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スターリング銀行が何気にすごいぞ!

イギリスのチャレンジャーバンクに関して記事を書いてマガジンにまとめていますが、最近Monzoが2020年10月末からATMの引き出し限度額(UK・ヨーロッパ)を月£250に制限するという改悪の動きがありました。直接大きな影響を被る訳ではないのですが、ヨーロッパを旅行する時に多少不便が生じるかもしれず、かねてから気になっていたスターリング銀行(Starling Bank)を開設してみたので、それについてまとめてみたいと思います。

スターリング銀行はイギリスのチャレンジャーバンク

これまでに紹介したMonzoと同じく、スターリング銀行もイギリスのチャレンジャーバンクの中ではきちんとFinancial Services Compensation Scheme (FSCS)、要は預金保障制度に加入しており、85,000ポンドまでの預金額が保障されるのに加え、給与口座にも指定できます。

ユーザー数はMonzoの426万人に対して、スターリング銀行は約100万人程と少ないものの、そのサービスはMonzoと同じく全て無料。支店は持たずに口座開設もアプリで完結でき、デビッドカードが自宅に郵送されてくるというプロセスも全て同じ。それでは、Monzoと比べてどのような利点があるのでしょうか?

Monzoとの違いはATM利用時の制限

私のマガジンにもまとめておりますが、各チャレンジャーバンクの間で、微妙に利用するシーンで手数料が異なってきます。MonzoとStarling Bankは非常に近い特徴を持っているのですが、一番違うのはスターリング銀行がATMで現金を引き出す時に非常に有利な条件を設定しているということです。

その条件はただ一つ、一日の引き出し上限が£300ということのみ。しかも通貨の種類は問いません。これはどういうことでしょうか?例えば私のように日本からイギリスに駐在している身だと、給料はポンドベースで支払われています。駐在が終了して日本に帰国した際には、貯まったポンドを日本円に変換しなければならないのですが、ここで両替や送金で多くの手数料を取られてしまいます。

しかし、スターリング銀行でポンドを保有しておけば、少々面倒ですが毎日£300を引き出せば、1か月で£300×30日=£9,000という大きなお金を手数料を掛けずに引き出すことができます。しかも変換レートは検索で出てくる市中レートとほぼ同じ、Mastercardのレートが適用されます。何と神対応でしょう!実際には日本に一時帰国した際などに、少しずつATMで引き出して日本の自分の口座に移しておくなどするのが良いのではないかと思います。

Monzoはイギリス、ヨーロッパ以外の国では30日間で£200が上限で、それ以上は3%と小さくない手数料が取られてしまいます。しかも2020年10月31日からこれまで制限が緩かった(ほとんど無かった)イギリス・ヨーロッパでも月£250の引き出し上限が設定されるとのことなので、その差は更に広がります。

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おまけのすごい機能・・・①何とお金を入れておくと0.05%の金利が付きます(£85,000までが対象)。僅かですが長期でポンドを保有しようと思っているな良いかも。これでも日本の普通預金よりもかなり高い・・。②入金が銀行振り込み以外に、郵便局の窓口でもできます

口座開設はアプリから簡単

口座開設はアプリをダウンロードして以下の手順で簡単にできます。イギリスの電話番号、名前、誕生日を入力して、個人証明書類の写真をアップロードします。その種類はパスポート、EU ID、UK Residence card、UKの運転免許書のいずれかです。私はUK Residence cardを選択し、BRPカードの写真をアップロードしました。

その後に、写真を撮り忘れたのですが自分の顔を写しながら、表示される簡単な英文を読むというプロセスが入ります。英語が苦手だとちょっと躊躇するところですが、一応認識されやすいようにはっきり話して普通にカード発行できたので、ネイティブじゃないからと臆することは無さそうです。また住所を証明する書類を追加で要求することがあるかもしれない、と書かれていますが、私の場合は特に要求されることはありませんでした。

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口座開設からカード到着まで驚異の1週間以内

申し込み時点ではすぐには開設完了せず、「あなたの情報をチェックしています」というメッセージが表示されます。おそらく申請した情報をスターリング銀行側でチェックしているのだと思います。

私は月曜日の夜に申し込みをして、火曜日の昼にはチェック完了の案内が表示され、同時にDebitカードも申し込みできるようになりました。火曜日の昼にDebitカード発行の申請(これも無料)をして、最大1週間到着までかかりますという案内。急いでいなかったので気長に待とうと思っていたのですが、何と金曜日の昼には到着しました。

月曜の夜に口座開設を申し込んで、金曜日の昼にカードを受け取るというスピード発行。この辺の仕事の速さはイギリスの中では非常に好感が持てます。カードが送られてきた封筒や台紙もよくあるペラペラの紙では無く、何となく高級感があります。

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これから私のスターリング銀行ライフが始まります。アプリはデザインも陣プルで使い易そうです。

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スターリング銀行で日本帰国後もポンドを保有するススメ記事を書きました。こちらも是非ご一読下さい。

他のチャレンジャーバンクについては、このマガジンの中でまとめているので是非一読下さい。スターリング銀行も今後追加します。まとまったお金の送金はTransferwiseがお勧めです。


おまけ

Monzoの手数料改悪については、こちらの記事にある「事業継続リスク」が一つの要因になっている可能性があります。一方Starling Bankはコロナパンデミック時の政府のビジネスローンスキームに参加したことから2020年は黒字見込みで盤石とのこと。