見出し画像

報道の仕方の再考

安倍元首相を銃撃した山上容疑者は、母親が旧統一教会の信者であり、
多額の献金により家族が壊されたことを殺害理由に述べています。

この犯行理由により報道は旧統一教会への批判一色となっていますが、改めてこの報道の仕方はより良い社会へと進むのか再考してみたいと思います。

報道の問題点
1. 山上容疑者の目的の達成
2. 根本原因の解決

1. 山上容疑者の目的の達成

山上容疑者は元首相を銃撃というテロにより、自分の目的を達成しています。目的とは自分の家族が旧統一教会によって壊されたということを
社会にメッセージを与え、復讐を果たすこと
です。
今の報道の仕方は、まさにこの容疑者の社会的メッセージを常に流し続けています。報道する側は、まずこの事実を受け止めた上で、どう報道すべきかを考える必要があります。
この事実を受け止めずに報道し続けているのだとすると、今後も同じような事件が発生する可能性を高めてしまいます。

2. 根本原因の解決

旧統一教会への多額の献金は、今回の事件の直接原因ではありますが、根本原因ではありません。したがって、旧統一教会に対する報道をして教会側が解体を余儀なくされたとしても、根本原因が取り除かれていないので、同じような問題が社会に内在することになります。

根本原因を突き止めるには、山上容疑者の母親がなぜ旧統一教会に救いを求めなければいけない社会的構造になっているかという点です。
母親が生活苦、精神苦にあり、誰かに救いを求めたい状態にあるときに、
国、民間、あるいは他の宗教が社会的に救える状態にあれば、問題は起きなかったと思えます。

この根本原因についての報道があまりにも少なすぎると私は思います。
生活苦、精神苦は誰にでも起こり得ます。
親、配偶者、友人など絶対的に信頼している人の死に遭遇したり、
自分が病気にかかり働けなくなり経済的に苦しくなったり、
いつでも誰にでも起こり得ること
です。

にも関わらず、今の報道の仕方では、今苦しんでいる人が次どのように行動
したら良いのかについて、何のヒントも与えてくれません

事件というのは、社会に隠れた不満が何なのかを教えてくれる苦い経験です。この経験が次に活かせないとなると、同じ苦い経験を未来永劫繰り返してしまいます。より良い社会に向かうような報道になるように変化が起こることを私は願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?