日暮里ザクロでインハウスデザイナー。日本一ウザい店長とのプロレスの果てに…
前回のデザイナーやめます記事、久々の投稿だったのに多くの方に反応いただきとても嬉しいです。無名デザイナーの散り様を見届けてくれてありがとうございます…!
16年ともにしてきたものを手放すのはやっぱりなかなか勇気がいることでしたし、多少センチメンタルになるのも致し方無いのですが…今後はなるべく楽しいお仕事の話をここでしていけたらと思っています。
そんなわけで今回は、私のデザイナーキャリアの終盤に突如として舞い込んできたカオス、日暮里ザクロでのインハウスデザイナー時代を振り返ってみたいと思います。
カオスにとびこめ
https://twitter.com/kibinoayatra/status/1534778921102610432?s=20
昨年3月頃、ベリーダンスの先生に「前にハフラ(発表会)やったザクロで、デザイナー募集してるらしいよ!」と教えてもらったのは、例の如くパッとしないデザイン仕事にクサクサしている時だった。
週2でベリーダンスショーをやってるザクロなら何かしらベリーダンス関係の仕事が出来そう!と思い食いついた私。
とりあえず電話してみると、普段ハイテンションなアリさんがめちゃくちゃションボリした声で「デザインしてくれる人、みんな国帰ってすごく困ってる…」と言うではないか。
前回記事に書いた通り、私が働く目的の一つは「誰かの役に立ちたいから」。一応経験が長い分搾取・利用されないためのアンテナは張っているつもりだけど、目の前に困っている人がいると素通りすることが出来ないのだ。徳がどうとかあんまり深くは考えていないけど、私に出来ることで誰かが助ってくれるならこれほど良いことは無いと思っている。
そんな私がこんなにも全力で困ってます!!!な人を放っておけるはずも無く。
正直日暮里遠いし業務委託じゃないとダメなのか?(実際働いてみて分かったけどダメだった)と少し悩んだけど、「力になりたい!」という気持ちが勝って働くことに。
面接みたいな話し合いの場で即採用された日、ザクロ出てすぐのお茶屋さんの軒先でやってる占い(10分1,000円)に「私本当にここで働いて大丈夫でしょうか」って聞いたのも良い思い出。
まあ長い人生、たまには自らカオスに飛び込んだって良いよね!
掴めない…!!
働き始めて1ヶ月くらいは大変だけど順調だった。ベリーダンスに沼っている身としてはザクロの商品全てが魅力的だったし、料理も美味しいし、もっと沢山の方に知ってもらいもっと沢山のお客さんに溢れて欲しいと思っていた。こういうイラスト↓作成も業務として扱われるのである意味天国だった。
ところが楽園の日々は長くは続かなかった。
2ヶ月、3ヶ月を過ぎても一向に、アリさんが求めるクオリティ/ 時間が掴めなかったから。大体どんな案件でもやってるうちに求めている内容やタイミングが掴めてくるものだけど、掴めない!!わからない!!
ザクロでは主に店内に貼るベリーダンスショーのポスターやポップ、ネットショップ用の画像だったりを作っていたのですが、発注は全てアリさんの気分とタイミング。豪邸のリビングにペルシャ絨毯の合成をしていたら、ロクム(トルコの甘いお菓子)のパッケージを作れ、いまいち売れないファブリックのポップを作れ、とやってる側からアレコレ言われ、作って見せたら「緑は嫌い」とかダメ出しされたり。
「もっとちゃんと指示してくださいヨォ!?」と怒りをあらわにしたこともあったけど、アリさんの指示もさることながら私の勘も鈍すぎたのでなんか行くたびプロレスみたいな雰囲気に。とにかく早く!というアリさんに対し、最低限のクオリティを保ちたい私…落とし所が完全に迷子。
だんだん「私もしかして仕事できないと思われてる??」と感じるように。
プロレスの果て
結局、噛み合う日は来ず。
ある日合成写真を例のごとくちまちま仕上げている時、アリさんがボソッと「え〜〜まだソレやってるの??それじゃアナタの時給で赤字だよ〜〜」と言うのが聞こえた。
たぶん普通の会社だとこうはっきり言われることは無いと思うが、そこは異国で長年商売をしている経営者。なんのオブラートにも包まない痛恨の一言が飛んできて流石に私も察した。
もうだめだ!!!!!
私のデザインやイラストでもっとザクロを盛り上げていきたい!と烏滸がましくも思っていたけど、無理だ…!私には出来ない…!
一体どうしたん??みたいな多少の違和感があれど勢いでねじ伏せる合成画像も作れないし、1秒で考えたけどバズっちゃったポップも作れない…!
力になれればと思ったけど、なれない!!無念!
察し後まもなくしてめっきり呼ばれなくなり、今年に入ってからはお客さんとしてしか店に行っていない。ちーん。
ザクロ好きです
とまあこんなことがありましたが、ザクロもアリさんもめっちゃ好きです。
こんなに面白い変な店他にないし、ほんの少しの期間でも働いていた事実が面白過ぎて最高だと思っています。
ウザいのは確かですがお料理も美味しいし雑貨もリーズナブルなのに良いもの揃っているので、気になる方は是非行ってみてくださいね!
その際は前にデザイナーやってたアヤちゃんがおすすめしてたので来ました〜とか言ってやってください。
やはりこうして縁のあった場所はいつまでも賑わっていて欲しいな〜と思います。
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