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うほうほ

初めてiPhoneを触った時、どういう風に操作したらいいのか全くわからなかった。自分がおさるさんになったみたいに。

うほうほ 何だこれ? うほうほ
これが通話もできるパソコンであることは、情報として理解していた。
とりあえず、iPhoneの周りを一周する。
ボタンらしきものが一つ。一つだけ。
その時点で私の頭は軽くパニックになったた。ボタン一つで何ができるだろう?
電源のオンオフとスイッチを入れたり切ったりすることしか思いつかない。

恐る恐る手に取ってみる。ホモサピエンスをなめるなよ。そうやって人類は進化してきたのだ。多分。
ただ一つのボタンを押してみる。
反応なし。
そのとき、私は孤独になった。
地球でただ一人の人間になった。
理解できていないのはきっと自分だけなんだ。周りに人はたくさんいたけど、理解できていないのは私だけなのだ。同じ空間に存在してはいるが、全く別の次元に私は存在しているのだ。
そんなこんなを思いながら、私は涼しい顔を装い店を出た。

それから10年と少したった現在。
経費削減の為、会社の携帯電話が新しくなった。どこのメーカーか分からないAndroidさんの登場である。
今では一人前のiPhoneユーザーとなった私ではあるが、Androidさんは未知の存在である。過去の記憶が蘇る。

そして私は再び。。

うほうほ うほうほ

右側面に電源らしきボタンを発見。
押してみる。画面が白く光る。
鍵のマークが画面の上部に出現する。
鍵のマークを下にスワイプする。
ロックが解除される。

うほうほ

そうやって人類は進化するのだ。多分。

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