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良い投資本に出会いましたよ-『世界を見てきた投資のプロが新入社員にこっそり教えている驚くほどシンプルで一生使える投資の極意』加藤航介著

投資の本は世の中に数多ありますが、久しぶりに良い投資本に出会った。加藤航介著『世界を見てきた投資のプロが新入社員にこっそり教えている驚くほどシンプルで一生使える投資の極意』

タイトルが長い(笑

つみたてNISA、iDeCoなど税制優遇された金融商品が沢山出てきており、結論としては「海外株式に上記税制優遇を得られる商品に投資ししましょう」であり、言われたままに投資しても間違いないとは思っている。

ただ、本著の意義深いところは「なぜ株式投資をするのか」の問い直しだ。とはいっても冗長で堅苦しい説明ではなく、社会人1年目の姫野紗季と著書本人である加藤航介(通称:ケイ)との二人の対話で物語が進んでいく。

話が本題に進む前の大前提として語られる「社会人としての3つの社会参加」は是非とも認識しておきたいポイント。

1:働くこと
2:選挙にいくこと
3:お金を社会参加させること(日本人が苦手なところ!)

3番についてがいわゆる投資についてである。

金融資産の前に人的資産

まず重要なポイントとして冒頭に登場するのが人的資産。他の投資関連本ではあまり出てこない話題である。

簡単に説明すると人的資産とはその人が生涯で稼げる収入。そして金融資産は一般的にイメージする投資(債権、株式、不動産など)である。

健康で働く意思があればそれだけでその人は大きな資産、つまり人的資産を持っていると著者の加藤さんは言う。サラリーマンの生涯年収が2億円と言われている、それのことだ。まずは人的資産を運用していくほうが効率が良い。仕事で成果を出して年収を上げる、自己研鑽によるスキルアップで年収を上げる、など。

人的資産と金融資産のバランス

人的資産が何かを理解したところで、人的資産と所謂金融資産のバランスを考える。分散投資の考え方だが、人的資産である給与はどこから入ってくるか。多くの社会人が日系だろうが外資だろうが、顧客が日本の市場に存在しそこから収入を得ているのだはないか。だとすると、人的資産のポートフォリオが国内なので、金融資産を海外に持っていくべきだという。

個人的に元々海外株式に投資をしていたが、人的資産との分散投資を意識してのものではなかった。株式投資をほとんど国内に向けている場合、「無意識的な集中投資」状態になっているという。

日本で働く多くの社会人は人的資産の源泉が国内がほとんどを占める状態であることを考えると、金融資産は意識的に海外に持っていくことが重要である、というのが加藤さんの考え方。

海外投資について

海外市場に投資をすると言ってもどうやって良いか分からない、という方も多いでしょう。一番簡単な方法は「つみたてNISA」や「iDeCo」などの投資先ファンドを「海外株式」「外国株式」といったカテゴリのものを選択すると良い。

冒頭の繰り返しになるが上記の通り「つみたてNISAやiDeCOなどの税制優遇を得られる商品で投資先を海外株式を選択する」がおススメである。

まとめ

詳しくは是非一読して頂きたいのだが、なぜ投資をしなければいけないのか、何を、どうやって投資すれば良いのか、まで非常に丁寧に語られている。

特になぜ投資をしなければいけないのか、は本著の非常に重要な部分である。僕が特に感銘を受けたのは、合理的な投資をする理由の説明に加えて、著者の加藤さんの投資に対する想いが語られていることだ。その想いとは、投資を通じて世の中を豊かにしていく、よりよい未来を作っていく、社会人としてその活動に参加する権利が投資であるということ。

僕自身も株式投資を始めて18年経過しているが、投資のきっかけとなったのは「さわかみ投信」の創設者の澤上篤人さんの『独立投資家宣言』に感銘を受けたからだ。

加藤さんの投資に対する想いは澤上篤人さんのそれに近いものを感じた。非常に読みやすく書かれているためライトな語り口だが、実は熱い。そんな印象である。これから投資を始める方は投資を始める前に是非手に取って欲しい一冊である。

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