「あつまれ どうぶつの森」が楽しすぎるので「とびだせ どうぶつの森」で小4の女の子に救われた話をします

画像1

「あつまれ どうぶつの森」が楽しいです。

こんばんわ、麻宮ミヤネです。
皆さんはswitchで出た新作どうぶつの森やってますか?
僕はぼちぼちやってます。

楽しみ方は人それぞれ、ということで僕は今回まったり時計などをいじらずやってます。今までのどうぶつの森は「時計をいじって時間旅行をしてお金を増やしたり施設を強化する」みたいなプレイングをしてたのですが、そういうプレイをすると自分の場合が飽きが来てしまうので、今回はまったりとやろうと決意しました。飽きたら時計進めちゃうかも。

そんな中、ここであえて「あつまれ どうぶつの森」のことを書かずに3DSソフト「とびだせ どうぶつの森」の思い出話をしようと思います。

2012年に出たこのソフト、当時は「どうぶつの森が3DSで出た! 気軽に遊べるし画面もDS版のおいでよ どうぶつの森に比べて綺麗だ!」と感動しました。今見ると全然綺麗に見えないけど、それだけswitch版が進化したんだなともいえる。企業努力ですね。

このゲーム、お金の稼ぎ方は色々ありますが僕がやっていた金策は

画像2

1:夜中に南の島に行く
2:島に存在するものをヤシの木以外根こそぎ消滅させる
3:島をぐるぐる回る
4:ヤシの木にヘラクレスオオカブトなどの高価な虫がとまる
5:アホみたいに出てくるので捕獲しまくり売りさばく

という、知ってる人は知ってる環境破壊系密漁プレイでした。
Vジャンプに連載されてる犬マユゲでいこうという漫画に詳しく描いてあったり、Twitterでやり方が出回ってたはず。
日々密漁するだけ密漁して、たくさんお金を稼ぐ。そんなルーチンを繰り返し。

「虫! 虫! 虫! たっけぇカブトにたっけぇクワガタ!」

僕は虫に憑りつかれた。狂ったように島を回り虫を捕まえる日々。
手持ちをパンパンにして売るごとに最低でも10万以上の儲けが手に入ったはずだ。ハムスターが無限に滑車を走るが如く、誰でも簡単に出来る虫取り密漁業は僕にとって天国だった。
当時から僕の人生はパッとせず、特に良いこともなく生きていた。そんな僕にとっての救いがこの「とびだせ どうぶつの森」の密漁だったのだ。
虫を集めて売る、それだけでゲームの世界でお金持ちになれる。疑似的に金持ちを体感することが出来る。このゲームは僕というリアル世界で地獄に堕ちていたカンダタにとって、目の前に垂らされたバーチャルな蜘蛛の糸。現実ではないが、確かにそこに多幸感は存在していた。

だが所詮バーチャルはバーチャル、疑似体験である。

ひたすら虫を密漁してゲームの僕は金持ちになっていく。だけど現実の僕は別に貧乏のままだ。
一番の問題はお金、ベルだ。もともとは密漁してベルを稼いでゲームをより楽しもうとしていた。だけど、この時すでに僕は島でお金を稼ぐ以外の行動をまったくしなくなっていた。インテリア、住民との触れ合い、マイデザイン、その他。そういったどうぶつの森の楽しい要素なぞ二の次でお金の数字が増えることだけを目標にする。
ゲームは好きだが、いつの間にか蜘蛛の糸が賽の河原で石を積んでは崩されるような作業に変わってきてないか? 100万ベル稼いだら次は200万ベル、200万ベル稼いだら次は300万ベル……人間の業とは恐ろしいもの。
欲望に歯止めが効かなくなる自分が怖くなってきた。

これでゲームの中の自分も幸せなのか?
財布は潤うけど心は乾いていく。もともとお金を稼ぐためだったのに、来る日も来る日も真夜中の無人島で高級なカブトムシやクワガタを捕まえる日々。島をグルグルしすぎて親指の動きが気持ち悪い可動域になってきた。

「これが僕のやりたかった【森】なのか……?」

我に返った僕は心の底まで金(ベル)に染まる前に、いったんこのゲームを卒業することを決めました。
この島をぐるぐる回って密漁する仕事は、ベルトコンベアに流れてきたパンに食紅のついた割りばしで赤い点を中心につけるだけの流れ作業と何も変わらないじゃないか。
でもこの流れ作業はパチスロをヨダレ垂らして打ってるみたいで脳汁が出てくる。時間を溶かしてひたすら数字が上昇するのを体感するだけで脳から疑似幸せ汁が出てくるのだ。

このままじゃいけない。

ただの虫取りゲームになってたし、だけど虫取り以外何もしたくなくなってたし、このままだと心が壊れちゃう!
という、どうぶつの森ルーチンパニックに陥ったから僕はいったん3DSの電源を切ったのだった。

そして時間は二年以上経ち、僕は相変わらずイケてない人生だった。貧乏人の上に暇だった。相変わらず財布の中にはお金がない。お金のことを考えているとふとどうぶつの森で金策していたことを思い出す。

「久々にやってみるか」

久々に起動したがあの頃の情熱はない。なんとなく村をぶらついて島に行ったりした。島の状態がどうなっていたかは覚えてないが、別に虫を捕まえる気もなかったし、あの頃はどうしてあんな無駄な密漁にばっか熱量があったんだろうと苦笑いすらした。

そんな中、ふと密漁ばっかりしていて全然やってなかったオンライン機能があることに気が付く。
オンライン機能を使えば知らない人たちとマッチングして、ツアーにいったり南の島で過ごせたりするのだ。正しくはゲーム内でクラブ・コトブキの会員になったら知らない人たちと南の島で過ごせるようになる、みたいな内容だったはず。

「発売して二年以上経っているこのゲームで、誰かとマッチングすることはあるのだろうか?」

僕は淡い期待を抱きながらオンラインに繋ぎ、南の島へ出発する。確か時刻は20時過ぎくらいだった。
島にたどり着くと最初は受付につく。が、誰もいない。

「まぁそりゃそうか」

さすがに発売して二年以上経ってるこのゲームでオンラインマッチング機能を使ってる人なんていないだろう。
やっぱり誰もいないかと思いつつ、期待せずに建物の外に出た。
すると。

イラスト5


そこにはむぎわらの帽子をかぶり、ドレスでたたずむ女の子がいた。
発売してしばらく経った、人が来るかもわからない無人島で誰かを待っていたのかと思うと時間が夜だったこともあって何だか神秘的に見えた。

名前は適当な感じだったはず。マリン、みたいな。

チャット機能が使えたので「はじめまして^^」とタッチペンで入力しチャットする。^^←これは当時マイブームだったから積極的に使っていた。
チャットするとちょっとの間があり「どうもww」みたいなフランクな返事が返ってきた。

僕はこのゲームにまだ人が存在したんだ! と世紀末後にひとりぼっちになった人間が初めて生き残りを発見した時みたいな感想を覚えつつ、メッセージのやり取りをしていく。

僕「まだどうぶつの森やってる人いるんだ^^」
女の子「やってるよwwwwww」
僕「久々に起動したんだよ^^ww」
女の子「うちは学校で友達の間だけで流行ってるwww」

学校? 二年前のゲームなのに若いんだな。
そんなことを考えてるときにふと思う。この女の子何歳なんだろう、と。
女性に年齢を聞くのは失礼じゃないか? ていうかどうぶつの森のアバターが女性なだけでこの人はネカマかもしれない。
ていうか今気が付いたけど僕ネカマじゃん!(アバターが女だった)
なら聞いていいか。

僕「学校って何歳? あたし23^^」
女の子「私は小4wwww」

えっ小4? ていうことは9歳か10歳?
ていうか今僕は小4とチャットしてるの? いい大人が? どうぶつの森で? えっだいぶキツくないか?
だいぶキツい。
だからこそここは攻める。

僕「名前は? 私はあけみ^^」
女の子「あけみなんだwwwwウチゆかwwww」

地球全体の人口がだいたい70億人ちょい。70億人いる中で僕とゆかちゃん小4はどうぶつの森でコネクトしている。貧乏な男と小4の女の子が、どうぶつの森で。
その後もたわいもない話をしつつ、僕はあけみとしてネカマパワーをフル活用してゆか小4の話を聞きつつ楽しませていく。
最初は向こうもネカマかと思ったが、どう考えても学校やチャットの発言が小4っぽかったので、あれで中身が男だったら相当の変態だと思う。
どうやらゆか小4ちゃんは算数の授業が苦手らしい。

その時に聞いたが、発売して二年経ったこのゲームでもまだまだプレイしてる人はいて、こうしてオンラインにして南の島にいたらそこそこ誰かに会えるらしい。

そのあともチャットをして会話。だいたい1時間くらい経ってお開きのムードに。
別れ際、ゆか小4ちゃんがネカマの僕に言った。

ゆか小4「お姉さん面白い人だったwwwじゃあねwwww」

最後まで草を大量に生やして去ったゆか小4ちゃん。
自称小4だが僕はあれが本物の小学生だと信じているし、そんな小4に面白いと認められたのはちょっと嬉しかった。あと自分のネカマパワーに自信が持てた。きっしょい話だが、それでも人から褒められるのは悪くない。
ゆか小4にとっては何気ない言葉だったのかもしれないが、僕は面白い人だったと肯定してもらえたことにより「少しは人生頑張ろう」と思い3DSを閉じたのだった。

それからしばらくして僕は3DSを壊し、どうぶつの森自体が出来なくなった。3DSごとダメになった。
南の島で密漁し病み、小4の女の子に褒められるという経験をさせてもらったおいでよ どうぶつの森が出来なくなったことに悲しみを覚えたが、貴重な体験をさせてもらったと感謝する。
小さな思い出をゲームの中で作らせてもらい、ほんの少しだけだが心の元気をもらえたのだった。

そして今年、どうぶつの森の新作が発売した。
switch大好きな僕は真っ先にこのゲームを購入し、そして久々にアプリ以外のちゃんとしたどうぶつの森をやる。やはり楽しい。
無人島でひたすら釣りをしたりDIYをしたり雑草を抜いたり……あまり目的はないが、ないからこそゆるやかに楽しめる。
そしてヤシの木を見るたびに思い出す。

「ゆかちゃんは元気にしているかなぁ」

南の島であったゆか小4のことを思い出しながら、僕は今日も無人島で暮らすのだった。

あれからさらに大人になった僕は相変わらず貧乏だし特にいいことはない。だけどどうぶつの森は楽しいし、あの頃よりまったり楽しむ心の余裕も出来た。それもゆか小4に褒められて頑張ろうというやる気になって、今があるからかもしれない。
周りからはきっしょい話かと思われているだろうが、ていうか実際知り合いに話した時には「きっしょ!」って言われたが、僕にとっては人生にとって大きな出来事ではないが、小さな出来事としてはかなり大切なワンシーンになっている。
ゆか小4はどうぶつの森というゆるーい繋がりで一瞬だけ会話した見ず知らずの存在だが、全然知らない存在に肯定されることは悪くないものだ。
ゲームって叩かれやすいけど、こういうダメな自分の心をちょっとだけ軽くしてくれるからやっぱり好きだ。

今回のあつまれ どうぶつの森は密漁をせずまったりとやっている。タランチュラの乱獲が流行っているらしい。
またお金に目がくらんで金策に狂ったり時を進めたりするかもしれないが、それでも前回みたいにお金に目がくらまず、このゲームを限界まで楽しみたい。

そんなことを考えながら、今日も無人島でネカマをしながら暮らすのであった。もっとかわいいメイド服とか着るぞ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?