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フレームワークを活用した銘柄分析

はじめに

銘柄分析をする際はフレームワークを活用すると広い視点で抜け漏れない分析ができると思います。この記事では私がよく利用する2つのフレームワークを紹介します。
ちなみにフレームワークは杓子定規に全てに当てはめるよりも、ケースバイケースで自分なりのやり方で適用していって、自分なりのやり方をつくりあげていくのがよいかと思ってます。

PEST分析

PEST分析はマクロの環境分析フレームワークです。

PEST分析とは、自社を取り巻くマクロの環境要因に注目し、事業の戦略立案などに活かすためのフレームワークのことを言います。「PEST」は、Politics(政治・法律的な要因)、Economy(経済的な要因)、Society(社会・文化・ライフスタイル的な要因)、Technology(技術的な要因)の頭文字を合成したもので...。
引用元

本来企業の戦略立案に使うものですが投資先企業が良いマクロ環境にあるかの評価に利用できます。
PESTは比較的長時間で変化するので長期投資でより重要であると考えています。

このフレームワークがあげる要素はどれもとても重要です。
例を以下に記載します。(わかりやすいよう単純化しています。)

PEST分析例
Politics: 米中対立→関税追加、規制強化など→中国株価の下落など
Economy: 金利下落やオイルマネーを背景とした投資資金の増加→株価の上昇
Society: 所有からシェア、サブスク型のライフスタイルへの移行→サブスク企業の伸長
Technology: 技術発展による通信高速化など→TikTokなどの動画サービスの流行など

PEST要素例
Politics: 中国の政策、米国大統領選、税制、大麻規制、ブレグジットなど
Economy: 為替レート、物価、住宅価格、金利など
Society: シェアエコノミー、Z世代、高齢化、少子化、貧富の拡大、など
Technology: 5G、AI、AR/VR、ドローン、バイオテクノロジー、宇宙飛行など

ポーターのファイブフォース分析

ファイブフォースとは次の5つの競争要因のフレームワークです。
「新規参入の脅威」、「業界内の競争の度合い」、「代替品の脅威」、「顧客との力関係」、「サプライヤーとの力関係」。
実際には調べるのが難しいものも含まれていますが、いづれも強く意識すべきポイントです。
それぞれがなぜ重要なのか、どう使うのかを説明します。

新規参入の脅威
他企業の自力参入や買収による参入があります。最近ではアマゾンが医薬品のEコマへの参入がありました。
Alibabaも住宅のEコマへ参入するなどGAFA等の超巨大企業による新規参入が目立ちます。
投資先が新規参入に対し対抗手段を持つのかを気にする必要があります。

業界内の競争の度合い
規制などの参入障壁があり競争が少ない場合、企業は高い利益率を享受できます。反対に競争が激しい場合は価格競争などに巻き込まれることとなります。
利益率をあげるには、プロダクトの差別化や、サプライヤーを押さえる、特許を取る、などの戦略が必要となります。

代替品の脅威
移動手段で言えば自動車に対する電車などがあります。
これはもっと色々な見方ができます。
Youtubeの代替品は、オンライン娯楽として見ればメルカリやオンラインゲームがあります。広く娯楽としてみるとスポーツや旅行が代替品となります。現在コロナにより旅行の時間が減った結果Youtubeの利用が増えています。

顧客との力関係
買い手が限られているような環境などでは顧客が強く、値下げなどが必要となり利益率が下がります。取引先が偏った企業などは力関係で弱いことが多いため注意が必要です。

サプライヤーとの力関係
顧客との力関係と同様です。サプライヤーが限られている環境では仕入れ価格が上昇し利益率が下がります。
逆の視点で考えると、原料の内製化や自社調達に成功し大きく利益率を伸ばす企業もあります。


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