架空人物の (17) 雑貨屋さんには⑤

 雑貨大好き人間にはありがちなことなのだが、お金があって、雑貨屋さんができたら、どんなに素敵かしら、と思う。そして、オマケにありがちだが、嗜好品として、コーヒー、紅茶が大好きなので、雑貨屋兼カフェを経営できて、そこで、ちょっとは黒字の出る商売ができたら、と、憧れる。
 憧れるけと、全く現実的でないのもわかっている。
 資金がないのは、まあ、突き詰めるとそれが一番のネックではあるのだけれどそれはおいといて、わたしが雑貨が好きで、かつ、独占欲が強いことと、ここが驚くほど田舎だ、ということで、わたしは、雑貨カフェオーナー計画からは尻尾を巻いて逃げ出しましたよ。遠い目。
 カフェはねぇ、ある程度人口があったり、学生さんとかビジネスパーソン(ジェンダーフリーにこだわってみました)が、いないとダメね。
 まず、この辺って、まだ、〈お茶飲み〉文化が残っていて、都会だとファミレスとかカフェでお茶、のところ、おうちでお茶、という発想になる。しかも、近辺にファミレスないし。どうせ車出すなら、飲み物のためにじゃなくて、ランチにしよう、は、ある。でも、食事の店と、カフェってちがうよね。会社は、お弁当業者郵政だし、朝コンビニでコーヒー買う人入るかもしれないけど、朝からカフェに入るとか聞いたことないし、この辺でそんな店知らない。だいたい朝寄るとしても、それはモーニングのえる喫茶店で、カフェ、ではないよね。さらに、大学がないから、カフェ利用しそうな層がいない。高校生は、チェーンのくるくる寿司をカフェ代わりに使うらしい。単価安いしね。
 もう、カフェ、ダメじゃん。

 そして、雑貨を販売するとなると、まず、雑貨買う人の顔が想像できない。プレゼントに買う人いるかな。プレゼントなら、ネットで買うんじゃないかな。
 でも、好きが嵩じる勢いで、雑貨屋さん開店したとします。自分の気に入った品物を仕切れて販売しますよね。自分の気に入った品物、ということは、それ、欲しいってことになります、自分でも。すると、販売しようとする品物は、必ず一つ自分用に購入する、という羽目に陥りますよね。目に見えるようです。そんなの、いくらお金があっても足りません。
 しかも、それが、ものすごく高いもので、一つしか入荷できないとかで、ものすごくものすごく好きなものだったりしたら、もう、販売できないじゃないですか。
 なんだか、結局、自分の趣味の雑貨漁りばかりやって、お店として成立しない気がする。

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