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8/30に、新潮文庫から『仇討検校』が発売されます。

 やっと Amazon に書影が出たので宣伝させていただきます。

 8/30に、新潮文庫から『仇討検校』が発売されます。

 表紙は遠藤拓人さん。見てよこの超かっこいい装画

 仕込み杖を持っているから、おそらく麹町時代の柘植定十郎ですね。肩に乗っている蟹は、アレですな。本文をよく読んでいないと見落としてしまうようなガジェットなのに、渋いところチョイスするよな~。

 えー、この作品、2018年に『見返り検校』というタイトルで、同じ新潮社から出た単行本の文庫化です。

 この作品、小説新潮での連載時は『杉山検校』というタイトルだったんですが、2回目の改題ですね。

 実を言うと、今回の文庫化に当たって、連載時のタイトル(『杉山検校』)に戻したらどうかという提案もあったんですが、いろいろあって、この『仇討検校』というタイトルになりました。やっとこの作品にハマるタイトルに落ち着いたかなという気分です。ていうか、何でこのタイトル、単行本の時に思いつかなかったんだろ?

 内容なんですが、日本鍼灸の発展に大きな貢献をした江戸初期の実在の鍼医、杉山和一の生涯をモデルに、そこに伊賀の無足人(伊賀忍者の末裔)である柘植定十郎という人物が絡み、高松藩の生駒騒動や、それに絡んで殺害されたある人物の仇討ちが、数十年に亘って綿々と連鎖していくという、大河ドラマ的な展開の作品です。ある書店員さんからは、「乾版レ・ミゼラブル」との評もいただきました。

 私がこの作品に『杉山検校』というタイトルを付けるのに躊躇があったのは、この物語、杉山和一の評伝というわけではなく、かなりフィクションの要素が濃いんですよね。特に杉山和一は物語の構造上、「殺されても仕方ない」と思われるくらいの悪辣な人物として描く必要があって、非常に誤解を受けやすい内容になっています。

 まさかあれを読んで史実だと思う人はいないでしょうが、さすがにタイトルに『杉山検校』と付けるのはどうかという思いがあって、こうなりました。

 発売が近づいたらまた記事を書きますが、とりあえずこれだけは言わせてください

 この作品、今まで私が書いた20冊くらいの長編の単著の中でも、自薦ではダントツ1位の自信作です。

(ちなみに2位は『塞の巫女』、3位が『機巧のイヴ』)

 というわけで、もっとたくさんの人に読んで欲しいんです。お願い!



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