レンタルトイレ (朝の作文2017.10.3)

 A社は、日本中のトイレを買い取って、レンタルトイレとして有料貸し出しを始めた。一秒一円である。
 最初、国民は反対していたが、トイレはすべてレンタルになっていたので、慣れてきた。
 レンタルトイレは絶えず進化を続けた。まず、社長が総理大臣になってA社以外の会社がトイレを作ることを禁じた。次に、各家庭でトイレを持つことを禁じた。こうしてレンタルトイレによる収入は増えていった。
 ある日、ある人が気づいた。レンタルトイレはドアを開けっ放しにすれば料金がカウントされなかった。人々は全国に約8万台あるレンタルトイレのドアを壊して代わりにカーテンをつけた。
 その後、なおもレンタルトイレを復活させようとするA社にしびれを切らした国民は、A社に火をつけた。中にいた人は全員トイレに閉じ込められた。

おしまい。

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