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ライブハウスメモリー

こんにちは、昨晩またもやウンコを漏らしたイヌです。

今回は、昔働いていたライブハウスで働いていた時の数多ある思い出から、2つのバンドについての思い出話をしていきまっす!

アタクシが働いていたライブハウスは東京の中央線の某駅の近くに有りましてスタンドで100人も入ればギッチリな小さなライブハウスでした。
まあでも客を100人呼べるバンドってのは非常に稀でして、内輪ではなく本当のファンを100人呼べるバンドなんてのはほぼいなかったのです・・・がっ!その日の客の数はなんと200人オーバーだったのです。

その日のライブはライブハウスを経営する親会社の専務的なお方がブッキングしたらしく、店長しか把握しておらず先輩PAとアタクシとバーテンのお姉さんは誰が来るのか完全なるシークレット状態でした。
普通ですと1月前くらいにはこの日は誰それ、この日は大学の集まりってな感じで決まっているのですが、この日だけはライブがあるのは確かなんですが誰が来るという情報が一切なかったのです。

そんな事情もありまして、アタクシは咥えタバコでチャリを漕ぎながら現場の人間をなんだと思ってんだ!プンスカプンスカバカヤロが!なんて思いつつ通勤していましたら、ライブハウスに近づくに連れて鋲付き革ジャンを纏いしパンク小僧達がウロチョロしているではないですか・・
『ええ・・何?世紀末なの?こっわ・・まさかウチの客じゃないよなあ・・』なんて思いもありましたが、どう考えてもウチの客でしかないのです。

店の前まで来ますと明らか開場待ちをしているパンクス達がわんさかいまして、アタクシは店の入口でampmの弁当をムシャムシャしてるパンク小僧に問いかけました「あの〜自分ここのPAなんですけど今日誰のライブなんすか?」と。

今考えるとなんともマヌケな問いかけだと思います。
ライブハウスの人間がお客さんに当日の出演者を問いてるんですから・・恐らく問いかけられたパンク小僧も『なんだコイツ?チンパンか?』と思ったに違いありません。

そして、そんなマヌケなアタクシにパンク小僧は優しく「ラフィンっす」と教えてくれたのです。
・・・アタクシは我が耳を疑いました。
ラフィン??!ええ?!チャーミー?ええ!?ラフィンノーズ??と驚きすぎて危うく失便しかけましたが、アタクシはライブハウスの入り口を勢いよく開け先に来ていたデブ店長に問いかけました。
「おい!デブ!今日ラフィンてまじか?なんで黙ってた?あ?全身に蜂蜜塗ってサファリパーク置き去りにしたろか?!ああ!!」
なんて事は言えず、
「店長!客に今日ラフィンだって聞いたんですがマジっすか?!」と聞きましたら店長は「そうだよ〜お前に言ったら誰かれ構わず言いふらすだろ?」

ぐうの音も出なかった。
あまりにも図星すぎて58マイクでぶん殴ってやろうかと思ったほどでした・・

若い人達にはラフィンノーズと聞いてもさっぱりとピンと来ない方達ばかりだとは思いますが、アタクシ世代でパンクロックが好きな方達ならラフィンの名を聞けば拳を振り上げoi!oi!と叫び涎を垂らして喜ぶのが当たり前なほどの偉大なるパンクロックバンドなのです。
興味がある方は是非とも聞いてみて下さいませ。

さて、今日の演者があのラフィンと知りテンションがぶち上がりのアタクシだったのですが、1つの謎が生まれた瞬間でもありました。
外に居たらパンクス達は一体どこからこのラフィンのシークレットライブの情報を仕入れたのだろうか?
当時はまだインターネットも普及していないし、情報の伝播の早さも今ほど早くなかったはずです。
そこでアタクシは外にいるパンクスに聞きに行きましたら「友達から聞いた」がほぼでして、情報の出所がはっきりしません。それでも、こんなに集まって来ちゃって入り切れるんか?ってほど大勢の客が今か今かと会場待ちをしていたのですからヒューマンネットワークも大したもんす。

さて、肝心のラフィンなのですが・・・え〜と〜正直申し上げますと、どんな風に会場入りしたのかとか、どんなリハをしたのかってのをさっぱり覚えていません!!

何故覚えていないのかと申し上げますと開演してからの思い出が強すぎた為かと思われ、どれほどのツヨツヨだったかと言うと冒頭にも書きましたが100人キャパの箱に200人を無理やりぶち込み、会場は身動きが取れない程でして、アタクシはその日は受付をしていたのですが150人を超えた辺りから来場者の数を数える事を放棄し、来るもの拒まずで受付横にある防音扉を開け放ち、朝の山手線よろしくムリクリ詰め込んだのです。

防音扉は非常に頑丈に作られていますので、詰め込んでしまえばコッチのもんなのですが、自分自身が入れなくなってしまったのでアタクシは受付がある地下からライブハウスの出入口まで連なっているお客さん達に「もう入れませーん」と追い出しながら階段を駆け上がり、裏口へ周りカウンター裏へ続く階段を駆け降り中に入るとそこは鋲の花咲く超超超満員の会場!我ながら良くもまあ〜こんなに詰め込んだなあ〜とカウンターから眺めて居ましたら、あら?なんだか息苦しくない?まあ良いやとりあえずタバコでも吸いながらラフィンのライブを楽しもうじゃありませんかとタバコに火をつけようとライターに火を灯そうとしてもつかないのです。

あら〜?何故〜?・・・ああ!これ酸欠なんじゃない?!やべえだろ!と店長に「店長!酸欠っすよ!ライターつかない!」と爆音の中アタクシが店長に訴えるもこのクソデブ店長は何故かアタクシにOKのハンドサイン・・・何に対してのOKサインなんだろうか?シンプルに馬鹿なのかしら?屠殺したろかこのミートボール豚足野郎!と思いましたがアタクシは言っても1番の下っ端なので、普段は苦情が来るので開けないカウンター側のドアと先程駆け降りて来ました裏口へのドアを開けとりあえず酸欠を免れたのです。
後から苦情が来ても店長を差し出せばアタクシにはノーダメージ。
その薄くなったコウベを垂れまくれやウハハハハハハ!!バーカバーカ!!

と、愉快な気分でラフィンが出す爆音に身を任せていますと、PAブースのパイセンから「おい!イヌ!スネア(ドラム)のマイク倒れてるわ!直してきて!」とのお達しが来たのです。
普段ならばスネアのマイクなんかなくても生音だけでも大丈夫なくらいなのですが、なんせ今日はギュウギュウのパンパンなので音が吸われてしまい確かにスネアの音が抜けて来ない。
よっしゃ!任せときパイセン!アッシが光りの速さで直して来て・・・あ・・行けない・・

そうです。
鋲付革ジャン達がほぼ身動きが取れない状態で拳を突き上げoi!oi!と叫んでいる地獄の様な光景が広がっているのです。
ぐぬぬ〜・・・だがしかしアタクシは行くしかあるまいと、カウンターの上から意を決して低空ダイブをかまし、何人かのモヒカンを潰しとりあえず会場に降り立ち
「ちょっとすんません!マイク直すからあああ!!痛っああ!!いやマジ鋲痛えから!なあ!ちょっとおお!どけえ!おらあ!鋲!!あああ!この鋲はああダメなやつだあダメなやつだあ!!痛えって!どけってマジで!」などと哭きながらやっとステージまで辿り着きスネアのマイクを直した頃にはアタクシのHPはほぼゼロ。
恐るべし超満員。恐るべし鋲付革ジャン(泣)

それからアタクシはもうカウンターまで戻る気力などなかったのでステージの下手で体育座りで終演までラフィンの演奏を眺めていました。
めでたしめでたし・・

さて、こんな間近でラフィンの演奏も見れたしなんだかんだ言って最高な日だったなあ〜とぶっ散らかったライブハウスの外を掃除していましたら、なんか本職的な怖そうな人がおいでになり
「なあ?お兄ちゃんここの人?」
「あ、はい!」
「ちょっと今日やたらうるさかったし、ガラ悪そうな人沢山いたよねえ?マジ勘弁してな?」
いやいや貴方様もなかなかのガラの悪さだよ・・・と思いましたが、
「いゃ〜自分は掃除だけのバイトなんでよくわかんねっす!下に店長居ますんでそちらに! 」
「あ、そう下ね」
「そうっす!下っす!」
と下に降りて行くおっかない人。

ぐははははははははは!!どうだ見たか!!西○(中央線某駅)の策士とはアタクシの事よ!謎のOKサインなんかした罰だ!バーカバーカ!!うひゃひゃひゃひゃひゃ!!

と、2つある思い出深い1つ目お話でした。
思いのほか長くなってしまったので、もう1つはまたの機会に書いてみまっす!
駄文にも関わらず読んでくれてありがとうございます。

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