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ストローで飲んだ味噌汁の味を私は今も忘れない


今は元気に暮らしている私だけど

去年の始め 交通事故に遭い1ヶ月

病院のベッドで寝たきりで過ごした


そんな私を何度も救ってくれたのは

看護師さん…家族…

電動ベッド…クッション…

そして「曲がるストロー」だった


腰椎を骨折した私は

体勢を変えることも

体を起こす角度にも制限があり

全てのことが容易ではなかった


特に苦戦したのが 「飲む」こと


インフルエンザの時期と重なり

面会謝絶 看護師さんも

よほどのことがなければ呼びにくく

飲み物をこぼさないよう余計

気をつける必要があった


電動ベッドとはいえ寝ながら

飲み物を一人で飲むのは難しい…

その状況で 活躍してくれたのが

「曲がるストロー」


食べたり飲んだりくらいは

何とか自分で…

そういう気持ちになっていた私にとって

強い味方となってくれた


ペットボトルで水 お茶を

飲むことが ほとんどだったけれど

たまに差し入れでもらった

パックのジュースを飲むこともあった


パックのジュースに

ついているストローは

ほとんど まっすぐなものばかりで

寝ながら飲むには楽ではなかった


たまに 「曲がるストロー」を

付けてくれているものもあり

感動したのを覚えている


ストローが曲がっていること…

些細なことだけど

私にとっては とても大切なことだった


そして 毎日ベッドで

寝てばかりいると

普段より 食事に対しての

楽しみが増え そんなに

量が食べられなくても

いろんな味を食べることに

喜びを一層 感じるようになっていた


だから ほぼ毎回食事に出てくるのに

一番食べるのが困難な味噌汁を

どうしても飲みたくて仕方がなかった


そのため 私はペットボトルを

飲む時に使用していた

「曲がるストロー」を使い

お椀に入っているお味噌汁を

飲むことに挑戦した


最初は ちょっと慣れず

こぼしてしまったけど

だんだんと慣れてきて

先に汁をストローで飲み

残った具を あとで箸を使い

食べるという流れをスムーズに

行えるようになっていった



いつも何気なく使っているものが

私の心を体を助けてくれた



味噌汁を普通に飲めること…それさえ

私にとっての「ゆたかさ」だったんだ




「曲がるストロー」を

考えてくれた方

作ってくれている方々に

ずっと届けたかった

ありがとう



やさしいものって 案外

身近にあったりする



そのことに

気付けるかどうかは

自分次第




「曲がるストロー」はやさしい



私は そう思います






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