くさい犯人(朝の作文2017.9.11)

 人が死んだ。殺害現場には証拠が残っていなかったが、とてもくさかった。 その犯人は車をぬすんで逃げ出したらしい。外に出てみると、ひとつの方向からだけくさい風が吹いてきた。その方向に行ってみると、乗り捨てられた車があった。中には誰もいなかった。そこからさらに匂いをたどると、人がたくさんいる広場に出た。しかもそこにいる人は全員がくさかった。
 仕方がないので、そこにいた人を全員逮捕した。そして一人一人と話したが、なんとくさくなくなっていた。しかし最後の一人だけは、とてつもなくくさかった。なんと広場で感じた匂いは一人のものだったのだ。その男は殺人罪と、く罪(くさい)で死刑になった。そして男の遺品はくさくて誰も受け取ってくれなかった。

おしまい。

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