蟻 2024.06.09(日)
乗った電車の吊り革に蟻がいた
吊り革をぐるぐる回りながら
途方もない旅をしていた
誰かの手から乗り継いできたんだろう
そこがどんな場所かも分からずに
また誰かの手に乗って降りれればいいけど
せっかくどこから落ちても死なないんだから
さっさとジャンプっていうアイデアを持てば楽なのにとかを思いながら
吊り革も持たずに上を向いてそれを眺めている
僕は虫が苦手だから助けようとは思わない
人間と同じように、ただその自分勝手に生きている様を見つめることしかできないし、やらない
しばらく考え事をして上を見上げたらもう蟻はいなくなっていた
思った
降りた方が地獄だろう
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