【2020松本山雅】vs浦和(2/26)プレビュー

1.はじめに

浦和は中4日、山雅は中2日で挑むルヴァンカップ第2節。
会場は昨年劇的逆転勝利を成し遂げた埼玉スタジアム。
個人的な話で恐縮だが、今季会場で見る初戦となり、とても楽しみな一戦である。

(図とスタメン予想に入力ミスがあります。)

2.予想スターティングメンバー

画像1

・松本山雅FC
FW
榎本樹
ジャエル
MF
アルヴァロ
米原秀亮
山本真希
イズマ
DF
高木利弥
浦田延尚
大野佑哉
吉田将也
GK
圍謙太朗

新潟戦に備え、ターンオーバーを予想。
21歳以下の枠には変わらず榎本を起用すると予想。
愛媛戦でサブ入りした彰人、ジャエル、イズマの前線は併用可能なのか、可能なのであればどのように起用するのかがポイントだろう。


・浦和レッズ
FW
ファブリシオ
武藤雄樹
MF
マルティノス
青木拓矢
長澤和輝
武富孝介
DF
宇賀神友弥
槙野智章
マウリシオ
岩武克弥
GK
鈴木彩艶

こちらもターンオーバーで臨んでくると予想。
ターンオーバーしても豪華なこの選手層は羨ましい限りだ。
湘南戦で西川が突き指をしている為、今後のことも考え鈴木に実践経験を積ませる可能性がある。鈴木は21歳以下の枠に該当する。

3.浦和の特徴

仙台戦、湘南戦で合計8得点の爆発的な攻撃力を持つ反面、4失店と守備が不安定な浦和。

画像3

攻撃は、まずFWにくさびを入れることを考え、後ろから組み立てる場合でも前線へのパスコースが見つかれば一気に中盤を飛ばしてくる。

特に特徴的なのがSHとSBの縦関係。
基本的に同じレーンに被ることはなく、内外、外内関係を作ることでワイドからハーフスペースへボールを運ぼうとする。
SBが中に入るタイミングは、ボランチの1枚が最終ラインに落ちたタイミング。

SHがマークする相手によって、浦和のパスコースが変わるが、最終的に狙っているゾーンは同じとなっている。

画像2

(この画像はGIFとなっています、10秒で画像が切り替わります。)

また、4-4-2相手の試合では、SHが前線に張った際に、FWが1枚降りてきて、ビルドアップに参加、数的優位を保っていた。

画像4

守備の弱点はハーフスペースと逆サイドの空間。

画像7

(左下は誤植です。)
ディフェンシブサードにおいて、SBがワイドでボールを持った選手に釣られることが多く、そこを埋めに行くのはボランチないしサイドハーフ。
基本的に浦和のブロックは前後左右距離感が近く、密集しているため、パスが出されてもカバー出来ているシーンは多い。
そこで、逆サイドに目を向けると、逆サイドのSBとSHはほぼフィールド中央に位置している。
仙台戦では、寄り過ぎて相手のSHをフリーにし2失点。湘南戦ではスライドして釣りだされていたCBとSBの間でヘディングされ2失点。クロス対応に問題を抱えていることは間違いない。

4.山雅の攻撃

浦和の特徴を踏まえ山雅の攻撃がすべきことは、

①ポジションチェンジでマークをずらし、ボールの奪いどころを無くす。
②ボールサイドのハーフスペースをこじ開けるためにポジションを変え、DFを釣り出す
③見るべきところはファーサイド、死角から走り込む

の3つである。

画像6


仙台の反省点、4バックの両サイドが上がり、2バック化した事でビルドアップに苦労し、カウンター対応でも後手を踏んだ。山雅はボランチが降り、ビルドアップに参加することが予想されるが、浦和のSHがどこにプレスに行くべきなのか迷わせる必要がある。


山雅はセレッソ戦で基本的にSHがハーフスペース、SBがワイドという縦の分担をして攻撃をしていたが、浦和のようにとは行かなくとも、FWとボランチを絡めながら位置を変え、ハーフスペースを攻略したい。


逆サイドのSHとSBはクロスが上がるタイミングで上手くSBの背後からPA内に侵入したい。ボールが流れても、拾えれば再度組み立てることが出来、浦和のボールを持つ時間を少なくすることが出来る。

画像5

また、逆サイドに大きくスペースが空くのを利用し、(図では右の大きな空間を使う)そのまたさらに逆サイド(図では左サイド)のSBのマークを狙うことで、浦和の守備は混乱するだろう。

5.山雅の守備

基本的に4-4-2のミラーならば、弱点は同じなわけで、ハーフスペース封鎖と逆サイドのマークは開幕2戦から修正ポイントである。
その上で

①カウンター対応の人数を確保
②中央封鎖、コンパクトに高いラインを保つ
③確実にリトリート、飛び込まずマーク確認


浦和の攻撃は、カウンター時に大きくロングボールを使い数人で崩し切ろうとする。
そのため、深く押し込まない限り、逆サイドのSBとボランチ1枚、CB2枚の4枚でカウンターケアをするべきだろう。
カウンターとなっても焦って取りに行かず、
遅らせる→無理ならマークとマイナスをケア

②浦和ポゼッション時は、まずFWへのパスを封鎖し、サイドから崩す手間をかけさせることが重要、遅攻はさほど得意でないため、どれだけ前進のスピードをスローダウンさせるかがポイントとなる。
前からプレスに行って蹴らせないのもいいが、選手間の距離が空き、テンポよく前後左右に振られてしまうとピンチを招くため、前線の選手は我慢が必要か。

③アタッキングサードに侵入された場合、大外から単純にクロスをあげるよりも、細かくパスを交換しハーフスペースに侵入してから上げるケースが多い。
まず、SBが釣りだされてハーフスペースを空けないことが第1条件、逆サイドのマークとマイナスはやはり怠ってはならない。

後ろに戻させたらGood
しかし、戻ったボールに必要以上に食いつくとFWへ繋がれてしまうので、あくまで中央封鎖リトリートが前提となるだろう。

6.展望

浦和のやりたいことをさせない為に、なるべくボールを握り、浦和の攻撃回数を減らすことが重要である。
しかし、ミラーゲームであることから、個と個のマッチアップでどうしてもやられてしまう場面は想定でき、無失点を期待するのは酷であるのではないかと感じている。
今回問われるのは、リーグ戦のメンバーへのアピールをすべき選手たちが、相手に応じて相手の弱点を突くアイデアを表現できるか、ということであるだろう。

厳しい戦いにはなるが、ここで浦和を封じ勝利できれば、ポジション争いはより一層激しくなり、チームにいい影響を与えることは間違いない。
3月には、千葉・徳島・北九州とアウェイ2戦を含む3連戦があるため、そこに向けてもいい試金石となることを期待している。