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Letter to shareholders的な報告

年始からこれまでの四か月

まず日本では、能登半島沖地震と羽田空港の滑走路での航空機事故という二つの衝撃的な出来事から2024年が始まった。日本でも2%前後のインフレ状態が長引き、また春闘での賃金上昇も確認されたことで、3月19日に日銀がマイナス金利を解除することを発表。

米国は4月16日発表の三月米CPIが予想より高く、6月利下げ期待が後退。一方でユーロ圏でのインフレは米国よりも沈静化が早く、またドイツが景気後退入りしている可能性も高いためか、ECBは6月利下げ姿勢を維持している。
中国不動産王手のエバーグランデの破綻問題からの中国不動産バブル崩壊との不穏なうわさも時々出てくる。

一方、地政学的状況はロシアによるウクライナ侵攻は長引いており、また中東ではイスラエルとヒズボラの戦闘でシリアにあるイラク大使館が爆撃されイラクが巻き込まれる状態になっている(四月上旬時点)。

国際政治関連の出来事としては、一月の台湾総統選挙で民進党の頼清徳(らい・せいとく)氏が当選している。米国の大統領選に向けた共和党の予備選では、トランプが強い。

相場を振り返ると、今年から日本で開始された新NISAの影響もあってか日本株はラリーで始まり、その後の日銀のマイナス金利解除を消化し、三月以降も大きく値崩れすることなくほぼ横ばいと、おおむね安定した推移であった。

1月1日から3月31日までの私的ファンド(要するに私のポートフォリオ)の資産状況は1.5%の上昇であった。主に日本の大型株の寄与が大きく、ドル高の寄与も無視できない。米国株はS&P500やNASDAQ100インデックスは堅調な一方で、依然として米国の小型株には厳しい三か月であった。

期間中の平均的なポジションは、全資金の45%前後での現物株ロングで、残りは日本円の現金で保持していた。現物株ロングのうち、約6割が日本株で、残りが米国株だった。

この四か月での目立った成果は、日本株のロングで得た利益であり、そのほとんどは1月と2月に得られている。市場全体の伸びと比較すると得られた利益は必ずしも大きくはないが、これはキャッシュポジションを50%程度は維持し、守りの投資姿勢を貫いたいたためである。

今後の展望

今後数ヶ月に渡りマクロ経済上の主要トピックは、米国FRBの利下げタイミングと年内の利下げ回数、またそのFRBの判断を左右すると思われる米国インフレの鈍化に関してであろう。また、現時点では米国消費の冷え込みや失業率の上昇には至っていないが、高金利状態が長く続いているので、このようなマクロ環境の悪化も十分に考えられるシナリオである。

今後の政治的なイベントで最も重要なものは、秋の米国大統領選挙である。この時期になるとFRBによる金融政策が政治的意図を感じさせる可能性があることから、選挙が近づくとFRBは方針を転換し難くなるかもしれない(失業率の急上昇やインフレ再燃など、即対処が必要なマクロ経済上の変化があれば別だが)。

さらに長期スパンで見ると、向こう二年ほどは米国のインフレ率は2%を上回ると考えられている。そうすると緩和的な金融政策は取り難くなるはずなので、手持ちのキャッシュやキャッシュフローが悪い企業にとっては厳しい数年になるだろう。

少なくとも向こう半年程度の投資方針の主軸は日米大型株で、チャンスがあれば中小グロースやテーマ株を触ることもありうるが、せいぜい資金の10%程度の試みになるだろう。

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