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【2023松本山雅】vs今治(8/26)H レビュー


・今治戦

いい試合。されど悔しい試合。
内容面での向上が見受けられた点に関してはものすごくポジティブで、道半ばの我々にとっては次への収穫と共に、昇格戦線から離脱しないという最低限をクリア出来ている。
それだけに、ゲームプランから見たらほぼ0-0と認識できる「結果」だったことだけが痛い。

・ゲームプランと噛み合わせ

ゲームプランは鹿児島戦から、大元の原則寄りに修正が入ってスタート。
非保持はハイプレスから入っていくような形だった。
今治のタレントとして中川が移籍、ヴィニシウスがベンチスタートということで、前線の脅威は裏よりも起点になることだった。
特に、常田がマッチアップすることの多かった阪野は低い位置で体を張るプレーや、ロングボールでの競り合いで大きくクリアさせずらいプレーをしてきた。ハイプレスをかけた先がこの状況で起点を作られ続けると厳しいのだが、この点は多少振り回されながらも耐えていたのではないだろうか。

また、ハイプレスからのショートカウンターも好調。
正直ここで決めていればというシーンはいくつか作っていた。

ショートカウンターは多少即興の局面であるが、今節に関してはより確率の高い選手へのボールデリバリーというところが出来ていたように思う。

そんな中で多少困ったのは、対5バックのアタッキングサード侵入。
同じサイドで何度もパス交換するようなパスサッカーではないため、どうしても相手の守備ブロックがそこまで崩れていないタイミングで侵入を図ることになる。
5バックの場合、一番狙いたいハーフスペースに対して3CBの左右が対応しやすい位置に立っている。また、相手WBとこちらのSBの距離が近く、寄せに活きやすい状況であるため、出し手の余裕という点でもシビアである。
その点同じ3バックの八戸戦は、相手がプレスをかけてくることによって、WBが縦ズレしていたため、早い段階でその裏のスペースを使い、早い展開の攻撃を行うということが出来ていた。
今回の今治のように、ある程度プレッシャーを前線に任せて、WBがスペースを空けることが少ないチームに対して、特にラインを下げられた時に関して、どのように振る舞うかという点は、今後同様のチームと戦う上で1つ解決策を持ちたい課題になりそうだ。

・たられば

冒頭でも述べたが、この試合はほぼ0-0である。いくらショートカウンターでチャンスを作ろうが、慣れてきたアタッキングパスからの展開で惜しいシュートチャンスを作ろうが、結果的に止められたら0である。
だからこそ原則はチャンスクリエイトへの試行回数を増やすことと、チャンスの確実性をあげるアプローチをしている。
同点弾はよく押し込んだし、それ自体を否定する訳では無いが、引き分けだからこそ、本来やりたいことが出来たかというところにフォーカスして貪欲に勝ちを目指す必要がある。

反対に、守備は多少チャンスクリエイトされているものの、凌いでいた。
けれども、1点取られた。
その1点はオフサイドのセルフジャッジ。
確かに映像で見てもオフサイドの確率が高いと思うし、リーグ側から今後何らかの見解が出るのでは無いかとは思う。
けれども、そこでセルフジャッジせずに潰していれば、ただのなんでもない見逃しだったはずだ。

スポーツに「たられば」はない。
それは起こった事実を直視する必要があるからなのか。
しかし、もしも潰してい「たら」、その後の流れがどうなるか分からないが、最終的に偶発的要素が多いながらも得点していたから、勝てていた「かも」しれない。
もちろん違う可能性もある。

逆側から見れば、ボールの跳ね返りが村越のまえでなけ「れば」勝てていた「かも」しれないんだ。

そして、今治と山雅の「たられば」の質の違いは、自分たちのコントロール可能性が高い部分であるのかそうでは無いのか、という点だ。

能動的にこうしていれば、ああしていればという後悔から来る「たられば」ほど質が低い。

行けよ最後まで、走れ松本。

勝利をこの手に、そのための最低限のレベルをクリアしていなければいけない。
高い勉強料を払った試合だった。

OneSou1