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小説新潮9月号に『おどろかし 戯場國の怪人』第三話が掲載されています。

 ちょっと仕事が忙しすぎて告知が遅れましたが、8/20に発売された小説新潮9月号に、『おどろかし 戯場國の怪人』の第三話が掲載されています。

 市村座で起こる怪異から、路考(二代目瀬川菊之丞)を守るため、留番(用心棒)として雇われることになった、深井志道軒の娘で女任侠徒のお廉。髪結いの仙吉とともに市村座の調査に乗り出し、奈落番の五郎八から、妙な話を聞くことになる。一方、前広島藩主である浅野但馬守の供として市村座を訪れた武士、稲生武太夫は、桟敷席で化け物と対峙することになるが――。

 えー、前にもちょっと書きましたが、江戸時代の妖怪ハンターといったらこの人、稲生武太夫がやっと物語に絡んできました。今回の物語のメインキャストの一人です。

 稲生武太夫といえば、青少年の頃に、ひょんなことから妖怪に祟られ、三十日に渡って、毎日毎日、日替わりで色々な妖怪と闘っていたという逸話のある人物。

 意外なことに、この物語に出てくる二代目菊之丞や平賀源内と同時代人なんですよね。

 稲生武太夫といえば、先にも書いた三十日に渡る妖怪との死闘の記録、『稲生物怪録』が有名ですが、他にも松山藩を舞台にした、化け狸との闘い、『松山騒動八百八狸物語』にも登場します。

 実は八百八狸と武太夫の闘いについては、『隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)』というタイトルで、以前に短編を書いたことがあります。ご興味のある方は、こちらのアンソロジーに収録されておりますので、どうぞ。


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