NO.1 「人それぞれ」について

どうも、プロテニスプレイヤー、乾祐一郎です。


第1回目の記事、何を書こうか少し迷ったのですが、これからの記事を読んでもらうにあたって、基本にもなると思い、「人それぞれ」という考え方について書いていこうかなと思います。


「人それぞれ」難しいですよね。
テニスにも、テニスに限らずどのスポーツにも、明確にこれが正解!というものはなかなかありません。
テニスにおいて考えてみると、勝つための正解は、
• 特定のセット数(1セットマッチなら1つ、3セットマッチなら2つ)取った人の勝ち
• ポイントは、相手より1球多くコートに返せば取れる
くらいでしょうか。
1セット、基本は6ゲームで取れますが、7-5や7-6があるなーと思い、入れませんでした。

あとは基本自由なんです。
もちろんルールはありますが、その範囲であれば何をしてもOKではあります。
この幅がテニスの面白さであり、究極に難しいところなんだと思います。
どういう戦術をとるのか、どんな球を打つのか、ポジションをとるのか、どんなフォームで打つのか…などなど…
もっと言うと、道具だって何を使ってもいいんです。
ラケットの重さ、長さだったり、ストリングの素材、テンションなどなど…


正直きりがないと思います。
悩むポイントが多すぎるくらいです。
ただ、その悩むという行為が、後々自分のプレーの迷いを少なくしてくれるのかなと思います。
悩んで、比較して、試行錯誤して、自分のものを見つける。
その結果が、「人それぞれ」というものを生むのではないかなと思います。

僕のこの”テニスノート”を通じて、皆様の悩みのタネを生み出して、結果自分らしさを見つけるきっかけになればいいなと願っています。


僕のここで書く意見など、発信していることも、合う合わないも人それぞれなので、自分に合わないと思ったら切り捨ててください。
これが合う!と分かることも大事ですが、これは合わないと分かることも、また成長への道だと思います。

ジュニアの皆さんは特に、これからいろいろなコーチや監督に指導やアドバイスを受ける機会がたくさんあると思います。
環境によっては、複数の人に指導してもらうこともありますよね。
その時、稀に双方の指導が噛み合わないこともあるんです。僕も経験あります。

そういう時に、大事なのは、まずは実践してみること。
そして、自分に合うかどうかを正確に判断すること。
これが何より大事で、何より難しいです。

しかし、この技術を磨いていかなければ自分のテニスの方向性がいつまで経っても定まっていきません。


僕は速い球を打つのが好きで、ジュニア時代からサーブにはある程度自信をもって打てていたので、基本的には攻め!攻め!攻め!なテニスでした。
しかし、調子が悪いとランキングが下の選手に負けてしまったりすることもありました。
そういう時に、他クラブのコーチなどが、100%善意で、「もっとつなげることを覚えれば取りこぼしがなくなるよ」などと、アドバイスをくれました。
当時僕は中学生でしたし、負けたショックもあり、自分が得意なはずな攻めを捨てて、ラリーを長くして相手がミスするのを待つ、という方向に変えてしまった時期が少しありました。

そうすると、どのようなことが起こるか…
相手に攻撃されて、ウィナーを取られることが増えてしまったのです。
勝つためにミスを減らそうとしたのに、それが原因で相手に攻撃され、ポイントを落としてしまうのです。


そう、人にはみんな「向き不向き」というものがあります。
体格や筋力のバランス、育った環境やその人の性格など、いろいろな要素によって自分だけのテニスが形成されていくのです。
そして、その向き不向きを一番理解できるのは、自分自身です。

僕の場合、ミスしないのを意識して1週間ほどで、「あ、これ自分の武器消えてて、誰にも通用しないテニスになってるな…」と思ってしまい、元の攻撃的なテニスに戻しました。
今になって考えてみると、あの時一度ミスしないテニスをしたのは、いい経験だったと思います。

迷った末、元の所に戻った時には、以前より更にその攻撃に自信を持つようになりました。
迷いながら、自分に自信をつけていく。それが試合でも自信をもってプレーする秘訣だと思います。

その自信は何でもいいと思います。
フォアハンドのクロスラリーでは絶対負けない!とか、フットワークの速さは1番!とか、ブレイクポイントを握られたら、絶対自分からミスしない!とか、いろいろありますよね。

皆さんも、テニスについて悩んで楽しんで、自信をつけていけることを願っています!


今回はここらへんで。
ご覧いただきありがとうございました。


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