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【2023松本山雅】vsFC大阪 (9/3)A レビュー


・FC大阪戦

自分達のサッカー以前の問題だった。
劣悪なピッチコンディション、夏場の熱い時期に17時キックオフ。予想出来ていた状況から、僕らがやろうとしているサッカーへのハードルが上がっていたのは事実。
だけども、今回の負けは自分達のサッカーをやった上で、適応できなくて負けたのだろうか。
その手前の大前提、球際にこだわる、寄せる。ベースとして強みにしているチームに対して、その部分で圧倒しろということではなく、闘う姿勢が見えているのかどうかで印象はだいぶ変わる。
ただ、現時点で「出来ない」ものをあーだこーだ言ってもどうしようも無い。できるようになるしかないだけ。
その部分とは別にどのような現象が起こっていたのかは振り返っていきたい。

・強かな対山雅とピッチコンディションの妙

FC大阪はピッチコンディションに助けられながらも、山雅の攻撃の脅威を確実に削ぐ守備を行っていた。
前半、まずプレスのスイッチは野々村に横パスが出たところから。
その理由はピッチのメインスタンド寄り、前半の右サイド側の芝がより荒れていること。シンプルに常田との足元の精度の差もあるだろう。
ここのプレスに対して野々村は蹴ったり、交わしたりというプレーで対応し、捕まることは無かった。しかしプレッシャーは感じていた他、ロングボールで逃げた際には小松とのエアバトルに集中したCBとの勝負を強いられた。


得点は小松がエアバトルに勝ったところから生まれているが、勝率が高かった訳ではない。
再現性を持って攻撃するという自分達のサッカーにおいて、このパターンはイレギュラーなものと言えるか。

また、交わしたとしてもパスコースは内側なので他の9人がブロックを崩さず、かつ大きく振られることも無く構えるような状況を作られていた。

山雅はこの状況に対して、左サイドからのアタッキングパスないし前進で打開する。
基本的にはサイドの縦を切られてアタッキングパスに移行するパターンが多く、その状態になったことで相手SBがアタッキングパスに反応する余裕を作ってしまっていた。
この点、よく野澤は相手CBの裏を狙う斜めのランニングを繰り返していたのだが、そこにボールが出ることはなく、大外に配球が集中したことでより相手に守りやすい状況を作らせてしまっていたように感じた。

・後半怒涛の攻めと、最後をやらせない大阪

後半の入りから山雅としては流れが噛み合い始める。
攻撃で押し込んでからクリアの回収、またはカウンターの起点を潰してからの2次攻撃という時間をずっと作ることが出来ていた。
FC大阪は押し込まれた状態ではしっかりと撤退戦をしてくる他、カウンターの起点は攻め残りしているFWの1箇所のみ。
的確に足元につけてきて、被ファールも含めて状況をひっくり返そうというところはだいぶいやらしいが、常田が大半をつぶせていた。

では、2次攻撃でのチャンスクリエイトはどうだったか。
正直、十分ではない。ただ、相手が撤退戦をしてきていることを考えれば、こじ開ける難易度は上がっており、その相手に対して複数回ゴールを脅かすチャンスを作るというアプローチ自体は間違いではない。

しかし、山雅が今までやろうとして上手くいっていなかった部分が、チャンスの質に大きく影響することになった。
FC大阪は大外で山雅の選手がボールを持った時に、SBとSHの2枚をボールホルダーにつける。
どちらが強めに寄せる訳でもなく、パスコースを切りながらクロスに誘導しているようだった。
このタイミングでもうひとつ内側、もうひとつ深いところを狙いたいのだが、普段シンプルに狙っているコースが切られているため、機能せず。
クロスを2人の間や縦に運んでから上げるものの、人数が揃った最終ラインに跳ね返され続けた。

・選手交代の是非

ほぼファイヤー状態となった最後のメンバーとポジションは下記の通り。

村越の左SBがよりファイヤーみを印象付けるような形にはなっている。
さて、これに関して結論正解か不正解かと言われると答えは難しいが、アリなのかナシなのかで言うと、ナシでは無いと考えている。

ビハインドの展開で、相手が撤退戦。
押し込まれるシーンも少なく、カウンターの起点は2CBで対応可能。
条件だけを考えると、この選手起用でも特に問題は感じない。

気になる点は2つ。
ポジションの変更が複数回起こったこと。
そして村越が左サイドのワイドでどこまでプレーしたことがあるのかということ。

そもそものベンチメンバーの構成として、リードしていたらという話はあるが、前線の入れ替えとシステム変更で守り抜く算段だったのでは無いだろうか。

60分近くに村越を投入してから短い時間で3回ポジションを替えられたわけだが、さすがに短時間でそこまで頻繁に変えられるとプレーするのも大変になるように感じる。
そして、このポジションチェンジの回数が『スクランブルでの起用』をより想起させる。

結果的にこのファイヤーのタイミングでは点が取れず。
ここに野々村を上げたパワープレーをするも大きなチャンスが作れることはなかった。

どれだけパニックにならずに行ったものなのか。この点がナシなのかアリなのかを最終的に結論付ける要素になりうると思うのだが、この点については言及がなかった。

・次節以降に向けて

戦術的な要素としてもなかなかに苦しめられた試合の中で、序盤の2失点は致命的だった。
この時期にやってはいけない試合だと思うし、ある意味自分達で勝てる試合を落としたと思っている。
幸い2位との勝ち点差はまだ7だが、2位集団が形成されつつあり、ここで置いてかれるのだけは避けたい。

立ち上がれ、俺らが松本。

『全てぶつけようぜ』

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