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1929年に起こった金融ニュース

1929年に起こった金融ニュースを、ヨーロッパ、イギリス、アメリカを中心に重要な金融事件が起きた年になる。
ここでは、その中でも特に注目すべき動きを紹介しよう。

ヨーロッパ

ドイツ

ドイツは1920年代初頭にハイパーインフレを経験したが、1929年にはグスタフ・シュトレーゼマン首相の指導のもと、経済はある程度安定した。
しかし、アメリカのウォール街の大暴落は、ドイツや他のヨーロッパ諸国に大きな影響を与えることになる。
フランスやイギリスは、第一次世界大戦の戦禍からまだ立ち直っておらず、アメリカに対して大きな債務を負っていた。
1929年10月にアメリカの株式市場が暴落すると、世界的な金融危機を引き起こし、最終的にヨーロッパ経済にも打撃を与えることになった。

イギリス

1920年代後半、イギリスは「轟音の20年代」と呼ばれる経済成長と繁栄の時代を経験していた。しかし、同国は対米輸出に大きく依存しており、アメリカ経済が低迷すると、イギリス経済も低迷した。
この危機を受け、イングランド銀行が金利を引き上げたため、貸し出しや投資が減少した。これが、1930年代を通じて続く景気後退の一因となった。

アメリカ

1929年の最も重要な金融事件は、10月24日(「暗黒の木曜日」)から10月29日(「暗黒の火曜日」)まで続いたウォール街の大暴落であることは間違いない。
株価は急落し、多くの投資家がすべてを失った。この暴落は、その後10年以上続く世界恐慌の始まりとなった。
自動車やラジオなどの新技術が新しい産業や雇用を生み出し、アメリカ経済は活況を呈していた。しかし、この成長は投機的な投資とクレジットブームによって促進されたもので、長期的には持続不可能なものであった。
暴落後、フーバー大統領をはじめとする政策立案者は、保護貿易政策や公共事業など、さまざまな手段で経済の活性化を図ろうとした。
しかし、こうした努力はほとんど実らず、1930年代にフランクリン・D・ルーズベルト大統領によるニューディール政策が実施されるまで、米国経済は回復に向かわなかったのである。