クレヨン七味 (朝の作文 2017.11.15)

 クレヨンを間違えて食べてしまった子供が死んでしまった。その母親の所に、同じ経験を持つ親が集まり作り出されたのが「クレヨン七味」だ。
 クレヨン七味は、七味を固めて作ったクレヨンで、最初からものすごく売れた。
 子供が食べても大丈夫と思ってクレヨン七味を作った親たちも、次第に金に目がくらみ、七味の味が落ちたり七味以外の割合が多くなっていった。
 その親たちが死んだ。すると、最初の頃の親たちの心を受け継いだ親たちが、もう一度安全なクレヨン七味を作って売り出した。
 しかし時は2082年。食べても平気なクレヨン等はもはや当たり前になっていた。
 親たちも、金儲けが目的ではなかったが、大して売れないとなると残念だった。
 それからも親たちは、普通のクレヨンになってしまったクレヨン七味を売って、ひっそりと暮らした。

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