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TAAC「かわりのない」を経て

こんばんは。のうないです。
TAACに出会って舞台制作になり、ご縁があって制作補佐として携わらせていただいた「かわりのない」の千穐楽から約2週間が経ちました。

今回は現場でのことを振り返りながら、私からみたTAAC「かわりのない」についてお伝えできればなと思います。

TAACに携わって

今回初めて公演の準備段階からTAACの作品がつくりあげられていくところをみました。パンフレットに掲載される文章の文字校正をしたり、稽古・座談会を見せていただいたり、劇場で合流して当日運営をしたり。
TAACの稽古に参加した話は以前もnoteに書いたのですが、とにかくタカイさんとキャストの対話が多いということが印象的でした。他の現場でも演出家とキャストが意見を出し合うことはありますが、TAACほどみんなが自分の考えを共有してつくられている現場は初めてでした。
私は稽古に参加した日は田代夫妻の部屋から、取調室に移るシーンの立ち稽古が行われていました。取り調べのシーンでは、キャストがしゃべる向き、椅子はどのような向きで置けば効果的なのか、意見を出し合って作られていきました。配信でも全体が映りますので、是非チェックしてみてください。
TAACの作品は静かなイメージがあったので、コインを投げるシーンで笑いが起きたり、和気あいあいとした雰囲気に驚きつつ、みんなが真剣に作品に向き合っているのを感じました。

劇場入り後、美術が組まれ、音楽や照明、衣裳を調整しながら、場当たりが行われ、本番前も毎日シーン1の返し稽古が行われました。
毎日毎日、良いものを作ろうとみんなが作品と向き合っていました。
TAACは脚本はもちろん、舞台美術や音楽、照明も素敵なのです。
始まる前かすかに聞こえる電車の音、斜めになった舞台や少し冷たさを感じる明かり、倒れた椅子たち、どのシーンを観ても美しいのです。
こちらも配信でじっくり観て感じていただきたいです。

そして今回、ゲネプロ・本番・配信を観させていただきました。
大切なものを失った、大切なものに気づいた彼らは今後どのように生きていくのだろうか。
大切なものの「かわり」なんてないはずなのに、私たちはなぜ大切な人、大事なものと向き合うことから逃げてしまうのだろう。失って空いた穴をかわりのもので埋めようとしても綺麗に埋めることはできないということを考えさせられました。

きっと私にとってはTAACが かわりのない ものだと思うのです。
ずっとお客さんとして観てきたTAACに「かわりのない」で携わらせてもらい、よりその気持ちが強くなりました。
重い場面が多い中、繊細さや人の温かさが感じられ少し前向きになれるTAACの作品が大好きなんです。
だからこそもっと沢山の人にTAACを知って、作品を観ていただきたいです。
そしてTAACが皆さんにとっても「かわりのない」ものになりますように。

TAAC「かわりのない」アーカイブ配信中です!

本日からは2週目の配信が始まります。
客席からは見えにくかった表情などもアップで観ることができますので、劇場でみるのともまた違った良さを感じていただけるのではないでしょうか。
すでにご観劇された方も、TAACや「かわりのない」が気になっていた方も是非、この機会にご覧ください。

TAAC「かわりのない」配信について
料金:3,800円
アーカイブ視聴期間
❶2/19[月] ~ 2/26[月]終了
❷2/27[火] ~ 3/5[火]
チケットはコチラ⇩

また、期間中に主宰のタカイさんによる同時視聴副音声配信が公式X:@TAACproduceのスペースにて開催されます。
脚本・演出の方から作品について聞くことが出来る機会があるのもTAACの良さだと思います。

2月25日(日) 22時~【戯曲の解釈では、皆さんから上がった疑問点や細かな設定も含め、シーンごとの解説を聞くことができました。

次回は3月3日(日) 22時~【演出の裏話】です。
ここでしか聞くことのできない話もあるかと思いますのでお楽しみに!
(私はオープニングで椅子を動かすシーンの意図がとても気になります。)


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