イギリスのドローン規制について

日本で購入したドローン、DJI mavic miniをイギリスに持ってきて飛ばしています。総重量は199gで日本では航空法の規制対象外で飛ばし易いmavic miniですが、イギリスではどのような規制が対応されるのか、飛ばす前に調べてみました。

イギリスのドローン規制は、ヨーロッパの他の国に比べると、比較的飛ばし易いと言えると思います。しかし、2018年12月にガトウィック空港周辺でドローンが目撃されたことで30時間にわたって空港が閉鎖された事件を受けて、強化される方向にあります。2019年には、250g以上のドローンの操縦者に登録義務が課せられました。それにはオンラインテストをパスし、年間9ポンドを支払って操縦者として登録し、機体に登録IDを表示する必要があります。オンラインテストや操縦者登録については、下のCAAのWebサイトから実施できます。

250g未満のドローンを飛ばす場合

一方、250g未満のドローンを飛ばす場合には、操縦者登録は不要です。Mavic miniは日本仕様は199g、海外仕様も249gと、この基準をパスしつつ2.7Kの高精細な動画を撮影することができます。海外仕様の249gは、大部分の国がドローン規制の基準に250gを設定していることを受けて、それを避けるギリギリの重量ということで設定された値とのことです。

私の所有しているmavic miniは日本仕様ですが、飛行させても200gとは思えないほど安定しており、コントローラーに接続したスマホでリアルタイムに映像を見ながら操縦・撮影することができ、私がイチ押ししたいモデルです。

イギリスのドローンの飛行ルール

操縦者登録が不要とはいえ、イギリスのドローン飛行ルールには従う必要があります。それでは、何に気を付けて飛行させればよいのでしょうか?

イギリスのドローンに関するルールは、DRONE SAFEというサイトに"drone code"として詳しく且つわかり易くまとめられています。特に下に掲載する絵は、英語がわからなくてもぱっと見るだけで飛ばして良い場所、だめな場所が一発でわかるので紹介しておきます。簡単にまとめると、

・常にドローンを見える範囲で飛ばすこと
・地上から120m以下の高さで飛ばすこと
・人・建物・車・列車・船から直線距離で50m以上離れて飛ばすこと
・1,000人以上の集まり・市街地では、直線距離で150m以上離れて飛ばし、直上では飛ばしてはいけない
・空港の飛行制限エリアでは飛ばしてはいけない
・250g-20kgのドローンにはオペレーターIDを表示すること

という内容ですが、下の絵を見れば一目瞭然ですね。特に50mや150mの距離の定義が、対象物からの直線距離なので、図のように飛行制限エリアが半球形になるところがポイントです。

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実際にイギリスで飛ばしてみた

上のルールを守っていても、例えばNational trustなどの公園内は全般的にドローンの飛行が禁止されています。まず初めて飛ばすのにお勧めは、海上になります。人と接近する可能性が低いですし、船が周囲にいない場所を選べば上で紹介したdrone codeの制限となるシーンに遭遇する確率が低いです。また木や建物のように接触して墜落させてしまう危険のある構造物もありません。

またDRONE SAFEのサイトでは、Drone Assistというアプリが配布されており、イギリス国内の制限エリアの情報が全て入っています。スマホに入れておいて、飛行させる場所に制限が掛かっていないか、また周囲に注意すべき施設(送電線や線路など)が無いか、事前に確認することをお勧めします。

このような条件で撮影したのが、次に紹介するウェールズのカーナヴォン城で空撮した動画です。カーナヴォン城は海に面しており、人の少ない海岸から飛ばせばリスクも低い一方、自分では絶対に見ることができない視点から歴史のあるウェールズ屈指の古城を見ることができるんです。

ちなみに事前にDrone Assistで確認した地図が下になります。近くに空港があり制限エリアが設けられていますが、カーナヴォン城の横の海上はその対象外。地図の表示エリア内に制限エリアがあるため、High Riskの文字と赤い表示になっていますが、城の周辺は問題無いことがわかります。

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いかがでしたでしょうか。イギリスはルールが明確にされている分、一度理解すれば飛ばし易い環境だと思います。是非、イギリスの美しい景色の撮影にチャレンジしてはいかがでしょうか。

私が日本で購入したのはDJI mavic miniのコンボセットです。プロペラガードを付ければ室内で練習できますし、バッテリーも3本入っていますので1日の飛行には十分です。日本のAmazonのリンクを付けておきます。