれには主に以下のような欠点があります。

リチウム電池の弱み
1:エネルギー密度が低い。(重くなってしまう)
2:低音に弱い。(冬季の使用に問題がある)
3:発火のリスクがある。

これら問題を解決する方法として期待されているのが固体電池です。以下のような強みがあります。

固体電池の強み
1:エネルギー密度がリチウムイオン電池よりも高い(300~400Wh/㎏)
2:高温に強くて冷却システムやスペースがなくても100℃でしっかり作動する(低温にも強い)
3:固体ゆえに漏洩や発火のリスクがない

ロータスクラブによれば、これらの強みによって、「EVの駆動用バッテリーのさらなる小型化・軽量化ができ、安全な状態で大量搭載でき」、充電時間と航続距離において飛躍的な改善が見込めるとのことです。

参考:ロータスクラブ

固体電池の開発・製造

固体電池は各社がしのぎを削り開発・実用化を争っている状態です。この前まではトヨタが一番早くに固体電池搭載のEVを販売するとも見られていましたが、中国EVのNIOが2022年には、全固体電池を搭載可能とする仕組みを展開する、という情報も出ているような状況です。

トヨタ自動車:2020年代前半に発売する車に全固体電池を搭載する計画。
NIO(中国EV):2022年には、全固体電池を搭載可能とする仕組みを展開予定。(台湾企業のPLGと協力)
VW:$QSと組み2025年に生産を予定。

固体電池に関し注意点が3点あります。
1つ目は、完成車と電池の開発・製造は別々の会社であるため、可能性として固体電池の開発・製造元が、競合のメーカーにも製品提供する場合があり、必ずしも固体電池がEVの差別化要素とならない点です。
2つ目は、固体電池は全固体電池と半固体電池に分けられ、両者には機能差があるものの混同して説明されていることが多い点です。
そして3つ目は固体電池がゴールではないという点です。より優れた電池が今後も開発される可能性があります。

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なお、固体電池の各社の開発状況は日経新聞によれば以下のような状況にあります。

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参考:日経新聞
参考:くるまのニュース
参考:EV向け次世代型固体リチウム金属電池開発会社$QS

全固体電池の市場予予測

富士経済の予測情報があるため、以下に紹介します。

富士経済(東京都中央区)によると、全固体電池の世界市場は2018年の24億円に対して、35年には2兆6772億円に拡大すると予想する。中でも過酷な状況で利用される電気自動車(EV)の動力としての利用が期待され、自動車メーカーなどが大型の全固体電池を量産化に向けて開発している。

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出典:ニュースイッチ

パワートレイン(モーター)

EVでは電池が注目されることが多いですが、パワートレインという動力源もまたEVの重要要素の一つです。

パワートレインの一部としてモーターがあります。EVの主な構成要素を改めておさらいすると以下の図のようになります。


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出典:経済産業省

例えば日産はEV用のパワートレインを開発しており、軽量・コンパクトで高効率を売りとしています。

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出典・参考:NISSAN

また、アウディは、多くの企業がパワートレインを内製化せず外部から購入するのに対して、内製化を多くの領域で行なっており、「電動パワートレイン技術に関して、2019年にドイツで出願した特許が自動車メーカー最多となった、と発表」しているそうです。

将来的にはこういった取り組みが実を結び、パワートレインのよい、つまり加速や減速性能の高いEVが優位に立つ可能性も考えられます。

参考:Response

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