【2020松本山雅】vs愛媛FC(2/23)レビュー

1.はじめに

J2の開幕戦。
42分の1ではあるが、今後序盤戦の勢いに大きく影響を与える1戦のため、負けられない。
DAZN観戦ではあるが、12人目の選手として最大限後押しをしたつもりに(勝手に)なっている。

結果は2-1、昨年の10/5アウェイ仙台戦以来の勝利となった。

2.スターティングメンバー

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・松本山雅FC
FW
阪野豊史
MF
セルジーニョ
杉本太郎
藤田息吹
塚川孝輝
鈴木雄斗
DF
高橋諒
森下怜哉
橋内優也
田中隼磨
GK
村山智彦

ルヴァンカップから2人変更、浦田→森下、榎本→セルジーニョとなった。
セルジーニョは1.5列目的にプレー、SHが中に絞りワイドを空けるスタイルは基本形のようだ。

・愛媛FC
FW
有田光希
MF
森谷賢太郎
横谷繁
長沼洋一
山瀬功治
田中祐人
小暮大器
DF
前野貴徳
西岡大輝
茂木力也
GK
岡本昌弘

怪我人が複数人出ている様子。
長沼は予想通り本職の右ではなく左でスタート。
シャドー、CBにはボランチでプレー可能な選手が入り、ポゼッションの意識が強いことが伺える。

3.山雅の攻撃

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相手は5-4-1のブロック。
基本的に左サイドのハーフスペース攻略を狙い、詰まったら逆サイドに展開し広いスペースを攻略しようといういう狙いだった。

7分
敵陣でボールを奪い、セルジから鈴木へパス。
ハーフスペースで受けた鈴木は空いたワイドの隼磨へパスし、隼磨からクロス、杉本がシュートも枠外。

→ハーフスペースでボールを受け展開することで、ワイドでフリーでクロスをあげるというパターンを実行
このシーンだけでなく24分、42分などにも、ワイドで隼磨や鈴木がフリーになるシーンを多く作り出せた。

26分
左サイドの狙っているスペースを、杉本、高橋、藤田の3人で崩したシーン。
高橋が裏にぬける動きでスペースに侵入しクロスをマイナスへ上げれた。
基本的に、左サイドでボールを持つ時には、数人でパスを交換しサイドを抉ってからクロスというパターンが本来の形だろうと思われる。
これを増やしたい。

52分 得点シーン
右サイド後方でボールを持った塚川からのボールが一気に阪野に通り、そのままハーフスペースに侵入。
マイナスの折り返しに待っていたのは鈴木。
早い展開からのプレーだったため、愛媛の戻りが間に合わなかった。
このパスが一気に阪野へ通ったのも、鈴木が絞って位置していたためである。

70分 得点シーン
橋内から塚川、こぼれて拾った杉本からのパスをセルジーニョがシュート、こぼれ球を鈴木がシュート性のクロスを阪野に届けゴール。
今回はシュートだったが、セルジーニョからのパスを待つ位置がいい鈴木がこぼれ球へもいい反応を見せれる位置にいたことで勝負あり。

4.山雅の守備

愛媛のビルドアップは主に2種類あった。

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①相手ボランチが1枚落ちて、4枚でビルドアップ
この場合フォーメーションを崩すことなく最終ラインに圧力をかけることが出来るため、山雅としては守りやすかった。
WBにはSBが食いつき、裏に広大なスペースがあるが、CBがカバーしていた為、愛媛としてはなかなかそこにボールを運ぶことが出来なかった。

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②後ろにはCB3人、ボランチはあまり下がることなくフォローに留まるビルドアップ
この場合山雅のツートップが愛媛の後方4人を見る状況となり、最終ラインへの圧力は弱まってしまった。
愛媛のボールキープ時の大半はこの形であったが、SHのカバーシャドー、逆サイドのSHがサイドチェンジに懸命に対応したことにより決定的な機会を少なく押えた。

12分 
SBがWB対応で釣り出されるシーンが2つ続いたが、杉本と藤田がハーフスペースを消し、ピンチを未然に防いだ。
セレッソ戦で課題となった部分は修正された模様。

47分 失点
コーナーをニアですらされての失点。
これは森下のマークが遅れたことによる失点のため、なにかシステムとして欠陥が露呈したわけではない為、その後の切り替えは上手くいったのではないか。

セレッソ戦で課題となった
①ハーフスペースの埋め方
②PA内でのマーク
は、双方問題なかったと思われる。
若干マンマークを外されかけ、ヘディングを打たれることがあったが、戦術は確実に1週間で浸透している模様。

5.雑感

攻撃では、左サイドで起点を作り、右サイド展開からクロス・シュートという形が1試合通して見られたこと。
守備ではWBに対して引くことなく、チャレンジアンドカバーが徹底されていたこと。
今回の試合ではゲームプラン通りに自分たちのプレーができていたと感じた。

得点に絡んだ鈴木、阪野はもちろん。
セルジーニョは神出鬼没の動きでパスを散らし、塚川は左右のパスだけでなく鋭い縦パスに何度もチャレンジしていた点は評価されるだろう。
守備陣も、特に目立ったミスはなく、森下は初先発ながら安定したプレーを見せていた。
コーナーでマークを外した点については、一瞬の気の緩みが出たということだろう。今後に期待したい。

気になったのは杉本、キープ力に優れているのは誰もが知っているが、相手に囲まれてもなお、相手を背負い、ボールを奪われるシーンが散見されたことは残念だった。

6.最後に

今回、J2リーグ戦ということで、DAZNという普及が進んでいる場所で映像が見れるため、細かいプレーの再現は省略しました。
ルヴァンカップでは重要なシーンをピックアップし、図解するつもりです。